ギークに銃はいらない

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梗 概

ギークに銃はいらない

銃なんかなくたって、俺たちは世界を殺せる。二十世紀のナードはインターネットがなかったから冴えないクラスメイトを巻き添えに自分を殺すしかなかったけど、二十一世紀のナードは違う。人工衛星を落とすことだってできるし、インターネットも簡単に殺せる。ガレージで世界を人質にとることだってできるんだ。絶対にいつか殺してやる。
 そんなふうに力強く宣言するディランはいじめられっ子で、さらにレッドネックの父親にしょっちゅうなぐられている正真正銘のナードだ。彼とつるんでいるのは学校に馴染めないジェシー。周囲からちょっと変わっていると評される元カノのリサにさえ、ダサくて変なやつだと言われている。
 北カリフォルニアに住む高校生の彼らは息苦しさを感じた。でもディランとジェシーには一つだけ希望があった。彼らの暮らす北カリフォルニア、ベイエリアはギークの聖地なのである。彼らのようなナードにも世界の覇権を握るチャンスがある。

ある日、ふたりはDyn[1]に対する超大規模DDoS攻撃によってインターネットが死ぬのを目撃する。この攻撃に使われたbotプログラムMiraiこそが彼の求めていた銃だと確信し、さっそくサイバー攻撃の計画をねる。しかし、勉強嫌いの二人にはMiraiは荷が重く、さっぱりわからないのでとりあえず学校のネットワークでためしてみることにする。MacからTelnetで接続すればパスワードなしでログインできるというルーターのバグを偶然発見し、侵入すればあとは簡単だ。監視カメラをクラックし、しばらく映像をながめたり人を驚かせて遊んでいた二人だが、人気のない場所でリサの妹キャスがフットボール部の男子と親密な距離で話をしているところをみつける。様子を見ているとカメラの向こうで口喧嘩がはじまりキャスが殴られる。とっさにジェシーがカメラを動かして男を追い払うが、いつのまにかディランが消えている。

ディランが訪ねたのはリサの家だった。突然の訪問に驚いたリサは冷たい態度を取ってしまうが、キャスのことをきかされ、現場に駆けつける。ディランに感謝するリサだが、キャスが殴られた状況を聞き、二人っきりでそんなところに行くなんてキャスが悪いとつい言ってしまう。するとジェシーは、キャスが悪いから殴られたんじゃない、あいつらは殴る理由をいつも探してて、少しでも隙を見つけて殴るんだと自分の境遇に重ねて泣き出してしまうのだった。

警察に通報したジェシーは、ネットワークをクラックしたことで一月の停学処分を受けるが、学校と距離を置いたことで心に余裕ができる。リサとよりを戻したディランも精神的に落ち着き、ジェシーと冗談を言い合えるようになる。

 

[1]アメリカ合衆国ニューハンプシャーに拠点を置く米国の企業。DNSサービスやネットワークパフォーマンス管理サービスを提供する。2016年10月に大規模なDDoS攻撃を受けてサービスダウンしたが、2016年11月にOracleに買収されOracle Dynとなった。

文字数:1238

内容に関するアピール

おとなになってからあえて新しいジャンルに挑むのは、埋めてほしいなにかがあるからだと思います。そこにおさまるのは希望であってほしい。希望とは必ずしも明るい未来をさすわけではなく、考え方をかえるちょっとした言葉だったり、優しさだったり、なんでもない日常かもしれません。「可能性の文学」と劉慈欣は書いていましたが、SFとは現実を再構築するものだと私は思います。
今回の話は厳密にはすでにある技術しか使ってないのでSci-Fiなのか疑問ですが、SFサンフランシスコ近郊の話ということで、ここはひとつ…

文字数:248

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ギークに銃はいらない

銃なんかなくたって俺たちは世界を殺せる。だろ? いつか絶対殺してやる。
 ディランは人差し指をカメラにつきつけてそんなふうに言った。普段はなんにも気にしてないって顔をしているディランだけど、どんなに現実逃避していきがったって、彼がいじめられっ子だという事実は覆らない。学校ではジョックスのおもちゃ、家では父親に殴られて、チビでちょっと太ってて、成績はよくなくて、赤毛で、ゲームオタクで、ださくて、いいところなんてなんにもない。それがディランなのだった。
 あいつら、[1]が怖いんだ。銃を持ってるところなんか見られてみろよ、乱射するかもってパニック起こして騒ぎ出すぜ。でも銃なんて、馬鹿だ。あいつら、なんにもわかっちゃない、俺たちは銃なんかいらないんだよ。この指と頭があればなんだってできる、こいつでいつか世界をぶっ壊してやるからな。絶対だ。
 僕はこういうことを言ってる時のディランのほうが好きだ。
 ディランとは高校に入ってから仲良くなった。というか、ロッカーに閉じ込められているディランを僕が救い出したのである。それ以来、なんとなく一緒にいたり、いなかったりしてる。もっとも僕だって彼のことをあれこれ言えたような人間じゃない。棺桶から出たてみたいに痩せっぽちだし、運動は苦手で、成績はC-がほとんど、さらに無駄に鼻がでかくて、蜂に刺されたみたいにニキビ面だし、さらに日系だからアジア人グループのとこに行けよってすぐ爪弾きにされる。でもこの高校にいるアジア人はだいたい一世世代の中国人で話が全然合わないから、親しい友だちもいないのだった。おまけにディランとちがって恋人がいたこともない。貧乏ではないけど、でもそれはパパとママの功績だし。ほんとうにクソみたいな世界の生き物だ。
 そんな僕でも、映画に出てくる腐ったハンバーガーみたいな青春に比べたら、ちょっとだけ救いがある。なぜならここ、北カリフォルニアで、ギークは神だからだ。
 ギークはまず、ダサい。だぼっとしたジーンズをはいて、しわだらけのオックスフォードシャツか、ポロシャツか、ダサい絵がプリントされたTシャツを着てる。そのうえにみんな揃いも揃ってペラペラのH&Mのパーカーを羽織っていて、遠くから見ると色違いの制服を着てるみたいだ。猫背で、髪型だってダサい。しかもいつも男同士でつるんで、甲高い声で早口に話す。学校にいたときはきっと僕たちの仲間だったはずだ。
 なのに。
 なのに、だ。
 そんなふうに冴えない彼らが、この世界では神なのだった。信じられないことに、二十一世紀を支えているのは間違いなくシリコンバレーのプログラマなのである。
 僕たちが住むのは北カルフォルニアのサンフランシスコ湾岸、イーストベイの小さな町Hayward[2]だ。Haywardの対岸にはPalo Altoっていうギークの聖地がある。Palo Alto[3]は天国だ。スタンフォード大の運動場あたりは危険だが、それ以外の場所なら「どうか誰にもみつかりませんように」なんて祈りながら歩く必要はない。それがどんなにすごいことかわかる? 
 対岸に行く時、ディランは「ジェシー、人間をしに行こうぜ」って言う。
 人間をする。最高にクールだ。
 本物のプログラマになったらディランは、「神をしに行こうぜ」っていうんだろうか。それとも、ベイを渡る橋を指さして「下界を見に行こう」なんていうんだろうか。

