熱血機関 -Heat Up Engine-

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梗 概

熱血機関 -Heat Up Engine-

G20サミットにて、持続可能エネルギーについての議論が始まる。 

米国と中国はどうでもよいという態度、日本は「打ち水万能説」を唱えるばかりで、ロシアの提案する「AIで地球を温度管理」という案も吟味されずボツとなる。 

皆諦めムードな中、ノーベル賞受賞者のエイチ博士が語りはじめる。『マッハ松岡という世界的に有名な熱血漢のクローンを大量生産し、クリーンなエネルギーとして用いる』という構想だった。 

「正気か?」と各国関係閣僚は思ったが「熱血漢で発電だと? 馬鹿馬鹿しい」と口にした男が強力な熱線によって、一瞬で蒸発させられるのを見ると皆押し黙った。 

堂々とした態度のエイチ博士と突然会場に入場してきた十万人のマッハ松岡によって会議は中断される。 

人々は大量の熱血漢から発せられるエネルギーの奔流に目を見張る。 

  

 

  

クララはロシアの大学にアバター通学しているごく平凡なテックガールである。 

クララは、友人から送られてきた動画を見て、最近『ヒートアップインダストリ(以下HUPI)』と『マッハ松岡』をよく見るようになったと恋人の玖堂永一くどうえいいちに不思議そうに語る。 

クララは広場恐怖症の引きこもりで一度も外に出たことがなかったが、永一や愛猫のクダブリアちゃんと過ごす生活に満足していた。リアルで外に出られなくてもバーチャルで十分。永一決して無理をさせたりはしなかった。 

  

 

  

愛猫が家から逃げ出してしまい、勇気を出して外に出るクララ。 

GPSで探した先には、奇声を上げながら腹筋をする愛猫と、猫に「もう一回いけますよ!」と声援を送るマッハ松岡がいた。 

そこはHUPIと松岡によるディストピアだった。巨大な企業ポスターを見て、クララはエイチ博士が永一と同一人物だと知る。 

  

クララは急いで家に帰り、調査し、レジスタンス組織「Don’t Worry.Be happy(以下DWBH)」があることを知る。 

クララは組織のトップと出会い、そいつが永一の人格をコピーしたAIであると知って驚く。彼は実験による精神汚染防止用のバックアップである。彼の生身はマッハ松岡を用いた発電――熱血機関の暴走によって乗っ取られたという。熱血漢に親父ギャグが有効だという事実を知る。クララは熱血機関を破壊することを決意する。 

AIによって生成された世界で一番寒い殺人親父ギャグで熱血機関を破壊するという計画は順調だったが、途中で失敗し、殺人ギャグを失ってしまう。またAI永一も失われる。窮地に立たされ 

誰もが諦めそうになったその瞬間、100万人の松岡が「諦めるな」と応援し始める。 

クララは「うおお」と唸りながら一からコードを書き始める。再び親父ギャグを産み出す。 

熱血機関のコアに殺人ギャグを投入。全世界の松岡が終了。 

クララは「どんなことでも諦めなければ」と笑う。AI工藤は松岡による精神汚染を怪しむも、冗談だったとわかりハッピーエンド。 

文字数:1217

内容に関するアピール

かつて藤井太洋先生と高橋文樹先生に自著を読んで頂いた際に「無理に賢い人を書こうとしない方が良いのでは?(意訳)」というようなコメントを頂きました。
この言葉はかなり優しさで包んでありますが、要するに「バーカ! バカが天才を一人称で書けるわけねぇだろバーカ! 脳みそ入ってんのかバーカ!」という意味かと思われます。

うわぁ。これはショックです。
まさか、自分が救いようのないバカだったなんてっ!
当時はもちろん自分のバカさ加減に本気で落ち込んだものですが、次第に「ひょっとして、わしはバカSFを書いたら最強なのでは?」という妄執に取り憑かれるようになります。

やたらポジティブなバカですね。

そうです。そんな「バカが本気でバカSFを書いたらどうなるのか?」という謎へのアンサーが本作なのです。

本作品は松岡修造っぽい│熱血漢マッハ松岡のクローンを大量に作り、未来のクリーンなエネルギーとして用いようとするマッドサイエンティストと、熱血漢の精神汚染によって恋人と愛猫とスイーツを失った女の子が戦います。熱血漢によって人類の精神が汚染されていく中、あなたは最後までミーム汚染せずに、生き残れるのでしょうか?

 

文字数:495

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熱血機関 -Heat Up Engine-

実作まにあいませんでした。

いつか書きます。

 

https://kakuyomu.jp/works/1177354054890349589/episodes/1177354054890776320

文字数:95

課題提出者一覧