梗 概
エンドレスサマー
中学二年生の東田虎太郎と霧島龍我は幼馴染み。虎太郎はボクシングの才能があるが、龍我にはなく虎太郎に憧れてボクシングを続けている。
八月二十七日、王座決定戦。虎太郎は別の階級で勝利を収めるが、龍我は藤間好奇心に敗北。すると時間が過去に逆戻り、夏休みの初日に戻ってしまう。
違和感を感じつつも、ふたりは朝日奈ボクシングジムに向かう。コーチの朝日奈章がロボットを操縦して怪獣に敗れる様を目撃。朝日奈に頼まれ、ふたりはロボットで怪獣と戦う。
実は朝日奈コーチは地球防衛組織の一員であった。ふたりは異界に迷い込んだことのだと思い、脱出方法を模索するが、怪獣の脅威が絶えず迫る。
八月二十七日。龍我は王座決定戦には出場せず、単身で怪獣と立ち向かう。しかし怪獣が藤間へ変貌。龍我を殴り飛ばす。再び世界は七月二十一日になっていた。
ふたりは何度も夏を繰り返し、八月二十七日に龍我が藤間に殴られ、時間が戻る。龍我はループの中で、藤間に対する友情を感じ始める。
一方、虎太郎は不安に駆られ、自分はゲームの世界のキャラクターに過ぎないのではないかと考える。龍我はなんであれ藤間が何か秘密を握っていると言い、藤間に戦いを挑むことを提案する。
ボクシングクラブにカチコミに行ったふたりだが、虎太郎は何かを思い出したのか動きが鈍り、藤間にボコボコにされてしまう。反対に龍我は何度も戦った経験から藤間に勝利を収める。
敗北した藤間は真実を語る。この世界は『エンドレス』システムによって構築された小宇宙世界。人の魂なるものを複製し、歴史と時間改変を無制限に行うのだ。藤間は未来時空からシステムに干渉して、ふたりの世界が進むのを何度も阻止していたのだ。なぜならこのままではリョウコが生まれない世界が来るからだ。
リョウコとは虎太郎の娘である。リョウコと虎太郎は怪獣と戦っており、龍我は強化怪獣の科学者で敵であった。虎太郎はやむなく龍我を殺してしまうが、リョウコは悲劇を無かった事にする為、虎太郎と龍我が対立しない世界を創り出そうとしていた。
ふたりは記憶を一部取り戻し、小宇宙世界の創造主リュウコを探しに行く。見つけ出したリョウコと話しをするが、彼女は更なる真実を語る。
実は防衛組織を裏切り、怪獣に力を貸しているのは虎太郎であった。現実では、龍我が虎太郎を止む無く殺したのだった。龍我が悪の科学者となる世界もまた改変された世界なのであった。藤間は自分が現実世界の住人ではない可能性にショックを受ける。その時、龍我は藤間好奇心が生まれるかもしれない未来の息子であると気が付く。
龍我はここに連れてこられた以上、僕たちはこの小宇宙世界で生きていくしかない。ならばこの世界で必ず東田 リョウコと藤間 好奇心がが生まれる歴史を作る、それがどんなに悲しい結果を伴うものであってもと告げる。
虎太郎も現実世界の自分はそれなりの決意と覚悟を持って裏切ったのだと告げ、自分の人生の幸福も不幸も決め付けないで欲しいと望む。するとリョウコと藤間が発光し、段々と消えていった。
龍我と虎太郎は現実世界の自分達が過去を受け入れて強く生きていく事を願う。そして、数十年後に対立する未来を悲しく思いながらも、将来生まれてくる互いの娘と息子の為に今を全力で生きる事を誓うのだった。
文字数:1358
内容に関するアピール
文章から寝不足を感じます……。設定が全く詰められておりませんが、ぼんやりと書きたいことはあります。悲劇の別れを遂げた父親とその親友の幸福な世界を作ろうとする病んでる娘を、改変された世界の果てに生み出された現実世界では生まれてくる可能性の低い(なぜ低いのかはいくつか理由があるのですが、それを書くのが物語的に正しいのか迷っております)息子が助けようとするという土台に、ボクシングと怪獣退治しながら夏休みを過ごす無邪気な父親世代が乗っかっている感じです。最後の最後は父たちが娘、息子の為に自分達の幸福な少年時代を捨てるみたいな話にしたいです。それにしても小宇宙世界とかは本当にどうしたらいいのでしょうか。ヴァーチャル世界とかにした方が良かったかな。青春ボクシングものかと思えば、ループもの。ループものかと思えば怪獣もの。怪獣ものかと思えば、箱庭ものだったという捻りです。どうぞよろしくお願いいたします。
文字数:399