ノヴァ社における最重要技術の漏洩インシデントについて

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梗 概

ノヴァ社における最重要技術の漏洩インシデントについて

近未来の巨大企業「ノヴァ・インダストリーズ」で、社員や顧客の個人情報が漏洩する大規模インシデントが発生する。
ICT課が全社員の社用PCを回収し、どの社員から情報が漏れたのか特定に動き出す。

するとPCからは、重篤なサボりやハラスメント、社員同士のドロドロ不倫、横領や着服などなど、インシデントに関係のないうしろめたい事実がゴロゴロと出てくる。
ICT課はなかば面白がりつつうんざりしながら調査を続けていくと、徐々に個々の不倫関係や横領の共犯関係などが、つながりあっていることに気づいていき、下記の事実A~Cが明らかになる。

事実A
社内チャットに入っていた業務効率化AIが、多くの社員を、個人のBMI(脳接続デバイス)を社用PCに接続して使わざるを得ない状況へ誘導していた。この時代、BMIは個人利用では非常に普及していたが、セキュリティが担保されていないデバイスだったので、社内システムとの接続は非推奨。しかし便利さにかまけ接続してしまう者は多く、暗黙の了解とされる雰囲気が醸成されていた。

事実B
過労死により除籍となった社員が、あるプログラムを分割し、様々なうしろめたいことがある社員のPCのなかに潜ませて保存していた。

事実C
不倫にみせかけた密会により内部告発が準備されていた。内部告発の内容は、ノヴァ社がウランやトリウムに代わる高効率の放射性元素の濃縮技術を開発しているというものだった。

ICT課のひとりが、個人情報漏洩事件の真実を掴むためにバラバラに保存されていた事実Bのプログラムをつなぎあわせると、そのプログラムは全社員へのBMIへのバックドアを開き、ノヴァ社社員の脳内情報と健康管理情報をすべて謎の宛先に送信してしまう。

その宛先が、数年前に政府がファーストコンタクトを果たし、目下交渉中にある異星人ではないかと目される。
異星人の文明は地球人の文明とは異なり、バイオ技術は非常に発達しているが、核開発については惑星資源の差からかあまり進んでいないとされており、地球側は核に関する技術供与を重要な交渉カードとして伏せていた。
おそらく異星人は、ノヴァ社員の情報から、ノヴァ社のクローンをまるごとつくり、ノウハウを盗むつもりである。もし事実Cにあった核技術が盗まれたとしたら、地球側は交渉カードを失う。
さらに兵器転用も行われた場合、宇宙戦争への発展もあり得る。

そのようにICT課は報告したが、結局異星人側からは、核に関する動きは見られなかった。
忘れたころに、異星人がはじめて日本に降り立つ日がやってくる。
そこで異星人の外交団が渡してきたものは、ノヴァ社がサブ事業で展開している「ノヴァカレー」のレトルトパウチだった。

「最近、この料理がわが星で流行していまして、非常においしいのでぜひ…」
漏洩事件が純粋にカレーを気に入ってのことだったのか、暗に核技術を盗んだことを知らせるサインだったのかは、わからない。

文字数:1199

内容に関するアピール

③語り手について

小説全体を、この企業のICT課によるインシデント報告(調査書)として執筆します。
特定の個人ではなくICT課としての報告書なので、「この事実を知った課の社員が複数名退職を願い出た。」など、人事的な目線での事件へのリアクションを挟んでいきたいと考えています。
イメージとしては、物語の90%がブラウザのなかで完結するSF、といったスケールを考えています。

文字数:182

課題提出者一覧