現在の娯楽小説は、いわゆるキャラ文芸のようにキャラクターが強い傾向を持ちます。なので、商業的に考えると、キャラクターを中心として進むタイプの物語を書けるにこしたことはありません。
キャラクターを二人以上作って、その人間(?)関係で回る物語を作って下さい。
SFの講座なので、キャラクターがSFらしいギミックを背負っているようにしてください。ロボットと人間の関係でも、異星人と人間でも、異星人同士でも、免疫抗体とウイルスの関係でも、惑星と衛星の関係でもかまいません。あるいは、キャラクターの関係がSFらしいギミックになっているものでもありません。接触するとエネルギーを発して消滅する恋人同士でも、タイムスリップして出会うとタイムパラドックスが起こる本人同士でも、なんでもよいです。
だいじなのは、「そのキャラクターの関係性に魅力を持たせて、読み手に好きになってもらうこと」です。キャラクターは、個別に立てるだけでなく、キャラクター同士の関係に引きつけることができると、より可読性が上がります。ここがしっかり魅力的にできていると、物語の構造が一気に安定するのです。
オーソドックスな技術だからこそ、出来不出来の差が出るところでもあります。しっかりと身につけておきましょう。
アピール文には、「どのようなキャラクター関係」であり、「その関係がどのように読者を楽しませて」「その関係がSFとしてどのような見るべき点を持つか」を書いてください。
今回は構造の勝負なので、梗概よりもアピール文の限られた情報で面白さを打ち出せると強いと思います。頭をひねってください。
(長谷敏司)