外に出るとかなり気温が下がっていた。まだ十一月だと思って油断してたけど、日が落ちるとパーカー一枚では寒さを遮れない。温暖なカリフォルニアから夏が去って、マロニエの木が赤や黄色になったら、私の嫌いな雨季が来る。雨はきらい。車がすぐに汚くなるから。
 妹のキャシーから先に帰ってて、とメッセージが入っていたので、私は荷物を助手席に投げこんだ。キャシーはたぶんボーイフレンドに送ってもらうつもりなんだろう。待っててじゃなくて先に帰っててってことは、つまりそういうことだ。
 帰る前にどこかによっていこうかな、とか考える。どこでもいい。スーパーに寄ってクリームチーズとクラッカーを買うか、モールにいってぶらぶらするか、それとも――なにかあったっけな、とエンジンをかけながら私はちょっと考えた。なんとなくまっすぐ家には帰りたくないけど、でもいい理由が思いつかない。ちょっと前だったら――
 ちょっと前まではディランがいたから、退屈しなかった。
 といっても、ディランはそれほど愉快なやつじゃない。全然愉快じゃない。たぶん彼を見たら、だいたいの人は顔をしかめると思う。なんとなくヤバそうな感じ――ってわかるかな。いきなり暴れだしたり人を撃ち殺したり、そういうことをしそうなイメージ。ディランが実際にそういうことをするかって言ったらたぶんしないけど、でもイメージってやつは強力で、絶対に背中から剥がせない。
 ディランと会ったのは図書室だった。高校に入学してすぐのことだ。私も彼も図書室でボランティアをしていて、書架に本を並べたり、本棚の整理をしたり、そういうことを黙ってしてたから、最初は全然接点がなかった。だいたい図書館のボランティアをやりたい人なんてそんなにいない。成績のためだっていったも、他に楽しいボランティアはたくさんある。教会の手伝いとかのほうが絶対にマシだ。友達にもなんで? って言われた。本をAから順番に並べるとか、退屈で死にそう。だいたいリサって本読むの? キャシーなら優等生だから図書室とか行きそうだけど――
 たしかにどっさり本が詰まったカートを押して棚の間を通って、適切に並べて戻ってくるゲームってのは結構ハードだ。しかも鉄でできたカートは重くて、押すとギイギイ音がする。ハンドルは手垢で黒くなっててすべるし、角をうまく曲がるのは熟練の技が必要で、うっかりしてるとすぐに棚にぶつかる。私なんて三分に一回は棚にカートをぶつけて図書室をぺしゃんこに壊しちゃうんじゃないかってヒヤヒヤした。
 でも、棚に本がぎっしりと並んで沈黙している様子を見るのは、悪くない。窓から西日が差して、本の隙間をすりぬけて床でひだまりを作ってるのを見ると、大冒険じゃん、って思う。別に本を読むだけが図書室の使い方じゃなくない? 本は別に好きじゃないけど、図書室は好き。
 とにかく、そんな図書室で私はディランと出会ったのだ。
 私がカートを押して通りかかったとき、彼はかがんで本を探しているふうだった。窓から白い光が差し込んで、彼の赤毛が燃えてるみたいに見えたから、私は彼に声をかけた。その髪の毛、最高にクールだね。あと危ないからちょっとどいてくれる? これ、すっごく重くてうまく動かせないんだ。彼は顔をあげて、不思議なくらい無邪気な顔でニコッと笑った。すごくキュートだった。

今年の十月、Dynにたいして行われた世界最大のDDoS攻撃[4]のことは覚えているだろうか。インターネットの混乱を極めたあの事件だ。
 見たことも、想像したこともない量のトラフィックがネットワークの上を駆け巡り、僕らの聖地の企業を皆殺しにした。凄まじい攻撃だった。Twitter[5]、PayPal[6]、Netflix[7]、Airbnb[8]――数え始めたらキリがない。名だたる企業がバタバタと倒れるところを僕らは目撃した。どこへ行っても「このサイトにアクセスできません」の洪水だ。たぶん、一生分の「このサイトにアクセスできません」を見た気がする。
 ディランの反応はひどかった。本当にひどいものだった。テレビにかじりついて、俺たちは歴史に残る事件のただなかにいるとか、こんなすごいものは滅多にみられないぞとか、世界一の頭脳が集まる聖地の企業が一瞬で死んだ、それもたった一人か二人のちからで! とかなんとか、ずっと言っていた。興奮しているディランは言うことがでかい。なんでも世紀の大事件にしてしまう。
 昼間は暑さの残る十月でも夜はめっきりと冷え込むので、僕は自室のソファの上であぐらをかき、ブランケットをかぶってホットココアをちびちびと飲んでいた。胃の弱い僕は、ディランみたいにコーラをがぶ飲みできない。僕の斜め前で椅子にすわっているディランは時々拳をつきあげ、そうでないときは二リットルのペットボトルに口をつけて、また大げさなことを口にした。
 もっともディランの興奮はわからないでもない。
 テレビの中では大人が右往左往している。インターネットに大きな障害が発生していることはもう誰もが気づいていたが、それ以上のことはわかっていないらしかった。Dynの提供するDNSサービスが死んだら、Googleが全く使い物にならない。URLからIPアドレスが割り出せないから、どこに接続すればいいのかネットワークは判断できないのだ。だから詳しいことを調べることさえできないのだった。
 テレビではDDoS攻撃とよばれる、大量のトラフィックを特定のサーバーに送りつけてサービスを落とすサイバー攻撃のことを、繰り返し説明している。それくらいしか彼らには情報がないみたいだった。どうやら多くのPCやIoT機器[9]がBotというものにされた――つまり攻撃の踏み台にされた可能性があるそうだ。攻撃に使用されたデバイスはマルウェア[10]に感染しているので、家にある電子機器を一度全部チェックしてみてください――
 ジェシー、とディランは僕を呼んだ。どこか熱にうかされたようなぼんやりとした声だった。これ、すげぇな。世界を殺せる。俺たちもやってみようぜ。
 それからしばらくしてDynへのDDoS攻撃はMirai[11]というマルウェアに感染したIoT機器が引き起こしたものだと判明した。犯人たちがMiraiのコードをGitHub[12]に公開したので、僕らはすぐにダウンロードした。ディランの言うところの銃を、僕たちは手に入れたのだ。

