暗闇が怖いのではない、暗闇に恐怖を投影する自分の思考が怖いのだ。
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問題です
「パンはパンでも、食べれないパンはなーんだ?」
上記は、子供の頃の定番のナゾナゾである
ナゾナゾを知らなかった私はこう答えた、「お店で飾られている偽物のパンでしょ。」と
出題者は、満足そうな顔をしてこう言った
「ブッブー違います、答えはフライパンです。」と
なるほど、そのパンなのか、と問題の意図がフライパンのパンを指すのだと理解した
その後、同様のナゾナゾを同じ出題者から出された時、「フライパン!」と自信満々に答えた
が、出題者は、こう言った
「ブッブー違います、答えは君がイメージした頭の中のパンです。」と
確かに、ナゾナゾを出題された瞬間、パン、またフライパンがイメージされた
ナゾナゾを媒体にして、私の内側に眠っているパンとフライパンが目覚めたのだ
ナゾナゾが無ければ、そんな事微塵も考えなかったと言うのに。
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ANTI CHRIS♀
『ANTI CHRIS♀』と言う映画がある、『ラース・フォン・トリアー監督/2009年製作』
そして、この映画は出落ち感に満ちている、先ずタイトルからして内容をある程度予測させる
タイトルを改めて見てみよう
『ANTI CHRIS♀』=反キリスト、キリスト反対では無く、キリストを善だとした場合、その反対である悪の映画をさす。
また、タイトル通り、反キリストであるならば、この映画は確実にホラーの部類に入る。
タイトルが終わると、白黒のスローな映像、白黒のシーンを入れ込む事で白に対する黒のように対比がテーマである予感を感じさせる、そしてその白黒の世界の中で男女が重なり合っている、どうやら男女は夫婦のようだ
白黒からの対比構造の裏付けは、男性と女性が重なり合っている事で明白になる。
となれば、『ANTI CHRIS♀』のTがわざわざ♀な事には意味があるハズであり、
この女性には何か悪魔的な要素対応している事が推測される
シーンが進むと、息子は死んでしまう、が女性はどうやら気がついているものの
性欲に負けているような雰囲気を漂わす。
タイトル、オープニングと、監督のテーマを見透かせたような手応えを感じる。
つまり、この映画は反聖書を盛り込んだ映画なのだ。
事実
・三人の乞食=上記タイトルから考えて東方の三賢人を彷彿させる。
・エデン=妻の恐怖の根源、勿論これは楽園(エデン)の事だろう。
等、光と陰のように、どちらとも互いに互いを必要としている関係のように、この映画では、聖書の記述に対し逆手を取るように、変換し描写する。
1:38:36
アンドレイ・タルコフスキーに捧ぐとはつまり?
美しくも怖い映像も終わりを迎える、映画は暗転後、『アンドレイ・タルコフスキー』に捧ぐとの一文が出てくる。
この一文により、映画の対比構造には実は他の意味がある事が見えてくる。
『ANTI CHRIS♀』撮影時に、演者にも目を通してもらったと言われている『アンドレイ・タルコフスキー監督』の『鏡』
オープニング-反響の暗喩
(中略)
…このオープニングはきわめて示唆に富んでおり、ここにタルコフスキーの映画のエッセンスが表現されているとも言える。無意識のなかに確かに存在するが、何かの障害によって意識にうまく再現されない記憶・情景。このような「心の深層」のイマージュが、ある魔術的とも言える手順を通じて、この現在に、鏡に映る像のように再現され意識化される。これがタルコフスキーの映画の基本的な構造でもある。<01>
『ラース・フォン・トリアー監督』確実に意識した『鏡』の、うまく再現されない記憶・情景を魔術的な手順を通じて意識化されると考えながら映画を見ると、意外な事に気がついた。
1:44:15
罠だった・・・
それは、映画を表現通りに読み解き、私はまんまと誘導されていた事にハタと気がついた。
これは、監督が仕掛けた罠に他ない、私達はこの映画で見たいものを見た
それは、元々映画に搭載されたものでは無く、鏡のようにして、私達の思考を具現化したのだ
監督は意識的に、意図を読み取りやすいように配置し、
これらの素材を媒体にし、鑑賞している私達の脳の奥から無意識を引っ張り出している。
あとは、それを見ている私達の脳みそに委ねられているのだ。
暗闇が怖いのではない、暗闇に恐怖を投影する自分の思考が怖いのだ。
妻がメンヘラのように見えるので有れば、そんな経験をしている自分がいるのだし。
SEX依存症だなと感じれば、そんな経験が身近にいたのかもしれない。
各々が好きなようにこの映画を語る、それはつまりその語っている人の無意識に他ない。
この映画に込められているメッセージを掘り起こしたのであれば、それは掘り起こした本人の内面に元々あり伝えたい内容に違いないのだ。
<引用>
<01>
「鏡<映画>」『フリー百科事典 ウィキペディア日本語版』。2018年12月05日 (水) 20:00 UTC、URL: https://ja.wikipedia.org/wiki/鏡_(映画)
文字数:2049