青春を砕け

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梗 概

青春を砕け

川崎敦はヘリコプターで志木国へと降り立った。国王「鈴木直也」の死に伴い、志木国では直也の二人の息子、長男:直紀、次男:信也のどちらかを国王にするべく内乱が起きていた。死者はまだ出ていないが多数の重軽傷者がでており、川崎は防衛省から「内乱を終わらせる」依頼をされた。

川崎は志木国の現状を把握すべく、防衛省と古くから繋がりがある国王代理、丸本洋二に会いに行く、丸本はこの国の歴史に説明する。

2030年

鈴木直也が村長になると元々志木島は一つの国であったと主張し、住民投票を行い、志木島は国になる。当初、日本政府は無視をしていた。鈴木はハーバード大学の同級生であるアラブの王子から資金を得て、カジノやリゾートホテルを建て、年に一度のカジノイベント「冬将棋」を開催する。

冬将棋の参加者は志木国の中高生だったが、志木国だけでは人間の数が足りないので他国の少年少女も参加させる。ゲームの倍率はAI判定でゲーム毎に決められ、胴元が絶対に負けない倍率に設定されている。

冬将棋は年間2兆円を稼ぐ巨大なイベントとなる。一時国際世論は志木国を批判したが、各国に援助という形で予算をばらまくと批判は徐々に消えた。

鈴木は次に核武装することを決め、核を作り、長距離弾道ミサイルの実験に成功。2040年には国際社会に一つの国家として認識された。

2050年、国王は死んだ。

川崎は自分を一時的に国王代理にさせて欲しいと丸本に話す。丸本は少し考え承認する。

次の日の国葬で丸本が川崎を一時的に国王代理にすると宣言する。

川崎は現在の志木国は子供を利用していて、大人がその状態を黙認しているので、この国を教育重視の国家にする方針を提案する。

川崎が示した方針は志木国の住民には受け入れられなかった。

川崎は国王権限で強制的に冬将棋を中止しようとする。二人の息子達は冬将棋の中止だけは避けたかったので二人で川崎を襲う作戦を立てるが、その前に川崎が日本からを呼んだSATによって二人は拘束される

川崎は二人にロシアンルーレットをさせ、国王を選ぶ、直紀が川崎に銃を向け打ったのでSATが射殺する。川崎は銃を取り、空砲であったことを話す。

 

次の日、信也に声明をださせる。

1、国王の地位を命を掛けた戦いで自分が勝利したこと。

2、勝負の立会人は川崎と丸本であること

3、冬将棋は死者が出ないような形で今後も行っていくこと

4、今まで対立していた直紀側の陣営の行いを不問にすること

 

冬将棋が始まり、今年は無事死者をだすことなく終わった。

武装している勢力を全て呼び出し、全ての武器を壊していく、何人かの少年が泣き出す、川崎が何故泣くのかと問うと、大事な人との別れに似たものがあると説明される。

冬将棋は彼らの青春であり、そして武器を壊すことは彼らの「青春を砕け」と言っているのと同じであることを川崎は理解する。

それでも尚、彼らに武器を壊させる。なぜならそれが川崎の仕事だからだ

文字数:1200

内容に関するアピール

イベント名:冬将棋

期間:2050年11月1日~12日

対象者:志木国の中高生、外国人(12歳~18歳)も志木国で6年間教育を受けるという前提で参加可能。

ルール:1チーム5人でプレイする。大将を決め、敵の大将に敗北を宣言させるか殺したら勝利。ゲームの途中で補助要員3名とメンバーを入れ替えることもできる。ただし、大将以外の人間をゲーム中殺した場合、その時点で殺したチームの敗北となる。提供された武器以外を使用し、相手に危害を加えた場合、ペナルティとして一人欠けた状態でゲームを続けなくてはいけない。(フィールド上にある物を加工して使うのは問題ない)

提供される武器:相手を切りつけると気絶するライトセーバー、自分の身を守る盾、サバイバルナイフ(大将以外に使用した場合、ペナルティもしくは敗北となる)