変だってのはよく言われる。なんで言われるのかよくわかんないけど、私は変みたい。ママもいう。リサ、どうしてあなたってそんな男の子みたいな格好ばっかりしてるの。でも別にそんなのどうでも良くない?
 キャシーはママの意見に賛成らしい。でも私からしたら、あの子も相当変わってると思う。
 なんでディランなんかって、キャシーはよく言ってた。そこで言葉を切って、あとはなにも言わない。ずるいやり方だ。私たちが別れた時はたぶん喜んでた。馬鹿じゃないからはっきり言葉に出したりしないけど、姉のボーイフレンドがダサいのは嫌みたい。
 たしかにディランはダサいよ。ギーク気取りで、さも見てきたように世界の話をするところとかほんとバカみたい。彼がよくつるんでるジェシーっていうに比べたらマシだけど、クラスメイトのことをなんにもわかってないやつらだってすぐに言うし、そういうことを言うから嫌われるのに、わかってないみたい。
 といっても、私とディランが一緒にでかけたことってあんまりなかった気がする。一度だけ家に来たこともあったけど、カチコチになってすぐに帰っちゃった。ママは変な子ね、って言ってた。ママがいたら、やっぱり男の子は緊張するものじゃない? ましてや相手はディランだよ。ママのほうがデリカシーがないと思う。
 とにかく、私達の会話のほとんどはネット上か、もしくは私の車の中だった。ディランが外に出たがらなかったんだ。外に出ると恐ろしいものに噛みつかれると思ってるみたいに、のらりくらりと私の誘いを断る。私はただ、彼と一緒にいろんなことがしたかっただけ。モールに行ったり、映画を見たり、ファストフード店で話したり、夏休みにでかけたり、そういうのだ。話すのも楽しいけど、付き合ってたらそういうものじゃない? でもディランは気が進まないみたいだった。それで最後は私が爆発しておしまい。
 ほんとにばかなことをしたと思う。

「やっぱり人工衛星かな。映画だと人工衛星のハッキングをしてるだろ、あれくらいやらなくちゃインパクトがないよな。それかDoD[13]……あとは中国政府とか、北朝鮮のミサイルシステムとか」
 僕はゲラゲラと笑った。ディランの言うことはでかい。カルフォルニアのさえない高校生が中国政府にDDoS攻撃をしかけるとか、下手な映画でもそんな筋書きは出てこないのに、彼は真面目な顔でやろうと言う。もちろんやり方はぜんぜんわからない。でも言ってみるだけなら自由だ。
 僕は、簡単に捕まるのは嫌だな、と言った。命を狙われるのもゴメンだ。DoDなんかに攻撃したらCIAに殺されない? 独裁者とか、麻薬カルテルとかをターゲットにするのはかっこいいけど、中東とかはやばそうだよな。麻薬カルテルも陸でつながってて危ない気がするし、海で隔てられたところにしよう。
 おい、兄弟bro、と顔をしかめたディランは僕を小突いた。怖気づいたのかよ。らしくねぇな。まあでもたしかに俺たちの目的は金じゃないし、うっかり捕まってなんか請求されたらやばいな。先に金を稼ごう。それと人を殺すのもなしだ。人を殺したらそのへんで銃を乱射してる奴らと同じになる。あいつらと同じになってたまるか。悪いことしてるやつらをターゲットにしよう。
 ディランはふと口をつぐんで、ぎゅっと眉間に皺を寄せた。多分、父親のことを思い出したのだろう。あるいはいつも彼をいじめるジョックスか――
 ディランの父親は控えめに言ってクズだ。いつも酒臭くて、だいたいは無職で、そうじゃないときは道端に看板を持って立ってるところを見かける。ディランの奥歯が一本足りないのは、十一のときにクズ親父に折られたからだ。歯が頬の内側にささって穴があいたらしい。けれどもあのクソ親父は一度だってディランに謝ったことはないらしかった。一台しかない車も独占しているくせに、ディランの送り迎えなんか頭にも浮かばない。
 仕方がないので僕はディランの家まで迎えに行き、帰りは送ってやる。僕のママはそれを善行だという。善行。実にダサい。ママが好きそうなやつだ。レインボーだとかポリコレだとか、ママはそういうことばかり言っている。ダサい。赤い帽子をかぶって喜んでるディランのパパとママと同じくらいダサい。
 でも親の主義なんてここじゃ全然関係ない。うちのガレージにあるのはギーク主義だけで、他の主義は必要ない。スタートアップをするならガレージからに決まってる[14]し、ハッカーはガレージに集まるのがセオリーだ。僕たちはいまのところただのスクリプトキディ[15]でしかないけど、暗いガレージにラップトップを持ち込んでコードをながめていると、僕たちもいつかアノニマス[16]の一員になれるような気がする。
 コードは銃だ。プログラムは銃弾だ。引き金をひけば、世界は一瞬で死ぬ。からだが大きくなくても、頭がたいして良くなくても、お金がなくたって、僕たちは世界を人質に取ることができる。僕を横目で睨んで顔をしかめる女子も、授業中に紙くずを僕になげつけてくすくす笑ったり、ディランをボウリングの球みたいに投げたりするジョックスもそんなことはできやしない。もちろんディランの耳を掴んで振り回し、皮膚を水玉模様に破くディランのクソ親父だってそうだ。二十世紀のナードにはインターネットがなかったから、さえないクラスメイトを巻き添えに自分を銃で殺すしかなかった。でも二十一世紀のナードは違う。僕らはガレージで世界を殺せるし、死ななくていい。
 あれこれ議論をしたあと、ディランは言った。とりあえず身近なところから始めよう。ゲームだってチュートリアルが必要だろ。たしかに僕たちはなにも知らなかった。しかしバカではない。物事をうまくやるコツは、すごく限定されたところからはじめて、だんだん大きくすることだとギークも言っている。というわけで、僕たちはとりあえず学校の設備をハックすることにしたのだった。

ディランと喧嘩した日のことを思い出すと、いまだにちょっと涙が出そうになる。
 きっかけは、たまにはどこか行こうよって、私が車の中で言ったからだ。でもディランはやんわりと嫌がった。普段の私なら引き下がるんだけど、あの日は多分、どうかしてたんだと思う。別にどっかに行くのなんてたいしたことなくない? 知り合いに合うのが嫌なら、サンフランシスコまでいけばいいわけじゃん、そんでさ、H&Mでも行ってさ、今風の格好になってみるとかどう? 、みんなあれこれ言ってきたりしないって。
 でも、ディランはそっぽをむいて答えなかった。都合が悪い時、彼はだいたいそっぽを向く。それか返事をしない。
 ねぇ、とハンドルを指先で叩いて私はちょっと低い声を出した。なにがそんなにいやなの? 私と一緒にいるのを見られたくないわけ?
 ちがうよ、とようやくディランは答えたけど、私のほうは見なかった。週末はジェシーと約束してるんだ。リサも来たいなら別に、来ても、いいけど。
 私は思わずため息をついた。骸骨坊やはできればお断りしたい。っていうか、私はデートがしたいのに、どうして骸骨坊やがくっついてくるのかわからない。
 ジェシーも多分嫌がらないと思う、と私の気持ちに気づかず、ディランは続けた。ガレージに迷路を作ってるんだ。もうすこしでできそうだから――
 迷路。
 ばかじゃないの? なんで男の子ってこうなんだろう。
 それで、ついカッとなった。たぶん言い方が良くなかったんだろう。ディランも珍しく声を大きくして、迷路つくってなにが悪いんだよって言うからもっとカッとなった。言い合いの内容はよく覚えてないけど、最後に言ったことだけは覚えてる。一番言っちゃいけないことだった。
 あんたなんてただのナードじゃん、パパに殴られても抵抗できないくせに、そうやって馬鹿なことにばっかりして、一ミリも世界を変えられないままあんたは死んでいくんだ。
 息をすった彼は私をきっかり十秒睨みつけて、車を降りていった。ヘッドライトの向こうに待っていた闇に飲み込まれるまで、一度も振り返らなかった。
 その日から三日間、私は学校を休んだ。目が腫れて、外に出られなかったんだ。

