主人公・アキはある日、「●●● / 11,598円(CNY 499)」という身に覚えのないクレジット利用通知をうけとる。ユアナンバーカードのクレジット機能からの通知だ。そこでユアナンバーカードを紛失していることにはじめて気付いたアキは、即座に停止措置をとり警察へ向かう。しかし警察官もカード会社担当も、怪訝な顔でアキを見る。画面上の履歴はアキが今この瞬間、アキと長年取引のある上海の企業「パンダ公司」とかつてなく合理的に取引をしていることを示していたからだ。
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自分の人生が「有能で正しいなにか」に運営されている事実に、アキは不快感を禁じ得ない。コレクトが運営する「アキの人生」がアキ以外にとって完全に有益であればあるほど、その事実はアキの怒りを増幅させた。だが、どうしようもない非効率さや怒りこそが、コレクトのシステムには察知できないアキの「リアル」であるとアキは気づく。コレクトのロジックは「最適解」しか選べないが、アキは「非合理」を選ぶことができる。
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アキはシステムが管理する「こうであるべきアキ」に反発することにする。アキは上海に飛び、取引を通じて信頼を重ねた「パンダ公司」の陳にあう。アキは事情を説明、コレクトのシステムが行った合理的な取引をすべて無効とするよう依頼し、陳は了承する。システムはこの想定外のノイズを処理しきれずフリーズする。アキはユアナンバーのシステムから距離をおき、「パンダ公司」で陳と働くことにする。陳と話をするなかで、「●●● / 11,598円(CNY 499)」は、2ヶ月前に買った陳への誕生日プレゼントの引き落としだったことに気づく。