梗 概
ホンキィ・トンク・バンド
ルーマニアの南部に位置するカランツァ国。その首都、ジャノン郊外に「ホンキィ・トンク・バンド(以下、バンド)」のアジトはあった。
脳髄のみで生命活動を維持する、ドクター・ドク。過度なチャネリングを行ったために人体を解脱してしまい、チャネリング以外では会話が出来ないミス・チャンネル。ガス状思念体を気密したランプを頭部に持つ、空気圧式ロボット、ミスター・ランプヘッド。そして16歳の普通の少年、トニー・M・アシュトン。彼らは世間からその存在を隠しつつ、便利屋として生計を立てていた。
そんな彼らに、一軒の依頼が舞い込む。内容は奪われた宝石「スターダスト・ムーンストーン」の奪還。依頼を受けたバンド一行は、各能力を駆使して調査し、荒事専門の便利屋、ヴァスコ・ギャリコが犯人であることが判明する。
ギャリコの宿を突き止めると、ドクはランプヘッドへ襲撃を指示。アシュトンは「もう一人前だ。自分も参加する」と主張するが、ドクはこれを拒否。アシュトンはドクの意見を無視して強行的に襲撃へ参加したが、最終的には足を引っ張り、ランプヘッドは頭部を撃ち抜かれ、ギャリコの逃亡を許してしまう。
ドクはランプヘッドの修復後、アシュトンへ、我々は半人前だからこそバンドを組んでおり「仮にお前が一人前なのであれば、うちには必要ない」として、脱退を命令。襲撃失敗の原因が自分にあることを痛感していたアシュトンは、命令に従う。
失意の中、街を彷徨うアシュトンを、ミス・チャンネルはチャネリングを通じて話しかけ、励ます。アシュトンは自信を取り戻すと同時に、彼女との会話をヒントに、ギャリコ打倒の作戦を思いつく。アジトへ戻ったアシュトンはドクへ、バンドへの復帰希望と、ギャリコ打倒の作戦を伝え、ドクもそれを承諾する。
バンドは再びギャリコの居所を掴むと、彼を倉庫へ呼び出す。ボストンバッグを持ったランプヘッドとアシュトンが、ギャリコを出迎えると、宝石の買い取りを交渉するが、決裂。ギャリコが銃を抜くと、ランプヘッドが彼へ向け全力で疾走。ランプヘッドは頭部を撃ち抜かれるが構わず彼との距離を詰めると、蹴倒して馬乗りになり、破壊された頭部のランプを近づける。
ランプヘッドの背面からは、2本の管が、アシュトンの足元に置かれたバッグへ伸びており、バッグの中ではランプと小型のガスボンベが、それぞれの管に繋がれていた。ランプヘッドの動力は、ランプから送られる空気圧だが、ランプを頭部に設置する必要はないため、改造を施し、ランプと体を長い管で接続。頭部に設置されたランプはダミーであった。
アシュトンがガスボンベのバルブを解放すると、接続先であるダミーの頭部からガスが噴出。ガスの正体は高濃度の酸素であり、それを吸ったギャリコは気絶する。アシュトンは彼の胸元から宝石を取り戻すと、身柄を拘束して警察へ通報。ランプヘッドと共に、アジトへと戻るのだった。
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内容に関するアピール
ここ数年で一番「アツいな」と感じたのは、ルーマニアでは魔女が法律で職業として認められ、その収入には所得税が課せられている、というニュースを読んだときでした(法律が施行されたのは、2011年の1月から、とのこと)。
そのニュースを読み終えた私は「魔女が認められるなら、魔法使いもそのうち認められるだろう」とか「ルーマニアなら妙なものを発明する錬金術師だっているのかも」とか、色々と残念な妄想を広げていたのですが、今回の「ホンキィ・トンク・バンド」に出てくる面々は、そのときに産声をあげた方々です。
ただ、彼らはそれ以来、僕の頭の片隅に間借りしたままダラダラと日々を過ごすばかりで、全く働こうとしてくれません。そこで今回、多少は生産性を上げていただくべく、彼らを半ば無理やりテキストの上に引っ張り出し、怒ったり笑ったり壊れたり治ったりしてもらうことにしました。
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