僕たちは手始めに、掲示板を読んだ。隅から隅まで読んで、どうやらネットワークについて理解しないといけないようだとわかった。
 勉強は面倒だ。あまり好きじゃない。勉強をしなければならないと思った途端に背骨が砕けてしまう。思いはディランも同じで、彼は理屈なんてどうだっていいだろと文句をたれた。とりあえず学校のなんかをハックすればいいんだろ。学校のネットワークにつないでIPをスキャンすればいいんじゃないか? そんで、全部でログインをためす。やってるうちにわかってくるかも。掲示板によれば、学校の設備のようなところはセキュリティ対策がきちんとされていないことが多いらしいから、試すだけならなんとかなるかもしれない。
 翌日、僕は初めて授業をさぼった。空き教室を占拠して、ディランと二人でネットワークをスキャンしたのだ。教室は暗く、大きな窓から白いあかりがぼんやりと入ってくる。パパが買ってくれたぴかぴかのMac Book Proのリンゴマークがその光を反射して白く輝いている。明るいところにいるせいか、凄腕ハッカーというよりは、凄腕プログラマになった気分だ。廊下からは誰かの騒ぐ声が響いているけど、僕たちのところへはやってこない。でも声が聞こえるたびにディランはむっとした顔をして、紺色のパーカーの袖をぐいぐいと引っ張り、落ち着かなさそうにヒンジの歪んだ古いWindowsラップトップを開け閉めした。
 IPのリストを取得するのはそんなに難しくなかった。誰かのブログに書いてあったとおりにコマンドを打ち込むと、ポートとかいうやつの情報までとれてしまった。でもポートとやらはよくわからなかったので、ひとつずつTelnet[17]のログインを試すことにする。侵入できたらMiraiを改変したコードをぶちこめばいい。オーケイ、やってやろうじゃないか。
 これ、つながった、と試行錯誤の後、ついにディランが口をきいた。先を越されたのは悔しいが、良いニュースなのはまちがいない。でも、彼は浮かない顔でユーザ名とパスワードを求められたと顔をしかめた。とりあえずありそうなやつ入れてみたけどだめだった。しかもロックがかかりやがった。
 彼のPuTTY[18]には、「アクセス不能」でも「接続できない」でもないエラーメッセージが表示されている。
「ユーザ名もパスワードもなしってのはやってみた?」
「やってない」
「一応やってみよう」
 どうかなぁ、と珍しくディランは弱気なことを言った。ユーザ名も設定されてないなんてことあるのかな――
 僕は構わずターミナル[19]にコマンドを打ち込んだ。

Trying xx.xx.xx.xx...Connected to xx.xx.xx.xx.Escape character is '^]'.
[Password:  

あれ、とディランが僕のターミナルを覗き込んで声を出した。さっきとちがう。さっきはUsernameって表示されたのに。もしかして今ログインしてるユーザが使われてるのかな。
 Macだからかも、と僕は答えた。とりあえずこれは一回Returnで抜けて、次に出てくるやつで試せばいいんじゃないかな。
 僕はなにも入力せずにReturnキーを叩いた。思ったとおり、コマンドラインにUsernameと表示され、入力を求められている。息を吸い、Returnキーを一回、二回――

XXyy Rev.8.03.90 (Fri Jun 25 xx:xx:xx 20xx) 
Copyright (c) 1994-20xx XYZ Corporation. All Rights Reserved.
xx:xx:xx:xx:xx:xx, yy:yy:yy:yy:yy:yy, 
Memory 32Mbytes, 2LAN

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僕は手を引っ込め、ディランに視線を送った。
 よくわかんないけど、入れたみたい。[20]

 

