テーマ

「「取材」してお話を書こう。」

  • 小川哲
  • 塩澤快浩 (早川書房)
  • 大森望
  • 課題提示、梗概講評:小川哲
  • 梗概講評:奥村勝也
  • 実作講評:鏡明
  • 実作講評:塩澤快浩(早川書房)
  • 梗概講評、実作講評:大森望

梗概提出締切| 2019年12月19日(木)

梗概講評会| 2019年12月26日(木)

実作提出締切| 2020年1月9日(木)

実作講評会| 2020年1月16日(木)

 以前、僕がSF創作講座を受講したとして、どんなテーマのSFを書くだろうか、と考えたことがあります。
 真っ先に思い浮かんだのは「クイズSF」です(ちなみに僕は「クイズ」について人並みの知識しかありません)。
 なぜ「クイズSF」かといえば単純で、クイズが得意なゲンロンの徳久君に「取材」できるからです。「クイズSF」と言われても、漫画『国民クイズ』くらいしか思い浮かばないので、それなりに目新しいテーマでしょう。その道のプロから直接話を聞くこともできるし、クイズについて体系的に学べる文献を教えてもらえるかもしれません。クイズは文章との相性もいいし、教養も深まります。何より、どうやったらあんなタイミングで早押しボタンが押せるのか、とても気になります(何らかの技術が介在しているはずです)。
 そう思って、徳久君に「これまでの受講生でクイズをテーマにした人はいましたか?」と聞いたところ「一人もいません」と言われました。もったいないですね(もったいないので、「クイズ」テーマの作品は僕が書く予定です)。
 さて、今回はあなたにとっての「クイズSF」を書いてください。ただし、いくつか条件があります。

 1、現時点でそのジャンルについて人並み以上の知識を持って「いない」こと。
 2、「取材」をすること。「取材」と言っても、必ずしも誰かに直接話を聞いたり、どこかへ足を運ばなければいけないわけではありません。たとえば「複素数」を題材にするために、本やネットで調べる、というだけでも構いません。

 興味のあるテーマで検索して、上位に出てきた本を読むのもいいでしょうし、最近連絡していなかった昔の友人から話を聞くのもいいでしょう(どちらも僕がよくやることです)。これを機に苦手な天体物理学の勉強をするのもいいし、新聞からネタを探すのもいいでしょう。僕はもともと理系で、世界史の知識はほとんどありませんでしたが、作品のネタを探すために山川の問題集を買い、一から勉強したりしました(とても楽しかったです)。
 思いついた題材をどのように「SF」に調理するのかはお任せしますが、今回は(可能な限り)広義のSFであればいいこととします。
 受講生の方々はタイトなスケジュールで時間も限られているとは思いますが、これまで知らなかったことを知るいい機会だと割り切って、面白い作品を着想してください。
 また、梗概の末尾には必ず、どのようにして取材をしたか(あるいはする予定か)を書いてください。特定の本やウェブサイトを参考にした場合は、参考文献という形で明記してください(参考文献一覧の書き方がわからない人は、自分で調べてみてください)。
(小川哲)

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