折り紙は、祈り紙にも見えなくないし、祈り神とも聞こえる。紙を畳む所行は、指を揃えた祈りの所行のようだなと思った。
1983年悪魔が世に放たれる。
あなたは、前川淳が設計した折り紙作品である”悪魔”をご存知だろうか?
(1)
この折り紙は、世界で初めて展開図からの設計を行った前川淳が作り出した、
従来の常識を超える折り紙界を一変させた作品である。
どの部分が従来の常識を超えるのか?
その解説の前に、折り紙には折り進め方が5種類存在しているのでその紹介をしておこう。
1.不切正方形一枚折り(ふせつ せいほうけい いちまいおり)
正方形の紙に対して、切れ目を入れず折る折り紙
2.複合折り紙
別々に折った折り紙を、組み合わせて一つの作品にする折り紙
3.切り込み折り紙
切り込みを入れるなどして、折る折り紙
4.ユニット折り紙
何枚ものパーツを折り、それらをユニットとして組み合わせる折り紙
5.仕掛け折り紙
動かせる仕掛けのある折り紙
“悪魔”は1.の不切正方形一枚折り、つまり正方形一枚から全く切れ目を入れる事なく折り上げられている。
そしてこの”悪魔”の手に注目して欲しい。
指が5本折り込まれているのだが、ここが従来の常識を超える部分である。
従来の折り方はテクニックを要する折り込み方はあれど、この”悪魔”のように緻密な計算を元にした折り図は存在しなかったからだ。
折り紙はこの”悪魔”を境に一変して行く。
情報格差が歪める時空
さて、論考を進める前に、課題を今一度振り返ろうと思う。
「ポップカルチャー的事象があなたを集団化し、再び孤独化する可能性をもった瞬間について(もしくはその瞬間をベースにした批評を)書いてください。」
なるほど、ポップカルチャーを通じて出来た友達関係の話を元に、考えれば良さそうじゃないか!
ならば、自分の生まれた年を基準として当時のポップカルチャー を炙り出してみよう。
生まれ年は1983年、この年は『ファミリーコンピュータ』対応ソフトである『マリオブラザーズ』が任天堂から発売された年であり、
ご存知の通り現在まで続く任天堂の看板ソフトであり、爆発的なヒットを経て家庭用ゲーム機の認知が拡大し始めた年だ。
それと自分の成長を重ね合わせ、ゲームを大いに語って行こう。
と、勢いに任せ書き始め・・・
たが、筆を止める。
何故なら、私が『ファミリーコンピュータ』の存在を知ったのは、発売された1983年よりも10年後の1993年であり、
10歳までの私にとっては、ゲームをとてもポップカルチャーとは言えるものではなかった。
『ファミリーコンピュータ』を知らない理由は育っていた地域が片田舎である事とその地域の親達が『ファミリーコンピュータ』のようなゲームを子供に買い与える事をよしとしなかったからだと推測される。
現在私にも子供がおり、ゲームを与える事に慎重になって居るので、心情としてはとても分かる。
であるから、ポップカルチャーとゲームを当然のように結びつけた時に戸惑いが生まれ、一旦筆を止めたのだ。
ポップなカルチャーの定義
一旦立ち止まったついでに「ポップカルチャー的事象」の言葉を、しっかり自分の中に落とし込もうと思う。
ポップカルチャーの定義をWikipediaから引用する。
大衆文化(たいしゅうぶんか)、 [中略] 一般大衆が広く愛好する文化のことである。(2)
なるほど、大衆が愛好する文化であれば、ポップカルチャーと呼ぶのだな、では大衆とはなんだろう?
大衆(たいしゅう)とは、社会を占める「大多数の・大勢を占める」とされる人々、またはそれに属する個人を指す言葉である。(3)
社会を占める大多数の人々が愛好する文化が、ポップカルチャーであるのならば。10歳に満たない私の社会とは何か?日本全体の事か?
どの程度までを社会として考えるのか、悩ましいので。社会の定義をWikipediaから引用する。
社会(しゃかい)は、人間と人間のあらゆる関係を指す。(4)
つまり当時の私の属する社会は、私と誰かの関係だけですら成立するので、これで社会を大衆をポップカルチャーを安心して語れそうだ。
ORIGAMI大流行、伝承折り紙と創作折り紙
10歳までの間私の社会は家族と保育園であり、保育園の大多数が折り紙を愛好していた。
そう、当時の私達子供らのポップカルチャーは、折り紙であったのだ。
ここまでしか時間的に間に合わず。書こうとした流れのみ記載。
前川デビルの解説。
↓
ポップカルチャーの定義決め。
↓
折り紙はポップカルチャーと定め。
↓
私の地域の折り紙ブームによる、ポップカルチャーに対する二つの方向が生まれる。
↓
当時の折り紙業界はどうだったのか?解説。
悪魔の影響と新しい世代。
↓
ARTになりすぎた折り紙。
↓
折り紙の可能性と、ポップカルチャーの役割。
(1)『本格折り紙 入門から上級まで』前川淳・著 悪魔の折り図より引用。
(2)「ポップカルチャー」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。2018年7月30日23時(日本時間)現在での最新版を取得。
(3)「大衆」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。2018年7月30日23時(日本時間)現在での最新版を取得。
(4)「社会」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』(http://ja.wikipedia.org/)。2018年7月30日23時(日本時間)現在での最新版を取得。
文字数:2181