賞金:一勝する毎にチームに1000万。優勝すると1億円渡される。

チーム数:32チーム

文字数:388

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青春を砕け~零話~

少年兵キリアルは空を見ていた。一羽の鳥がキリアルをあざ嗤うように旋回していた。鳥は一羽、二羽と増え出し、九羽以上になった時、キリアルは鳥の数を数えることができなかった。指の数が足りなかったからだ。鳥たちは地上に降り立ち、キリアルの周りにいる死体を食っていた。キリアルはその姿を見て、動物としてあるべき姿に返ってきているように感んじた。鳥たちが今食っている人間は殺人、強盗、恐喝あらゆる暴力を背景とした犯罪を起こし、生きてきた人間だ。かつては自分もそういう人間だった。だが、一人の命を奪ったことによって、キリアルの世界観は変わってしまった。

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いつものように酒を飲み、寝ている少年兵のリーダー、ダイナクの頭を銃で打ち抜き、殺した。銃の発砲音がしたので、ダイナクの仲間がすぐに起き、戦闘態勢に入ろうとしたが、キリアルの動きの方が早く、キリアルが小屋の出入口に向かうと、ダイナクの仲間が何も装備せずに追ってきたので、頭を撃ち抜き、一人殺した。残り4人、とキリアルは心の中でカウントし、空を切るような足取りで小屋を出た。
小屋を出るとすぐに近くの木に隠れ、ダイナクの仲間が出入口から出て、左右を見てキリアルを探していたので、頭を打ち抜き殺した。残り3人、キリアルは長期戦は敵の警戒心が強め、作戦を立て攻撃されるので、不利だと考え、奇襲をかけることにした。
木の枝をおり、それを持って、木に身を隠していた体をかがましながら、銃で撃たれないように素早く今でてきた小屋の入口横にある壁に移動し、壁に体をピタッとつけ部屋の中を少し伺った。すると銃を連射してきたので、直ぐに元に戻った。
しばらくすると、銃撃は止み、先程部屋の中を伺った時に1列に3人が並び、銃を構えていたので、真ん中にいた人間に当たるように木の枝を思いっきり投げた。敵に上手く当たったのか、敵の一人が苦悶の声をあげ、それに答えるように銃を連射してきた。しばらくすると、カチカチという音がしたので3人ともおそらく・・・・銃弾がなくなったと考え、部屋の中をまた伺うとやはり装填している最中だった。
小屋に思い切って入り、三人三発打つと、二人はうめき声を出し、体をジタバタさせていた。入口側の人間は上手く撃てず、掠るのみになったので、銃を装填させる暇をあたるわけにはいかなかったので、銃ごと顔面に投げつけた。すると蹲ったので、サバイバルナイフを取り出し、素早く3人の息の根を止めた。ナイフだけでは完全に殺しているか心配だったので、先程、敵が装填しようとしていた銃を手から奪い、頭と心臓を打った。他の人間も生きている可能性もあったので、再度、銃で頭と心臓を打った。
キリアルは疲れたので、しばらく、石の上に座ってこれからどうするかと考えいると、死臭を嗅ぎつけたのか、既に動物達が動いていた。自然は常に動いていて、休憩する場所も与えくれないのかと自然の無常さを感じ、仕方なく動き、キリアルは既に死体と化した仲間であり、敵であったモノを小屋から外に出した。モノが食べれられている姿を見ていると
「仲間じゃなかったのか?」
背後から男の声が聞こえたので急いで振り向き銃を撃った。黒マスクの男の手前で銃弾は速度を失い。地面に落ちた。何発もキリアルが銃を撃っても銃弾は地面に落ちるばかり、まるで黒マスクの男の前に何かのシールドが張られているかのように思えた。キリアルは舌打ちをし、サバイバルナイフを抜いた。
「いい判断だ。だが・・・」
黒マスクの男は素早く銃を抜き、撃ってきた。銃弾はキリアルの顔の横を通り過ぎ、動物のうめき声がした。振り返ると動物達が逃げて行っていた。キリアルはその時、初めて自分が動物達に狙われていることに気付いた。
「血だよ。」
黒マスクの男は銃をポケットにしまっていた。
「お前の手は血に染まっているから、血を洗う必要があるんだよ。」
キリアルは手を見たが、血はついていなかった。
「何者だ?」
黒マスクの男はキリアルに近づいてきて、黒マスクを外して言った。
「スズキナオヤというモノだ」
先程の流暢な言葉づかいとは違い、片言であったが、何か温かみを感じた。

