梗 概
【改案】旅人たちのゲームブック
近未来の上野の物語。
10年前から続く中東戦争で、人間たちはプラスチック文明を失いつつあり、数ヶ月前に勃発した内戦で、アメリカという国も分裂しながら崩壊しつつあった。
各地の難民が流れこむアメ横は、不法な建築でふくれあがり、かつての九龍城砦のような無法地帯に。
中東難民の集落は、昭和通りを堺にアメ横と隣接するように東に広がり、数年前に完成したばかりのモスクのミナレットから時をつげるアザーンが流れている。
【構成】
アメ横に不忍からペリカンが飛来。高架下にある薬膳料理店主のもとに舞いおりて予言を残す。
その直後、博物館の地下深く山の深部から「緑色の赤ん坊」が現れる。
その数日後、上野駅に成田からの難民列車が到着する。駅舎からはきだされるように主人公たち(女性2人)があらわれ、アメ横へ。
片方は日系とネイティブ・アメリカンのルーツをもち、もう片方はブルガリア移民だった。アメ横は敗戦直後のような闇市になっている。2人は雑踏から逃れるように薬膳料理店へ。
店主はペリカンの予言どおり現れた2人に驚きつつも、保護していた緑色の赤ん坊を託し、「声」をきけるようになるという秘密の薬膳を提供する。
主人公たちは「盗葉緑体現象」をもつ緑のウミウシを思い出し、その赤ん坊に「エリシア」と名づける。
アメ横の上空を、偵察ドローンが飛びまわりはじめる。「横田と横須賀の米軍基地が互いを攻撃している」と誰かのさけび声がきこえる。日本にも北米内戦の火の粉が飛びはじめたのだ。ドローンに続いてAI犬も路地にも入り込む。どうやら誰かを探しているようだ。
主人公たちの脳裏に、北米の虐殺がフラッシュバックする。それはドローンの飛来から始まったのだ。そして、どこかからか銃声と悲鳴が。ここからも逃げなくてはならない。
3人は緑色の赤ん坊に導かれるように迷宮のようなアメ横を出て、イスラムコミュニティへ。
緑色の赤ん坊は「聖者アリ・ハディル」の生まれ変わり、あるいは地球の「管理人(ハリファ)」だと信じる人々の助けを借りながら、3人は山の地下空間へ足を踏み入れる。
そこは明治10年の「内国勧業博覧会」の開催時、上野の山の破壊と開発に対する闇として地下に生まれた異界だった。(主人公の祖先が、その博覧会に深く関わっている)
その異界では、1918年に北米から輸入された食用ガエルたちが二足歩行している。
不忍池周辺には道具や動物の供養塚が並んでいるが、この異界では、地上で供養されずに捨てられたテレビやラジオ、車や冷蔵庫が積み上げられた巨大な塚があちこちにそびえる。
さらに奥へすすむと、真上の博物館の底から滴るように化石がふり注ぎ、ゲートのような巨大な甲羅が行く手をさえぎる場所にでる。
主人公の日系女性が大切に携えていた曾祖父の日記が光りながらゲームブックに変容し、スフィンクスのように2つの問いかけをする。
問いかけ①②「それぞれの愛について」
主人公それぞれの家族との時間にゲームブックが入り込む。どの選択肢も切なく残酷なものになる(彼女たちは、内戦の最中に幼子や家族をすべて失っている)
質問に答えるたびに、積み上げられたテレビが瞬き、ウシガエルたちが赤ん坊に張りつきながら一体化する。ウシガエルたちは、大昔の怪物の末裔でもあり、危機を告げる者たちでもある。
地上から地響きが…。上野に何かが落ちたらしい。それが何かは読者の選択によって変わる。
問いかけ③「恐れについて」
太古の巨大亀の甲羅が割れるように開き、さらなる異界の深部へ。
それぞれの出自にからむ水と巨樹の伝承や、内国勧業博覧会の記憶と、
1552年に宣教師ラス・カサスによって記された中南米大虐殺の記録『インディアスの破壊についての簡潔な報告』の断片を混ぜ込みながら「なにを恐れ」「なにを奪うのか」ゲームブックが問いかけてくる。
読者の選択によって結末が示されたとき、さらなる轟音が地上から響き渡る。
文字数:1599
内容に関するアピール
(※すみません…!調べが追いつかず、
これは、愛にまつわる権力、
キリスト教の根幹にある『
ヨーロッパの傭兵戦争を激変させたナポレオンのナショナリズムは
愛が「家族→属するコミュニティ→国」まで来たとき、それはどこ
文字数:349




