ムーンナイトシンガー

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梗 概

ムーンナイトシンガー

 リーナが、気配を感じて目を覚ますと、目の前にメメのシルエット見えた。
 朝食と着替えを済ませ、学校に行っている日中の水、ランチを準備した。家の中で動き回れるように、部屋の扉を開け、退屈な学校に向かう。帰ってくると、手にのせ優しくなで、たわいもない話を聞いてもらう。メメは赤い半透明な羽根をまとう鳥類。一緒にお風呂に入り、食事をする。父も母もこの衛星に移住してきてから、寂しそうにしている私を見て、メメを与えてくれた。
 惑星が光り輝く夜に、メメは透明な羽根が抜け、新しい羽根が生えてくる。羽根は薄く、抜けた瞬間に割れ、惑星からの光を羽根の粉がきらきらと反射し、部屋にひろがる。メメの換羽は美しい。そんな夜はいい曲ができるのだ。普段は根暗で自信がないリーナがこの夜だけは、満員のホールで演奏するのを想像しながら、作曲したり、歌えたりするのだ。
 その曲をそのまま、アップロードする。夜に現れる歌姫はムーンナイトシンガーと呼ばれ、少しのファンができていた。

 アップロードした後、メッセージが届く。
「一緒に歌いませんか」
 まさかあの憧れの歌姫シトに誘われるなんて。一度は断ったが、何度も誘われるため、しぶしぶ参加することにした。ライブは2週間後、新しい曲を一曲作ってほしい。これが唯一のオーダーだった。

 シトは多くのファンを持つ歌姫だったが、時間がたつと、人気が保てなくなってしまった。そんな状況にかなり追い込まれていた。衛星を旅行していると、赤い美しい鳥と出会い、飼いたいと思う。しかし、星間での生物の輸出入は禁止されている。自分の星に戻り、違法マーケットでその鳥を手に入れた。そこには、知能を有するキノコ、手乗りイルカなどが売られていた。
 その後、人気が戻り、さらに大きく成功していった。

 ライブまで2週間しかない。しかも私はメメが換羽する月夜にしか歌えない。
 何度やってもうまくいかない。何度もやめようと思ったが、いつもメメが肩に乗っている。それだけが唯一の支えだった。
 当日、ライブ用のスキンに変え、ステージの袖で緊張している。でも現実は自分の部屋。肩にメメをのせ、始まるとの今までの曲を歌い、最後の曲。とっさに選び、歌いだした。夢中で歌った。もう喉がこわれてもいい。歌い終わり、ゆっくりと目を開けると、一人の拍手が一気に大きくなった。ホールが拍手で揺れていた。

 シトはライブ以降、姿を見せなくなった。その後、違法生物取引で逮捕されていた。透明な羽根からは、幻覚をもたらす作用があることが発見された。
 憧れだったシトの逮捕と鳥類のことを知ると、月夜にメメとともに散歩に出かけた。メメと外に出るのは初めてで、これから換羽のタイミング。前回の月夜はシトからメッセージが届いた夜だった。換羽が始まり、古い羽根がきらきらと光りながら舞い上がる。
 リーナはメメを抱きしめながら、大きく息を吸い込んで、歌った。

文字数:1198

内容に関するアピール

変な動物を考え、それをペットにしている少女が成長するストーリーです。

子供(人間)が成長するのってなんでもないきっかけだったりする気がします。そのことと愛玩であるペットとの生活を重ねてみるのが、うまくいくのではないかと思い、このような内容にしました。

実作では、メメとの生活、違法マーケットの変な動物たち(とその成り立ち)、ライブのシーンなど描写を深めていきたいと思っています。

文字数:187

課題提出者一覧