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キリアルはスズキとトラックの荷台に乗ってどこかに行っていた。
「スズキ、何処に行くんだ?」
スズキはトラックに寝転がり
「うーん、とりあえず今女の子をホテルに置いて来ているから、その子と合流して、日本に戻ろうかな」
キリアルは二ホンというのがどこかわからなかった。
「二ホンというのはどこの村なんだ?」
スズキは苦笑した後
「確かに村と言えば村だな。まあ、俺はそんな村から出たいのか出たくないのかよくわからない男だな。」
と言って笑った。スズキはキリアルを見ながら
「君は今から色んなことを知らないといけないな、そうしないと君が殺したリーダーのようになってしまう。」
キリアルはそれだけは嫌だと思ったが、既に自分はリーダーとあまり変わりない過去があることをスズキは知っているのだろうかという疑問がでてきた
「スズキは俺が何をしてきたのか知っているのか?」
スズキは空を見ながら
「殺人、強盗、恐喝などなど、色んな犯罪を犯してきたことは知っているし、あの村に行ったときには君も含め、全員を殺すつもりで行った。政府からの許可も得ていたからな。だが、行って驚いたのは君以外の人間が全員死んでいて、それを君一人で行ったことだ。だから、俺が君に別の罰を与えようと思ったんだ。」
「どんな罰だ?」
スズキは空を見ながらまた苦笑した。
「いずれ分かるさ。」
キリアルは自分がどんな罰を受けるのか興味があったが、それをスズキに今聞いても教えてくれないだろうと思っていた。なぜなら、以前別の村から自分のグループを襲撃してきた人間達がいて、ほとんどの連中は逃げて行ったが、その中で唯一逃げ遅れて捕まえた人間を殺す時に、相手がどんな言葉を言っても自分の耳には届かず、襲ってきた村の人間達に自分達を襲ってきたらこうなるぞ・・・・・ということを見せつける死体を作ることしか考えていなかったからだ。
キリアルは空を見た。空には一羽の鳥が飛んでいた。自分の運命を予感させる鳥の存在は、次の席に座るのはお前だという当たり前のことを言われているような気がした。
「死を軽く見るな」
キリアルは自分の心の中を見られているようで驚いた。
「自分は死んで当然な人間・・・。」
スズキの真剣な表情に、キリアルは耐えられず、目線を反らした
「自分は生きていていいのか?」
「わからない。だが、俺はお前よりも多くの人間を殺している。だから、殺した人間達に地獄であった時は謝るしかないし、殺した人間の分は生きなくてはいけないと感じている。ただそれだけだ。」
「そうか・・・」
キリアルが空を見ると先程の鳥は消え、曇り一つない大きな青空が滲んで見えた。

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キリアルはトラックの荷台に乗っていると、初めて多くの人間が集まる街に来た。そこでは明日への希望がないキリエルとは違い、人々は生き生きと生きてきた。まるで別の世界の人間を見ているような気持ちになり、自分もこの一員に加えて欲しいと思ったが、咎人であるキリアルにとってそれは妄想でしかないと直ぐに気付き、街に入れば入るほど逆に人間達の多さに悲しみを覚えた。

