ラブ・ヴォイド

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梗 概

ラブ・ヴォイド

 二十一世紀の後半から、人類の脳の表面積の増加傾向が確認され、種の進化への期待が高まった。そして2119年、世界中で恋人たちが爆発する現象が発生。人類はその五年間で人口の九九.九%を失った。2145年、人間は他者と接触することを自ら禁止し、生涯孤独社会となっていた。
 人口維持局に務めるアンドロイドのハーディは局の指示を受けて人間向けに特殊お見合いサービスを提供している旅館の調査に乗り出す。
 この時代、人間の脳の発達と恋対消滅の関係性がだいぶ解き明かされていた。認知機能の発達した人類は脳の認知空間の中にそれぞれ固有の宇宙を獲得していた。そして恋心はその宇宙から物理的な力を取り出すほど強力な思考パターンであると判明。対消滅した恋人たちはそれぞれの気持ちを重ねすぎたことで互いの宇宙が混入して異なる宇宙の物質同士が反応して消滅反応を引き起こしているとされていた。
 特殊お見合いサービスはユーザーの精神傾向を分析して、宇宙の混線が起こるほど気持ちが重なることはない(でもそれなりに一緒にいて楽しい)相手をマッチング。指定の宿泊所で数日一緒に過ごして安定性を確認した上で行政認可のライセンスを発行。それによって接触を許される相手を見つける近年人気の高まっているサービスだった。
 しかしある旅館でお見合い宿泊中に起こるはずのない対消滅が発生、ハーディは相棒の人間・笠谷とともに事件の経緯を追う。ハーディは現場の確認やお見合い開始前のパーソナル診断結果から作成された消滅した二人の擬似人格AIから聞き取り調査を行い、お見合いが正式なプロトコルを踏まれていることを確認する。
 ラブサイキッカーである笠谷が擬似人格たちの心をテレパスで読み取ってもやはり二人の相性では消滅が起きるほど心が近づくと思えない。
 しかし、ハーディは旅館で働く低スペックアンドロイドの証言に着目し、消滅した二人は相性がいいわけではないが、互いを理解し合う瞬間があったことが判明。
 ハーディは、恋対消滅は相性の良い人間が心を重ねる以外にも、他人も全く違う思考を尊重して内在化することで他者の宇宙が混入、対消滅を起こす可能性があるというこれまでの定説を覆す可能性を発見する。

文字数:917

内容に関するアピール

事件で引っ張っていくプロットを用意できていないので、実作ではちゃんと整理します。
また、恋とか他者理解って複雑だけど、その始まりとかきっかけは簡単なものから用意できる(シンプルな素材から複雑な情景は生まれうる)という話を低スペックアンドロイドのエピソードで描きたいです。

補足:
恋対消滅は互いの宇宙の流入量が大きいほど規模がでかい。ラブラブなカップルほど被害の大きい爆発を起こす。

ラブサイキッカーは恋心を使って脳から超能力を引き出す人たち。でも対消滅しないように、固有宇宙を持たないAI恋人アプリを使っている。それでメロメロな気持ちなったら力が使える。

文字数:274

課題提出者一覧