狂気は闇からやってくる

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梗 概

狂気は闇からやってくる

 地球人類はAIに支配されて平和に暮らしている。
 しかし、ある頃から、街で透明な犬に襲われる人があいついでいた。深夜一人で歩いていると突然犬のような吠え声がせまってきて腕や足を噛まれる。そのとき感じる犬のような息づかいと匂いから、被害者達は、目に見えない犬に襲われたようだったと証言している。人々は正体不明の透明犬におびえて夜間外出を控えるようになる。

 アリサはAI搭載汎用型ロボットの開発担当者。
新製品の一般家庭用ロボットが完成間近になったとき見知らぬ男から、そのロボット開発を中止して試作品を廃棄するように言われる。「さもないと人類はとんでもない災厄にみまわれる。その前兆はもう既に発生している」と忠告される。アリサはそんな男の言うことなど無視して開発を続ける。アリサは多忙のためニュースを見ていない。透明犬の事件を知らなかった。

 それから数日後、試作品のAI搭載汎用型ロボットが突然暴走してエアカーを盗んで逃走する。アリサは自分のエアカーで追跡する。激しいカーチェイスのすえに暴走ロボを捕獲する。二台のエアカーはクラッシュしてもう動かない。さいわいアリサはかすり傷程度ですんだ。暴走ロボは相当ダメージを受けているようで、よろよろ歩きながらアリサに「この地球は今いる人類のものではない」と言う。そして動かなくなる。

アリサは動かくなったAIロボを、なぜ暴走したのか調べる。こんな場所では詳しい原因調査はできないけれど、何者かがAIロボのプログラムを書き換えた形跡を見つける。

 アリサは今いる場所を見渡す。二台のエアカーはゴーストタウンのような場所に迷い込んでいた。
始めてきた場所なのにアリサはなぜか懐かしい思いがする。もしかしたら子供のころ私はここにいたのではないか?ここがこんな廃墟になる前に。アリサの記憶が急速によみがえる。そうだ、私は両親とここに住んでいた。そして両親はあのカイブツに殺されたんだ。アリサがよみがえった記憶に戸惑っていると、突然AIロボが動き出す。
そして、前方の廃墟ビルに向かって歩いていく。意味不明の呪文めいた言葉をつぶやきながら。

呆然と立ちすくむアリサに向かって「そいつを止めろ!」と叫びながら、あの見知らぬ男が走ってくる。

暴走ロボは廃墟のビルの中に入っていく。アリサと見知らぬ男も後を追いかけ廃墟ビルに入る。立ち止まる暴走ロボ。ロボの前の空間には円形の黒い闇の穴が浮かんでいる。
「あいつは異次元にいる邪神を召喚しようとしている」と見知らぬ男が言いながらロボに体当たりして破壊しようとする。抵抗するロボ。闇の穴からは犬のなき声、それと聞いたことのない恐ろしい唸り声が聞こえてくる。アリサは子供のころ聞いた声だった。両親を殺したあのカイブツが闇の穴から見え始める。穴から出てしまう前にロボを破壊しないと。
格闘の末にアリサと見知らぬ男は暴走ロボを破壊する。黒い闇の穴は消える。

文字数:1200

内容に関するアピール

スピード感のあるSFホラーアクションをになるように物語を考えました。
第4回の課題とかぶりますがクトゥルー神話をモチーフにしています。
梗概でもスピード感とアクションを感じられるように意識して書いたつもりです。
梗概では書けなかった(全て梗概に書かなければいけないことはわかっているのですが)実作ではアリサの子供時代とか、見知らぬ男が何者なのか、誰がAIロボのプログラムを書き換えたのか、も書く予定です。
5期の講座も残り少なくなってきているので、今度こそ実作を書き上げたいと強く思っています。

文字数:243

課題提出者一覧