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「強く正しいヒーロー、あるいはヒロインの物語を書いてください」

  • 大森望
  • 課題提示、梗概審査:藤井太洋
  • 梗概審査:溝口力丸(早川書房)
  • 実作審査:法月綸太郎
  • 実作審査:泉友之(講談社)
  • 梗概審査、実作審査:大森望

梗概提出締切| 2019年8月15日(木)

梗概講評会| 2019年8月22日(木)

実作提出締切| 2019年9月12日(木)

実作講評会| 2019年9月19日(木)

 ヒーロー、あるいはヒロインの物語を書いてください。
 「肌に色のついたベムにさらわれた美女を、銀色のロケットに乗って助けに行く白人男性」という意味ではありません(それで人を楽しませることができると思うなら挑戦してみてもいいですが、オススメはしません)。

 読めば必ず心が動いてしまう小説で「正しさ」について書こうとすれば、無限にバリエーションのある悪や、誰でも共感できる怠惰、賢く見せることのできる諦念や、善悪を相対化する両論併記よりもずっと難しいことに気づくことでしょう。

 ディーン・R・クーンツの『ベストセラー小説の書き方』の29ページ目から、一文を引用します。

悪人の行動パターンには、無限の可能性があり、どんなことでもできるのにひきかえ、
理想的なヒーローの方はといえば、読者の尊敬と同情を一身に受けるべく行動しなければ
ならず、自ずとその行動も限られてくる。

 そんなわけで、難しいこのテーマに挑んでいただきます。
 正しさ、強さの意味は時代とともに変わりますし、それぞれの立場に正しさがあります。小説にはそれを伝え、読者の心を動かすことができます。

 あなたたちが何を正しいと思うのか、強いと思うのか。それを物語にしてください。それが一般的なものであればあるほど、物語に仕立て上げるハードルは高くなりますが、ぜひその困難に挑戦してください。
(藤井太洋)

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