地球人 近くにある恒星を順に消していったら シリウスが消えたあたりでパニックになる説

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梗 概

地球人 近くにある恒星を順に消していったら シリウスが消えたあたりでパニックになる説

2170年。
日本の首相と、ADを名乗る異星人がファーストコンタクト。
「30日後ニ太陽ヲ消サセテイタダク予定デシテ、ゴ理解ヨロシクオ願イシマス」

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地球はパニックに陥っていた。一月につき1つ、恒星が観測できなくなる原因不明の現象が起こっていたのだ。
ラカイユ9352、ロス248、シリウス…
地球の近くの恒星が消えだすにつれ、不安が広がる。先月、太陽以外で地球に最も近いプロキシマ・ケンタウリが消え、社会は大混乱に陥る。

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ファーストコンタクトの翌日、企画ジャンキーの主人公・田端と、官僚・神楽坂が官邸に呼び出され、事態の説明と、地球を救う作戦の立案の命を受ける。

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2030年に打ち上げられた系外探査機には、地球の文化を記した「プラチナレコード」が載せられた。日本からは「水曜日のダウンタウン」の映像が選ばれる。探査機は高度な文明を持つ異星人のもとに届く。
初めて他星の文明に触れた異星人の間では、地球の文化がブームに。星を繋いで「星座」を作るような純朴さがウケているらしい。また、娯楽の文化が無い異星人に「水ダウ」が大ウケ。触発され、彼らなりの「説」検証番組を作り始め、じきに文化の伝播元である地球人にドッキリをかけることを思いつく。その名も「地球人 近くにある恒星を順に消していったら シリウスあたりでパニックになる説」。残るは太陽を消し、オチを作るだけのタイミングでようやく、異星人ADが収録の許可取りをしにきたというわけだ。
中止を求めるも「一月かけて、恒星をダイソン球で覆っている”だけ”」「太陽を消すのは3日”だけ”で、すぐに戻す」の一点張り。

田端・神楽坂各々がチームを組み、三日三晩の会議の後、提案コンペを行うことに。

神楽坂は、国民へのドッキリ内容の告知と大寒波の対策を行う現実的な方向性を示した。
一方、田端のチームは「より面白いドッキリの提案」を主張する。ドッキリのネタバレで撮れ高を潰されたD(ディレクター)はより過激な方向に走りかねない。ならば、いっそのこと「現在の状況を利用した、地球に無害で面白いドッキリ」に路線変更させればよいのだ。

田端案が採用され、再度企画会議が開かれる。極限状況の中、田端は一つのドッキリにたどり着く。
異星人ADの通信端末を借り、超光速通信で異星人Dに通話を繋ぐ。地球の命運をかけたプレゼンが始まった。

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翌月、夜空には恒星で描かれた「ドッキリ大成功」の文字が浮かんでいた。

田端が提案したのは「地球人とのファーストコンタクトが 『ドッキリ大成功』座 だったら妙にエモい説」だった。夜空の大部分の恒星を消してしまい、残った恒星で「ドッキリ大成功」の文字を夜空に描き、一連の事象がドッキリであったことを地球人に知らせるのだ。

「異星人が星座を好き」という情報に賭けた、一か八かの提案だった。田端はより大きな企画を求めて、異星人Dに作家として雇ってくれないか交渉するのだった。

文字数:1197

内容に関するアピール

私の職業である「動画の企画者」をテーマにしたSFを書けないか? と思い、このお話を作りました。

引きの強いタイトルと冒頭を作る、「水曜日のダウンタウン」というとっつきやすい事物を扱う、などの点を意識しています。 

文字数:105

課題提出者一覧