梗 概
帰ってきた利休
ある日千利休が現代で目覚めた。
利休は戸惑ったが、彼の美意識に反する町並みを見て使命を悟った。この世界を美しくするために天が蘇らせたのだ。
そのころアパレル系ECサイトの創業社長である長谷川アンは、とあるブランドの担当者とZoom会議をしていた。アンを不愉快にしたのは相手が喫茶店のテラス席から会議に出ていたことだ。なめられている。そしてもう一つ気になったのは、背景に写り込んだ別の席の客だ。僧侶のような衣に黒い頭巾という珍妙な衣装をしている。
数時間後、アンの会社のオフィスに来客。なんとさっきの僧侶風男だった。男は千利休と名乗った。利休はアンにリモート会議のダメ出しを始める。特に背景がよくない。自分がリモート会議専用の部屋をコーディネートするから、空き部屋を貸せと。アンは利休を追い払おうとするが、利休は、有益な情報を渡すという。実はアンとブランド担当者の会議の後に、担当者がその上司と会議した内容を聞いていたという。
利休はアンの会社で働き始める。
従業員の卓也は、恋人へのプレゼントに悩んでいた。利休はかつて信長と南蛮人との貿易を仲介した経験を元に、安物しか変えなくても雰囲気で乗り切るコツを助言する。
アンはインスタライブの運営に悩んでいた。トレンドを過ぎた売れ残りがなかなか売れないのだ。そんなアンに利休は、木守という茶器の話をする。木守とは晩秋の柿の木に翌年の豊作を願って、たった1つ実を残すこと。利休はかつて、売れ残った茶器に木守と名付けることでその値段を吊り上げたことがある。
今売れ残って困っているのは5年前に流行ると言われて流行らなかったデニム・オン・デニムスタイルのアイテムだ。アンは「これはコーデの難易度が高いと思われて敬遠されているので、バッチリなコーデを教えます」といって在庫を掃いた。
アンは採用に困っていた。どうしても入社して欲しいソフトウェアエンジニアからファッションに興味がないと断られているらしい。利休はそのエンジニアにこんな話をした。
かつて黒田官兵衛は茶の湯嫌いだったので、よく秀吉の茶趣味を注意していた。だが秀吉は官兵衛に「こそこそ会議をすると勘ぐられる。だから自分が茶の湯にハマっていると思わせておく事にした。すると秘会をしても、また茶の湯かと思われるから安心だ」。
付け加えて、「ファッションも同じでコミュニケーションツールとして有効だ」と言った。採用に成功した。
利休はアンを海岸の砂浜に誘った。秀吉ともこうして二人で砂浜に来たことがある。
利休は今の流行は誰が作っているのかとアンに聞いた。もちろん聡い利休は、流行が消費者ではなく業界の誰かに作られていると気づいていた。アンはファッション業界の裏側について利休に話した。
利休はそれを聞き、転職を決意した。
「天下の美は私が決める」
文字数:1155
内容に関するアピール
ジャンルがわかりやすいということを求められているのかと思い、
最初の数行で話の方向性がわかるような梗概にしました。
単調かつ先の見える話ではありますが、読者に「利休なら上手いこと言うんじゃないかな」と予想させつつ、それを上回れたら高得点が取れるのではないかと打算しています。
また個人的に、エンタメとしては『仲が悪かった二人が仲良くなる』というのが一番おもしろいと思っているので、そういう筋にしたいです。
文字数:199




