梗 概
なぜ私は会社を愛するようになったか
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内容に関するアピール
東京都のこのデータを活用し、「そもそも人間にとってペットとは何なのか」を考えました。私は元々、ペットという存在を認めていませんでした。「ペットという存在を許す精神が人間として劣っているんだよ」。「ペットを可愛がるということは、思考の崇高さがないということ」(ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督の「第三世代」にも同様のセリフがありましたね)。このような言葉が私の口癖でした。
つまり、「ペット」を創作の題材とするということは、世の中の劣った状態を、そのまま受け取るという怠惰な行為だとは言えないでしょうか? まあ、私も兎や猫を飼っていましたが……ただ、猫に対し、彼の怠惰を許すことはしませんでした。
それはさておき、世の中の状態を是とすることは想像力と矛盾しないと思います。そして、私は常に、創作行為とは「状態」に過ぎないのだ、と考えているのです。
ファスビンダーの映画に流れる考え方として「愛は常に奴隷状態を生む」というものがあります。夏にリバイバル上映をしていた「ペトラ・フォン・カントの涙」を観れば、それは顕著です。そして、ペットという存在もある種、こうした主従関係を、必然的に孕んでしまうものだと思います。
このような考えを念頭に置きながら、今回のストーリーを設計しました。
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