僕たちが侵入に成功したのは学校のルーター[21]らしかった。なんだかよくわからないがとりあえず足がかりができたというわけである。突然のことに僕たちは戸惑ったが、とりあえずハイタッチをしてお互いをねぎらった。
 一旦足がかりができれば作業はずっと楽になる。とりあえずシステム情報を出力してメーカーや型番を調べればマニュアルをネット上に見つけることができるし、運が良ければハック方法も見つかる。ディランが興奮していろいろと言ってきたけど、僕はまずユーザを新しく追加して、Webブラウザから操作ができるようにした。
 監視カメラネットワークにはいれたのはそれから一週間後、僕の家のガレージで、だった。いろいろあって家から作業できるようにVPN[22]ってやつを立てたりしていたら、思ったよりも時間がかかってしまった。でも実際に操作しているとネットワークの勉強もさほど苦ではない。よくわからないこともたくさんあるけど、コマンドを叩いてみたり、疎通を確認してみたりすれば理解できることもあるからだ。
 監視カメラの設定を少しいじり、ブラウザから管理画面を出せるように変更すると、ようやく僕たちにも実感が湧いてきた。僕たちはスクリプトキディじゃない。ちゃんとしたハッカーだ。そんな実感だ。Miraiをぶちこむのは今すぐにだってできるけど、ちょっと遊んでみようとディランが言う。引き金は俺たちの手にある。世界を壊す前にあいつらにちょっと猶予をやってもいいじゃないか。
 「引き金は俺たちの手にある」! 最高にクールだ。
 カメラにはいろんなやつが映っている。やたら腕を絡ませて歩いているカップル、すれ違いざまにジョックスに頭を叩かれ目を丸くしているやつ、廊下で教師と長く話し込んでいるやつなんかもいる。でもそんなのは面白くない。おもしろいのは、人目につかない場所にあるやつだ。
 タバコを吸っているだけなら、まあ悪くない。酒を飲むのもハイスクールには必要な刺激だ。Webブラウザから操作してちょっとカメラを動かすと、彼らはわっと声をあげて一目散に逃げてしまう。ディランは手を叩いて歓声をあげた。最高だ、あいつらビビってるぞ! カメラに撃たれるとでも思ったのかよ。今からもっとやばいことやってやるからな、指くわえてそこで見てな!
 次に現れたのは機械室だった。暗くてひと気はなく、誰もいないようだ。しかしすぐに手をつないだカップルが入ってきたので、僕は思わず舌を打った。カップルなんて視界にも入れたくない。僕はモテないし、キモいし、ダサい。ディランでさえ彼女がいたことがあるのに、僕は女の子と手をつないだ経験すらない。カップルをみるとそんな現実が目の前に迫ってきて頭が爆発しそうになる。だからいやだった。
 しかしチャネルを変えるまえにディランが僕を止めた。
「こいつ、タイラーじゃないか」とニヤニヤしながら彼は言った。
 タイラー・クラークス。フットボール部の三年生だ。体が大きくて、金髪で青い目をして、いつも自信たっぷりににやけている。その自信満々な態度のせいか、それともフットボールのスター選手のせいか、女の子はすぐに彼にきゃあきゃあ言う。
 でも僕は彼が嫌いだった。僕が彼に少しでも触れると、文字通り吹き飛んでしまうからだ。それを見て、彼の取り巻きはゲラゲラと笑う。ディランをロッカーに押し込むような陰湿なことはしないけど、できれば遭遇したくない。確かに言われてみれば、映っているのは彼のようだ。
 そしてもうひとりは、知らない女の子だった。多分、一年生だ。ダークブラウンの長い髪の毛を片側で三つ編みにしていて人気の歌手みたいだけど、灰色のニットに膝丈のスカートというファッションは優等生っぽくて印象がちぐはぐしている。大きな黒縁のメガネもなんか変だ。タイラーが好きになるタイプの――チアリーダーをやるような女の子には見えない。
 食い入るように画面を眺めていたディランが、目を丸くしてキャシーだ、とつぶやいた。
「知り合い?」
「リサの妹だよ。一年の」
 ああ、と僕は思わず顔をしかめた。リサは、つまり、平たく言うと、ディランの元カノだ。ある日突然ディランをフッて、なのに平気な顔をしている。きっとディランに我慢ならなくなったのだろうと僕は思っていた。ディランは時々すごくキモいし、なによりいつもダサい。
「タイラーってさ、ガールフレンドいたよな、チアの」並びの悪い歯をみせてディランは言った。「なのにキャシーに言い寄ってんのかな」
「キャシーって子がビッチなんじゃないの」
「これ、YouTubeで公開したらどうなるかな。Live Leaksのほうがいいのかな――見ろよ」ケッと鼻を鳴らしてディランは声を高くした。「カメラ動かして脅かしてやろうぜ。音も出せたらいいのにな。バンバン! ってさ」
 どうでもいいよ、と僕は思わず口にした。人がキスしてるところなんて見たくないし、ましてや抱き合ってるところなんて最悪だ。しかもそれをディランの隣で見るなんて、この状況は地獄としか言いようがない。
 横目でモニタを睨む。キャシーはタイラーのたくましい胸の前に右手を置いている。タイラーは右腕をひろげている――なにか変だ。
 首を傾げ、腕を広げてタイラーは何かを喋っている。音声は入らない。タイラーの左腕はまだ彼女の腰に触れているが、彼女はまったく気にしていないように見えた。顔を上げて、真正面からタイラーを見ている。手は彼の胸の少し前において、体を引いている。
 拒否。
 これは、拒否だ。これ以上近づくなと――言っている?
 タイラーは右腕をひろげて彼女を懸命に説得しているらしかった。背中を少し丸め、時々右手上下させて口を動かしている。しかしキャシーは視線をそらさない。彼女の右手はまだタイラーの胸の前だ。
 はん、とディランは腕を組んでそっくり返った。いつのまにかニヤニヤと気持ちの悪い笑みを顔に貼り付けて笑っているらしかった。ざまあみろだ、と彼は言った。キャシーは頭固いから、今の彼女と別れてからねとか言われてんだろ。ざまあみろ。やっちまえ!
 僕はわからなかった。ディランはなにをやれといったのか? タイラーに一発キャシーを殴れと言っているのか? それともその逆か? ディランもリサと別れたときにそんなかいわをしたのか? 彼はどうしたんだろう、と僕は思った。彼のクソ親父がそうするようにリサを殴ったんだろうか。それでリサにふられた。もしそうだとしたら、彼もやはりクズだ。僕だったらそんなことはしない。
 いや、どうだろう、と僕は自問した。もしかするとイライラして彼女を詰るかもしれない。だってここまできたのに。二人っきりになって、キスまでして、なのに、どういうこと――
 モニタの中で不意に影が動いたので、僕は我に返った。ニタニタと笑っていたディランも目を丸くし、そして細めた。影は太い腕をふるい、華奢なキャシーをひっぱたいた――ように見えた。
 ノー。
 彼女の口は言っている。声は聞こえない。でも、ノーと言っているのはわかった。しかしタイラーは止まらなかった。タックルをするように彼女を床に引き倒し、押さえつける。彼女がむちゃくちゃに腕を振り回したので、彼は大きな手のひらでキャシーの頬を張った。音は聞こえないはずなのに、彼女の悲鳴が聞こえたような気がした。
 僕たちはふたりとも動けなかった。ディランにいたっては息まで止めているように見えた。モニタの中では黒い影が動いている。タイラーの顔は映っていないが、キャシーが泣き叫んでいるのはわかる。彼女はノーと言っている。ちょっと待ってでも、今はダメでもなく、「ノー」だった。完璧なる拒絶だった。影に押しつぶされながらも彼女は逃げようともがいている。
 僕は混乱した。警察に連絡をすべきではないか? 今、高校の、どこかの機械室で女の子が襲われています。襲っているのは三年生で、襲われている女の子は一年生です――それとも学校に連絡して機械室を見に行ってくださいと頼む?
 どちらを選択しても僕たちが監視カメラをクラックしたことはバレる。クラックはどれくらいの罪になるのか、僕にはわからなかった。あるいは今すぐ僕たちが機械室に飛び込んでタイラーの頭に本物の銃弾を撃ち込むか?
 でも、と僕の頭は否定した。それじゃ間に合わない。今から学校にかけつけてもきっとタイラーは逃げたあとだろう。もし仮に間に合ったとしても、彼に殴られたら僕は吹き飛んでしまう。ディランだって放り投げられておしまいだ。それに、僕たちには銃がない。世界を壊す銃はあるのに、キャシーを救う銃を僕は持っていない。心臓がすごく痛い。体中から汗が吹き出して、腹から下がドロドロとしたモンスターに飲み込まれてしまったような錯覚をする。動けない。どうしたらいいかわからない。指が痙攣してトラックパッドを叩いた。その偶然が、一番近くにあったボタンを押した。
 タイラーがこっちを見る。レンズ越しに目が合った錯覚をする。そんなはずは絶対にないのに、僕を睨みつけ、殺しに来るような錯覚をした。僕は悲鳴をあげ、ばたんと音を立ててラップトップを閉じた。