しばらくすると街で一番大きな建物が立っている場所に着いた。そこでキリアルとスズキは降りて、ホテルの中に入った。街はまだ地続きの異世界という感じだったが、ホテルの中は完全なる異世界でキリアルが生きてきた中で始めてみるものばかりで、ソファーはあったが、そこに座っていいものかどうかも自分でも決められないそんな威圧感を感じた。スズキがホテルのフロントと話をしていると、片手で木製のトレーをもった男がキリアルに近づいてきて
「お飲み物はいかがですか?」
薦められたので少し戸惑ったが礼を言ってとトレーに置いてあったグラスを受け取り、飲み物を飲むと、今まで飲んだことがないたくさんの香料が含まれている甘い飲みものであまりの美味しさにすぐに飲んでしまった。
「もう一杯いかがですか?」
後から料金の支払いを求められた困るので、キリアルが飲み物を断り
「失礼しました」
そう言って、男は頭を下げ、その場を去った。スズキがホテルのフロントと話を終え、キリアルの元へ戻ってきたので、キリアルは飲み物を飲んでしまったことをスズキに詫び、料金が発生しないかどうか聞くと
「あれはサービスだからいいんだよ」
キリアルはサービスという言葉がわからなかった
「サービスって、無料ってことか?」
「無料ではない。」
「ならお金がかかるのか?」
「うーん、キリアル飲み物をもらって飲んだ時どう思った?」
キリアルは少し考え
「ちょうど喉も乾いてたから嬉しかったけど・・・。」
「そういうことだ。彼らはそういう気持ちにさせるのが仕事であり、それがサービスの意味だ。」
キリアルは人の気持ちを高揚させるための仕事があることに驚いた。
「今から行く部屋には言葉を失った女の子がいる。その子の言葉を取り戻すサービスをするのが君の仕事だ。」
キリアルは頷いた。

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直也が部屋の鍵を開けるとロココ調の家具が並ぶ一室の中央に椅子が置いてあり、その椅子に置物のように座る少女がいた。少女はボロボロの白い服と銀色の髪で今にも消え入りそうな感じであった。キリアルはこの少女も自分と同じ招かざる客かと思ったが、少女はキリアルを見ると、少し笑みを浮かべた。キリアルは恥ずかしくなり、少女とは別の方向を向いた。スズキを見るとニヤニヤしていたので
「おい、スズキこの子の名前は?」
「自分で聞けよ」
「いや、この子は喋れないじゃ・・・」
少女は白いマスクをつけ
「大丈夫です。私は機械を通してなら喋ることができます。」
キリアルはスズキを睨んだ。
「言葉を失ったと言ったが、喋れないとは言ってないぞ」
スズキはキリアルを見ずに言った。
「詭弁だな。」
「そうでもないさ、実際不便だろ?ジーン」
スズキはジーンの方向を見ると
「はい、機械だとどうしても感情を伝えることが難しく、言葉を選びながら話してしまう側面があるので辛いところです。」
ボロボロの見た目と反して、綺麗な言葉遣いをするジーンという少女にキリアルは品のようなものを感じた
「なっ、言葉を失っているだろ?」
キリアルは面倒だなと思ったので話を変えることにした。
「このジーンさんと俺はどうなるの?」
「志木国に行ってもらう。」
「えっ、二ホンではないのか?」
「今は日本の志木島だが、2年後の2030年には志木国になるだろう。そこで2年後の冬将棋の第一回大会に参加してもらう。」
志木島に飛行機で行き、到着すると、早速2年後の大会に向けて、元ソルジャーの人間が来て、戦闘に関する知識や日本の義務教育のカリキュラムをジーンと共に全て受けることとなった。ジーンは普段の生活には全く問題はなかったが、一向に言葉が出ることはなかった。そして2年が経った。

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キリアルは前日、冬将棋のルールの確認と提供される武器の確認を行った。ただジーンの様子が少しおかしかったので冬将棋の地元チームの長であるキリアルとしてはジーンと話しておきたかったがジーンが意図してキリアルを避けているようであったので、キリアルも黙っていた。

