梗 概
原始的で、洗練されたそれを抱きながら
一
主人公はとある銀河に生息している軟体生命体。
そこでは、主人公を含め、同一の種族が日々、訓練を行っている。
主人公も違わず、友と毎日の訓練を行う日々である。
その日は主人公の最も苦手とする”体を円筒状にして海に潜る訓練”の日であったが、主人公はうまくできなかった。
洞穴にある家に帰り、爺ちゃん(二世代前の個体)に話すと、「父親(一世代前の個体)にそっくりだ」と言われ、アドバイスをもらえる。
二
次の日、”海に潜る訓練”に成功するが、爺ちゃんが亡くなる。
その星では、同時期に亡くなる個体に対して合同で葬儀を行うため、主人公もそれに参加する。
悲しむ主人公だがついにその日が来る。
爺ちゃんの葬式中に数百億年に一度の惑星同士の衝突が来たのであった。
三
実は主人公の種族の行う”訓練”とは、その日のために何万世代も受け継いで行ってきたものであり、惑星、種族の終焉と再生に向けたものであった。
空を見上げれば、隣の青い星が天井に迫るほどの距離であり、衝突による衝撃や、突風、大津波などを訓練の成果を見せ、滅亡を避けて生き延びる主人公であった。
四
ついに惑星の衝突の余波が弱まり、静寂を見せる星、主人公は海の奥深くから復活する。
元居た岩だらけの自分の星は生まれ変わり、様々な植物や漠たる水の流れがあちらこちらからからあふれ出るような星になっていた。
そこで主人公は衝突した隣の惑星に付着していたであろう多種族の生命体と邂逅する。
本能的に手を繋ぎ、同一の存在になる主人公たち。
そのまま惑星に溶け合い、新しい生命の元を生み出すのであった。
文字数:669
内容に関するアピール
辺境と言われて、人間の存在しない惑星を思いつきました。
その惑星は他の星と衝突を繰り返し、破壊と再生、生命の再誕を繰り返している惑星です。
生命の始まりは何か?という問いに対して、いろいろな説があります。
アミノ酸の発生や、他のより高度な生命体が作ったなど……
自分は惑星の一部、同一と言っても過言ではない生命体が生命の始まりとする物語を考えました。
ちょっと分かりにくいかと思いますが、実作では、自分たちのような知的生命体の視点を交えて書こうと思っています。
文字数:231