ディランが来たとき、てっきりキャシーが帰ってきたのかと思った。扉をあけたママは、ああ、と気落ちした声を出してリサはいないのよ。ごめんなさいねと言った。それでディランが来たとわかった。また寄ってちょうだい。あの子も喜ぶわ。すこし冷たい声だった。
 ママの言うことは全部嘘。私はリビングにいてソファの影にいた。ママは嘘ばっかりいって、子供をコントロールしようとする。でも、ママの嘘は悪い嘘じゃないんだって。身を守るための嘘だとか、子供の健全な成長のための嘘なんだって。
 大人は自分に都合がいいように、すぐに事実を捻じ曲げる。ほんとはディランのことが気に食わないだけなのに。彼の家があまりちゃんとしていないとか、お金持ちじゃないとか、彼がしょっちゅう怪我をしているとか、いろいろと理由はある。でも一つだけ確かなのは、とにかく気に食わないってこと。だから私と付き合ってほしくない。
 ディランは落ち着いた声で、表にリサの車があったから、と言いわけをした。ディランはそういう子だ。観察眼があって、絶対にごまかせない。付き合ってたときはそういうところが面白くて好きだった。別れてからも、やっぱり、嫌いじゃない。
 だから、私はママを押しのけて外に出た。
 冬の始まりが感じられる寒い日だった。日は落ち、ベイの方角が真っ赤に染まっている。最近は不機嫌な天気も多いのに、嘘みたいにおだやかで美しい夕暮れだ。ディランはポーチに所在なさげにたって、肩で息をついている。彼の頭の上で白樺の葉がさらさらと音を立てていた。私はなにか用? とできるだけ冷たく言った。
 ディランの様子はあきらかにおかしかった。息切れしているし、こんなに寒いのにだらだらと汗を流している。
 誓ってもいいけどディランは自分から運動をするタイプじゃない。彼がよくつるんでるジェシーっていう骸骨坊やに比べたらマシだけど、とにかく椅子にはりついちゃったみたいに動かない。
 私達がまだ付き合っていた頃、なんで骸骨坊やなんかとつるんでいるのかと聞いたことがあった。あの子ってちょっと変わってるよね。ずっと人の顔を見てるし、急にニヤニヤするし、やけに距離が近いし、それに骸骨みたい。ディランはちょっと怒った顔になってジェシーは悪いやつじゃないよ、と反論した。
 すごくいいやつだよ。それに俺の話を聞いても茶化したりしないし、親父をやっつけろとか、できないのは弱いからだとか言ってきたりもしないし。ちゃんと聞いてないだけかもしれないけど、俺はそれでいいんだよ。だって親父はどうにかできるやつじゃない。どうしようもないことって、いっぱいあるだろ。
 要するに似た者同士の臆病者ってわけ。
「キャシーが……」息と一緒に切れ切れに声を吐き出してディランはぎょろりと目だけを動かした。
 薄闇の中に今年最後のバラの匂いが漂っている。ママが毎日手入れをするバラは毎年十一月近くまで花をつける。バラが全部枯れて雨が増えたら、冬が来たねって話をするのがうちの恒例だ。その庭にいるディランはあきらかな異分子だった。私はいらいらしてポケットに手をつっこみ、スマートフォンを引っ張り出そうとした。キャシーに連絡をしようと思ったのだ。その時、ディランはようやく口を開いた。
「タイラーって知ってる? フットボール部の。あいつがキャシーを――」

夕食のことは覚えていない。ママがなにか言っていた気がするけれど、それも覚えていない。
 電気を消して、僕はベッドにまっすぐによこたわり、胸の上で手を組んだ。そうしていると棺桶の中に戻ったみたいでこころが落ち着く。部屋は暗く、ママが毎日整えるベッドは少し硬くて冷たい。いつもとかわらない夜だ。今日一日、僕にはなにもなかった。ノートは盗まれなかったし、壁に向かって突き飛ばされたりもしなかった。先生には無視をされ、クラスメイトは僕を空気のように扱っている。学校にいるとき、僕は壁になる。誰も僕の存在を気にしないし、ちょっとくらい乱暴を働いてもいいだろうと思ってる。
 なにもない一日だった。いつもと――
 暗闇が胸を押しつぶしている。ぐいぐいと押して、僕の息の根を止めようとしている。
 こんな時だというのに、僕が繰り返し思い出すのはディランの頬に点々とうかぶ傷のことだった。僕のママにどうしたのとたずねられた時は少し引っかいただけと答えたくせに、僕にはクソ親父にやられたと話したディランの顔を、僕はどうしても思い出せない。耳を掴んで振り回されると皮が破れるんだぜと話す声は笑っていたような気がするのに、彼の表情を思い出せない。
 あの時、僕はなにも言わなかった。なにを言うべきかわからなかった。僕はクソで、ダサくて、おまけに壁だ。たった一人の友だちのことも思いやれないクズだった。ディランは僕を壁みたいに扱わなかったのに、僕は自分から壁になった。
 僕が粗雑に扱われるのは、僕がキモいといわれるのは、僕に彼女ができないのは、全部僕のせいだ。僕がクズだからだ。今だって勝手に壁になって、なにもなかったと思い込もうとしている。キャシーは泣いていたのに、ノーと言ったのに、僕は助けなかった。なにもしなかった。ただ怯えて、ベッドの中にいる。
 息を吸い、起き上がる。こんな気持ちで眠れるわけがなかった。階下からは音がする。多分、ママはドラマを見ている。ママの見るドラマはダサい。ダサい上に、この俳優さんのおでこはジェシーそっくりだわ、とか言う。額なんて誰でも同じなのに意味がわからない。ディランと僕が見ていたThe Silicon Valley[23]のことはなにが面白いんだか、と呆れていたし、とにかくクールのことはわかってないんだ。ママはダサい。なにもわかってない。ママの言っていることはちっとも僕を救わない。けれども僕が頼れるのはママだけだった。僕を無視しないのも、犯罪を告白したとしても許してくれるのは、たぶんママだけだった。
 ラップトップを抱え、階段を駆け下りる。リビングから光が溢れている。人の声がする。早口でなにかを言っている。白々しいBGMが気分を盛り上げる。でもそんなのはテレビの中だけだ。現実の僕には僕の背を押すBGMはない。僕の気分を示すBGMはない。ただ重苦しい現実があるだけだ。逃げてしまいたい現実があるだけだ。
 僕は光の中へ帰らなければならなかった。なにも難しくない、こう、切り出すだけだ。
 ママ、ちょっと相談があるんだけど聞いてくれる? 今日学校で――