「ビーーーーー」
という開始音と共に冬将棋が始まった。

地元だけに皆がシュミレーションしていた通りの動きをするので冬将軍の第一回優勝は自分達のものだとキリアルは確信した。すると

突如、後ろからサバイバルナイフで刺された。刺した人間を見るとジーンであった。

「オトウトノ・・・カタキ、スズキカラ・・・キノウ・・・オシエテモラッタ」

ジーンはマスクをつけていなかった。

「そうか、あの男の子は君の・・・悪かった。」
キリアルはその場に崩れ落ちた。

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ジーンは目を閉じ、眠ろうとしていると大きな銃声がした。ジーンは目を覚まし、隣で寝ていた父が飛び上がるように起き、ジーンの手を引き、銃弾を浴びないよう入口の横の死角となる壁に隠れた。母もまだ赤子であるジーンの弟を抱え、ジーンと弟に銃弾が当たらないように隠れた。
銃弾が家の中に侵入してくる。父や母は銃弾の雨からジーンと赤子を守るべく、自らが盾となり、銃弾を受け止めていく、最初は痛みから声を上げていた父と母であったが、やがて声も出さず、銃弾を体に受けると体が前後するだけになっていた。
しばらくすると、雨は止み、ジーンは父と母の体を揺らしたが、体が倒れるだけで、そこに父と母の意思は感じられなかった。ジーンは人の死を初めて知り、その恐ろしさから思わず泣いてしまった。本当は大声で泣きたかったが、声を出してしまうと誰かに見つかり、殺されるかもしれないと思ったので手で口を押さえ静かに泣いた。
横で弟は大きな叫び声で泣いていた。外では叫び声の主を探すべく、動いているようであった。ジーンは弟の口を押さえ鳴き声が出ないようにし、外に出てその場を去ろうとしたが、弟の泣き声が漏れ出て、雨を降らせる人間達が声を追ってこちらに来ている。ジーンはこのまま弟を連れて逃げるか、弟を置いて逃げるか迷った。
「見つけたぞ!」
声が聞こえた瞬間、ジーンは弟を捨て、草むらに隠れた。しばらくすると、一発の銃声が聞こえ、叫び声も止まった。
「まだ、誰かいるかもしれない。隠れている連中を探し出し、一人残らず殺せ」
リーダーと思しき人間の声が聞こえ、ジーンはあまり音を立てないように草をかき分けて、その場を去った。ジーンは両親を失った悲しみ、弟を捨てた罪悪感が入り混じり、今にも声を出し、泣き叫び出したかったが、声を出すのを堪えるしかなかった。
ジーンは隣の村にいる母の姉に頼るために、隣の村に向かっていると、遠くから車のエンジン音がした。ジーンは咄嗟に草むらに隠れた。車のエンジン音が近づくたびに自分の存在に気づかれたのではないかという思いにかられ、冷汗が出ていた。車のエンジン音に負けないように先ほどのリーダーらしき人間の雄叫びを上げていた。動物の咆哮のように自分の存在を確かめるように声を発していた。
リーダーの隣には一人の少年がいて、その少年はうな垂れていた。

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キリアルが目を覚ますと病院の天井が目に入った。キリアルは自分のことをしぶといなと思いながら上半身を起こすと、戦闘服のままソファで寝ているジーンがいた。病室のドアが開き、スズキが入ってきた。
「もう起きたか、よかったな元気なようで」
「スズキ・・・。」
キリアルの中でマグマのようなもの沸々とこみあげてきた。
「まあまあ、言いたいことはわかるが君が一番悔いていたことじゃないのか?」
「それでもな・・・。」
「現にこの子の言葉も戻ってきたじゃないか?」
「たしかに・・・納得はできないが仕方ないかこれも自分の運命か・・・。」
病院の窓からみる空は青く澄んでいて、一羽の鳥が見えたが、その鳥は優雅に飛んでいた。

 

文字数:6059

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