梗 概
隣接世界
西暦21XX年。人類は時間を自由に操作できるようになる。その副産物として時空研究者の岡田トモキは、時間と空間の隙間に人類が認識できない別時間世界があることを偶然発見する。そのことを研究仲間に話しても誰も信じない。トモキは別時間世界が実在していることを立証するために別時間世界に行く。トモキはその世界に棲息している生物の写真を撮る。どれも人類には理解不能な悍ましい姿をしている。その世界の生物は別時間世界のトモキを認識できないようだった。見つかる心配がないと分かるとトモキは写真を撮りまくった。しかし、猟犬のような黒い四足獣に見つかってしまう。四足獣の攻撃から逃れ負傷しながらもトモキはこちらの時間世界に戻ってくる。そこは、197X年の日本だった。トモキは、別時間世界はこちらの世界のあらゆる時間と隣接していることを知る。
四足獣はトモキの匂いを覚えている。時空を越えてどこまでも追い続ける。
197X年。十歳くらいの少年と少女が学校帰りの道を歩いている。
少年は不思議な目を持っていた。普通の人には見えない、時間の隙間に存在している世界が見えてしまう。部屋の角にその世界は現れる。そのとき、こちらの世界の時間は止まってる。だから少年は時間の隙間世界だと思っている。生まれたときから少年には見えていた。このことを親や友達に話したことはない。
少年は好奇心からその隙間世界を覗く。そこには、こちらの世界の人類には全く理解できない、恐らく分かりあうことは出来ない、悍ましい生物たちが生存していた。
二人が歩いている道の前方の空き地に野良犬が現れる。少年の目には何も無かった空間に突然現れたように見える。時間の隙間世界からやって来たのだろうか? と少年は思う。少年の背丈ぐらいある大きな黒い犬だ。体毛は無いようだ。犬のように見えるけれど、絶対に犬ではない、と少年は強く思う。少年は少女をかばいながら空き地を通り過ぎようとする。犬もどきとの距離は十メートルくらい。これなら大丈夫だ。犬もどきと目を合わせないように慌てずゆっくり歩けば。犬もどきが近づいてくる。唸り声が聞こえる。犬もどきが二人に飛びかかろうとした一瞬前に、少年は少女の手をとって走り出した。
202X年。沢村和也は深夜二時に目が覚める。沢村は四十代独身一人暮らし。灯りを消した暗い部屋の中に生き物の気配を感じる。獣の臭いと息づかいの音に反応して目が覚めたようだ。ベッドの足元のほうに何かいる。大型犬のような四本足の生き物の黒い影が見える。その影がゆっくり沢村の顔のほうに近づいてくる。枕元のスタンドの灯りをつけようとしたけれど、沢村は躰が固まったように動けない。子供のときの野良犬に追いかけられて怖かった記憶が甦っていた。獣臭が強くなり息づかいの音が沢村の顔に迫ってくる。
岡田トモキ、少年と少女、そして、沢村和也は、邂逅して別時間世界と対決する。
文字数:1200
内容に関するアピール
書きたいのは次のようなことです。
地球人類が生存している世界のすぐ側に、人類が認識できない時間の世界が存在していて、そこには、人類が理解できない分かり合えない悍ましい生物が棲息しているということ。その世界は人類よりも古く、何億年も前から存在しているということ。
その別時間世界を発見してしまう未来人、生まれつき別時間世界が見えてしまう過去の少年、巻き込まれる現代人、彼ら三人を中心にストーリーを進めます。
別時間世界の生物が時空を越えて執拗に三人を追跡します。過去・現在・未来が絡み合うSFホラーストーリーにしたいと思っています。詳細なストーリーや結末はまだ見えていません。
面白くなる可能性はあると思いますか?
全然ダメ!箸にも棒にもかからない!というのであれば別な話を考えます。
いずれにしても最終実作に全力を注ぎたいと思います。
文字数:367