もし、ディランがブランケットを持っていたほうがいいと言わなかったら。もし、ディランがパパに連絡をしたかと聞かなかったら。もし、ディランが監視カメラのクラッキングをしていなかったら。もし、ディランが世界を壊そうと考えなかったら。もし私たちが喧嘩をしなかったら、私が図書室でディランに声をかけなかったとしたら。
 どうなっていたんだろう。
 車の中でディランからいろんなことを聞いて、いろんなことを考えた。キャシーを車に乗せて家に戻ると、パパとママがポーチで待ってて、私たちを迎えた。家についたらもう安全だ。安心するとどっと疲れが出る。
 はずだった。
 ありがとうとパパがディランに急に手を差し出さなければ、それでおわりのはずだったんだ。ディランは怯えた顔になって後ずさりした。うちのパパったらすぐに握手したがるんだよ、そのあとはハグ。マジで変だよね。私がそう言わなければ、彼はその場で踵を返して帰ってしまっただろう。
 ディランはすぐに去勢をはるけど、本当はいろんなことが怖いんだ。いじめっ子はそういうところを見抜くのがすごくうまくて、だからディランにちょっかいをかける。彼はぎくしゃくとした仕草でパパの手を握り返し、でもハグはしなかった。
 私たちはへとへとで、休息が必要だった。両親がキャシーを病院につれていくというので、私とディランはキッチンへいった軽い食事をとることにした。キッチンは明るくて、赤いテールライトを照射される車の中とはまったく別世界みたいだ。ママがピカピカに磨き上げた琺瑯のシンク、きれいに片付いた作業台、銀色の大きな冷蔵庫、壁にはめ込まれた電子レンジとオーブン。いつもみている台所なのに、舞台のセットみたいに見える。
 なにか飲み物がほしい、と私は思った。食事を摂る気分ではなかったが、頭の芯がしびれ、空腹感があった。
 ディランはますます青い顔になっている。疲れ果てた表情でキッチンカウンターによりかかり、ぼんやりとしていた。私がオレンジジュースでいいかとか、冷蔵庫にいちじくがあったから食べよう、それとも桃がいいかな。ヨーグルトとチーズもあると話しかけても、なにも答えない。カウンターの一部になってしまったみたいだった。そういえば前にうちにきたときも、彼は終始ぼんやりとしていたから、もしかするとキッチンにすごく嫌な思い出があるのかもしれない。ディランにはいろいろトラウマがあって、本人は大丈夫と言ってても気をつけてあげないといけない。付き合ってるときはそういうところが少し面倒だった。
 キャシーがバカだったんだ、といちじくのヘタをナイフで落として私は言った。声をかけられて、浮かれて。機械室に誰も来ないことくらいわかるのに、なんでついていっちゃうかな。一番悪いのはタイラーだけど、キャシーもバカだよ。ごめんね、嫌なことに巻き込んで。でもありがとう。私一人じゃパニクってどうしたらいいかわかんなかったと思う。ほんとに感謝してる。骸骨坊やからは連絡あった? 警察に通報するか、映像を渡してくれればありがたいんだけど、どこかに売るとかはやめてほしいよね。彼、どっちのタイプ?
 ぬるりと視線を持ち上げてディランは私を見つめた。白目は充血して、ブルーグレーの虹彩にキッチンライトが四つ映り込んでいる。電源が入ったばかりのロボットみたいな動きだ、と私は思った。彼が倒れる前に言ったほうがいい。ディラン、あんたなんかやばいよ。座れば?
 でも、私が声を掛ける前に彼は口を開いて、まばたきをした。
 は。
 ディランの声は落ち着いている。興奮しているとき、彼はすごく早口になる。しかも声が甲高くなってきいきいと耳に触るのだ。そういうところが人に嫌われる原因なのに、彼はそれに気づいていなかった。別に誰に危害を加えるわけではないから治す必要はないけど、でも普通っぽくない。だから嫌われる。ハイスクールっていうのはそういう世界で、その世界のものさしに合わせられなければ、私達は正しい階層からはじき出されてしまう。
 今、ディランの声は落ち着いている。それだけで彼はまともな人間のように思われた。
 あいつらは、暴力をふるいたくて隙を探すんだ。それでお前が悪いんだっていいながら殴る。理由なんてなんでもいいし、いっそ理由なんかなくたっていいんだよ。とにかく殴るためならなんでもするんだ。逃げたって戦ったって、関係ないんだ。キャシーはバカじゃないよ。ちゃんとノーって言った。なのに、あいつは殴ったんだ。ちゃんと言ったのに。あいつらは。
 息を吸い込んで彼はもう一度あいつらは、と言った。
 いつも、そうだ。いつも――
 私は答えられなかった。ディランが怒っているのはわかった。今まで見たことのないくらい怒っていて、同じくらい深く悲しんでいることがわかっただけだった。
 口をつぐんでディランはかっきり三回まばたきをした。彼の目には嘘みたいに大きな涙がたまっている。短く息を吸って、そこで彼は前にも先にも進めなくなってしまったみたいだった。ぼたぼたと冗談みたいな音をたてて、床に彼の涙が落ちた。
 いちじくが白い果汁が指を濡らしている。でもそれを拭っている暇はなかった。私はディランの手を握った。そうしなければならないような気がした。記憶の中にあるより彼の手は骨ばって大きい。一年生のときは私よりも小さかったくせに、彼の背はいつの間にか伸びて私より大きくなっていた。今は私の口元が彼の鎖骨にちょうどぶつかるくらいで、見た目の割に体は厚みがある。ゴツゴツとした肩甲骨が手のひらに触れる。彼はいつの間にか大人に近づいている。多分私だってそうだ。でもそれに全然気づかなかった。
 あいつら、と彼はまた震える声で言った。でもそれ以上は続けられなかった。ひくりと喉の奥を鳴らして彼は黙り込んでしまった。体がぶるぶると冗談みたいに震えている。
 ごめんね、と私は言った。ディランは悪くないよ。キャシーもバカじゃなかった。ごめん、ごめんね。ディランは殴らないもんね。どんなに怒ったって殴ったりしないよね、そうだよね、だってディランは強いもん。ごめんね。

