名探偵が死にすぎる

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梗 概

名探偵が死にすぎる

 探偵業を営む長也と助手の織数は、映画研究会の合宿に同行して山荘に来る。去年の合宿での事故死の真相を解いて欲しいという依頼だったが、依頼人である琴野、春笠、加瀬、六田の部員4人は実際はyoutuberだった。
 配信のノリに辟易し、琴野の部屋を借りて仮眠した長也は寝ている間に殴り殺される。実は長也にはもともと命が72あり、すぐに生き返る。過去に連続殺人事件に巻き込まれた際には自分を殺した犯人を直接指摘し、探偵として名を上げた経緯があった。だが推理力はなく、事件のたびに命を失っていた。残りの命は父の遺品で確認でき、今回で既に20である。
 長也は部員達の反応から犯人を探ろうとするが、特に怪しい人物はいない。犯行に使われた盾も誰でも手に取れるものだった。長也は織数から、去年の合宿での事故死は自殺のようだと知らされる。
 その後長也も作るのを手伝ったオムライスを食べた後、みんな嘔吐する。医者を呼ぼうにも荒天で山荘は孤立、長也は怪しいと疑われて縛られ、閉じ込められる。
 その夜、琴野が施錠した自室で配信中に刺殺される。配信映像に犯人の姿は写っておらず、琴野の部屋はドアを壊すまで密室だった。琴野による配信中、残りの5人はみんなリビングにいたが、長也は部屋から逃げ出していたことがわかる。犯人として糾弾された長也は推理を披露する。
 実は長也は縛られたまま窓から出て落ち、一度死んでいた。その際窓越しに、琴野が配信時間には既に死んでいるのを見ていた。つまり、5人のアリバイは成立せず、琴野は殺される映像を作成済で、犯人に刺されたとき、部屋に鍵をかけて最後の力でその映像を配信開始したのだった。密室殺人だと演出し、自分の命を使ってでも動画に注目を集めるためだと長也は解説するが相手にされず、再び縛られ閉じ込められる。
 その部屋に忍び込んできたのは春笠だった。彼は去年事故死した部員の弟で、報酬を巡る争いから彼が死んだと確信していた。琴野と間違えて長也を最初に殴り殺したのも彼で、再度激昂して長也を殺すが、隠れていた織数が取り押さえる。
 事務所に戻った長也は残りの命を確認するが、なぜか12になっていた。織数は、春笠に何度も殴り殺されたのだろうと言う。また織数は、琴野は注目を集めるためでなく、春笠をかばうために密室を作ったのではないかと話す。その証拠に琴野は4人のアカウントに切り替えて例の動画を配信していた。長也は4人の仲よさげな過去の動画を見ながら居眠りする。
 実は、もともと72の命の持ち主は織数だったが、長也の父との契約で長也に分け与えさせられており、長也を73回死なせて解放されるのが彼の目的だった。契約で直接長也を殺すことはできないため、食中毒の可能性を高めたり、春笠が何度も長也を殺すのを黙認したりしていたのだった。長也がより殺されるようにと願いながら、織数は彼にブランケットをかけてやる。

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内容に関するアピール

気軽なノリの特殊設定ミステリです。

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