梗 概
コンパニオン・エイリアン
売れないシンガーソングライターのウィルが酔って帰宅の途中、金属の塊のようなものを見つけた。意外に重いそれを持って帰る。取りあえず隅に置いてシャワーを浴びて出てみると、二足歩行のトカゲのような生物がいた。頭の中に直接話しかけてくる。攻撃をする意図はない、だから檻に入れたり実験の材料にしないで欲しい、もしそうするならこちらも攻撃する、と「いう」。
食生活なども音による会話が出来ない以外取りあえず問題はないようなので、暫く一緒に暮らしてみる。ドラゴンのようなのでドリーと言う名前を提案すると案外気に入ったようだった。故郷から探索に出て遠く離れて知的生命体に出会ったので、観察させてもらっていいかと言う。ウィルは自分で良いなら、承諾した。
小さなライブハウスでの公演の後、短い旋律が頭に浮かんだのでに尋ねてみると、ドリー達の「歌」だと言う。もっと聞かせてもらい、楽譜にして編曲した。頭の中でメロディを歌ってみると、ドリーからは「我々のものとは随分違うが、これはこれでいい」との返事だった。
ライブで友人の作曲、ウィルの編曲として歌ってみると意外に評判が良かった。喜んで帰ってさらにドリーの唄を聞いていた翌日、いきなり鍵をかけておいたはずの扉が開き、武装した男達が入ってきて取り押さえられた。ドリーの皮膚が金属の輝きを持ち、牙だらけの口は開いる。やめろ、と取りあえずドリーには告げた。こいつに大人しくしろと言わないと右手を潰すと言われる。それには従わずに、もう友達だ、一緒に暮らさせてほしい、せめて連れて行っても実験など無体なまねは止めて欲しい。と男達に言った。するとドリーが上を向いて大きく口を開け、閉じて皮膚は元通りになった。
そしてドリーは連れて行かれた。
暫くすると、何もしない平和的なエイリアンを救えとの声が出てき始め、2、3年後相互不可侵条約が結ばれた。
ウィルにはいくつも演奏依頼があったが、作曲が自分でないので、と断り相変わらず小さいライブハウスで歌い続けた。その小さな部屋には。昼間は二足歩行で、休むときにはトカゲの形態を取るエイリアンがいた。
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内容に関するアピール
『宇宙人ポール』と『メン・イン・ブラック』、『エイリアン』をまぜてみました。
考えている内に実作を書いてもっとドリーを中心とするドタバタを入れてみたく
なりました。
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