警察の聴取はおどろくほどあっさりと終わったが、学校から言い渡された処罰は思いのほか厳しかった。
 ひと月の停学。
 Miraiをばらまいたわけじゃないし、学校に損失を与えたわけでもないから、カリフォルニア州の法律では無罪なのだそうだ。たまたま犯罪行為を目撃し、それを警察に通報しただけってことらしい。
 ラップトップの中にMiraiのソースコードがあったので僕はすこしだけ怒られた。もし映像を公開してたら、罰金じゃすまなかったとも脅された。でも通報したことと映像を提供したことは褒められた。
 聴取したのは腕が僕のウエストくらいある警官だったが、彼は椅子にそっくり返って僕に笑いかけた。妙に親しげな顔だった。学校じゃきっとジョックスだったに違いないのに、彼は僕に笑いかけたのだった。それがなんだかすごく奇妙な感じがして、僕は応対するにふさわしい態度を取れなかったと思う。
 ひとりでやるなんてすごいじゃないか、と彼は言った。君がホワイトハッカーってやつなんだな。悪と戦うヒーローだ。もっと胸を張るべきだよ。ママだってきっと君のことを誇りに思ってる。僕はなんと答えていいのかよくわからなかった。
 一方で学校は僕を邪悪な存在だと認定した。たしかにそうだったかもしれない。本当はディランの功績なのに僕が全部横取りしたんだから、その点については責められても仕方がないはずだ。停学は一方的な電話で知らされたが、僕は反論せず学校の決定を受け入れた。
 停学中は思っていたよりも忙しかった。料理をしたり、庭にソファを引っ張り出してひだまりで本を読んだり、プログラミングを学んだりしているうちに一ヶ月間が経ち、僕はそれをむしろ残念に思った。美しい秋の終わりに木々が少しずつ色を変えるのをずっと眺めていられるなんて、すごく贅沢だと思う。
 ママも、ジェシーったら最近落ち着いてるわね。転校する? それともホームスクールに切り替える? って言ってた。ディランのことがあるので断ったけど、学校に行かない選択肢も悪くないような気がする。
 運動もちょっと始めた。カウンセリングで体を動かしたほうがいいといわれたし、僕を聴取した警官も同じことを言ったからだ。
 はじめは近所の散歩だけで吐きそうなくらい気持ち悪くなった。それで、しばらくはベイエリアのあちこちにあるトレイルを歩いたり、ちょっとジョギングをしたりする練習をした。最初のうちは一分走ったら死にそうだったけど、一ヶ月続けるうちに五分くらいは走れるようになった。
 ママとミッションピーク[24]にも登ったし、リトルヨセミテ[25]にも行った。来年の夏は本物のヨセミテに行って滝でも見てこようかなと言ったら、ママはすごく喜んでいた。不思議だ。僕の中身は全然変わってないのに、ちょっと運動をしたり、でかけたりするだけでママは大喜びだ。それもなんだか変な感じがする。
 ふしぎなことにディランとは全然連絡を取らなかった。ディランも僕のことは忘れてしまったみたいで、訪ねてもこない。もしかしたら彼は僕のイマジナリーフレンドで、最初から存在していなかったのかも。一ヶ月すぎるころには僕はそんなふうに思うようになった。
 気温がぐんと下がって庭のプラタナスがはらはらと黄色い葉を散らしはじめた日、僕の停学はついに終わった。
 学校へ行かなければならなかった。

 

前日はそわそわとしておちつかなかったけど、久しぶりに足を踏み入れた学校は全然変わっていなくて、あっというまに美しい秋の情景は遠くなってしまった。
 薄暗くて汚くて、そのくせ白くて、そしてやたらと広い学校。天井が高いせいでざわざわとうるさくて、そのせいで以前はわけもなく不安になったんだなと僕は落ち着いて思った。一ヶ月の休養からもどってきた僕の前には、透明な壁ができてしまったみたいだ。クラスメイトは誰も近寄ってこない。明らかに僕を避けている。でもそれもなぜだか特に気にならなかった。ディランだけが、よう、といつもの挨拶をして僕の肩を小突いた。
 ごめん、全然連絡しなくて、と明るい声で彼は言った。インターネットから隔離されてるって聞いてたから、あとアルバイトが忙しかったんだ、と彼は言い訳した。僕はなんだか不思議な気がした。ディランがそんなふうに僕に言い訳するのははじめてな気がしたのだ。
 それから――それからはいつもどおりだった。ディランとはいろいろと話しをした。最近のゲームのこととか、ディランが車を買おうと思ってるんだけどどれにするか悩んでるってことだとか、来年の夏にヨセミテに行くつもりだとか、一緒に行こうとか、リサも一緒でいいかとか、キャンプをしようとか、そういえばサンクスギビングデイはスーパーのかぼちゃをうっかりひっくり返してしまったので逃げただとか、今日のカフェテリアのスープはゲロみたいな味がするとか、そういうくだらない話だ。なのに僕とディランはいちいちゲラゲラ笑った。学校で声を出して笑うなんて久しぶりだったし、不思議と誰も僕たちを小突いたりはしなかった。途中でリサが通りかかって、あんたたちバカじゃないの、と呆れていたけど、彼女も僕にキモいと言ったりはしなかった。
 放課後だけは少し様子が違って、ディランは少しバツが悪そうにリサに送ってもらうから、と言った。そして、それから、人さし指を僕に突きつけて話のつづきはSkypeでな、と笑った。また一緒に世界をぶっつぶそうぜ。今度は俺が停学になってやる。みてろよ。
 僕は笑った。そして彼の眉間に人差し指を突きつけた。

 

¶脚注

[1] コンピュータサイエンスの知識に秀でた人のこと
[2] カリフォルニアのベイエリア東側にある市。ヘイワードを含めたイーストベイは歴史的にアジア人が多く住んでいるが、シリコンバレー(サンフランシスコおよびサウスベイ)の地価高騰によってベッドタウンとしての価値が高まり、人口が増加している。北側にあるオークランドは全米屈指の犯罪都市であるが、シリコンバレーへの通勤圏ということもあり、治安の悪い地域(湾岸)と治安の良い地域(山の上)が混在している。山の上は高級住宅街である。
[3] カリフォルニアのベイエリア西側にある市。サンフランシスコの南側に位置する。FacebookなどのIT企業があることで有名。
[4] Dynはネットワークパフォーマンス・マネジメントサービスやDNSサービス(URLをIPアドレスに変換するサービス)を提供するアメリカのIT企業であるが、2016年10月21日に超大規模なDDoS攻撃(分散型サービス妨害攻撃)を受けた。このDDoS攻撃はMiraiというマルウェアに感染した約50万台のIoT機器のうち10万台が使用されたものと見られており、1.2TbpsのトラフィックがDNSサービスに送られたとみられている。この攻撃により、米国および欧州の一部地域のネットワークサービスに接続ができなくなった。
[5] 140文字以内でツイートと呼ばれる投稿をするマイクロブログ。常に経営がやばい。
[6] 電子メールアカウントを使ったオンライン決済サービス。オンライン決済がはじまったばかりの頃は、カードや口座の情報を直接入力するのに抵抗があった人々に重宝された。
[7] 動画配信サービス。創業時はただのDVDレンタル屋だったが、はやくからストリーミング配信サービスへ移行し、さらにオリジナル作品を制作するようになったためシェアを伸ばした。
[8] 地で様々な住居の問題を引き起こしているシェアルーム(というよりはカウチサーフィング)サービス。
[9] 諸々の定義はあるが、インターネットに繋がったデバイスのうちPCとモバイル以外のものをIoT機器ということが多い。スマート家電など。
[10] 害を与える目的で作成されたソフトウェア。malicious(悪意)のソフトウェアという意味の造語。コンピュータ・ウィルスはマルウェアの一種であるが、その他にデバイスをBot化したり、ハードディスクの中身をすべて消したり、情報を外部に転送したりするなど、攻撃手法によっていろいろと種類がある。
[11] 2016年のDynに対するDDoS攻撃の際に使用されたマルウェア。日本語のような名前だが、日本人は関わっていない。GitHubに現在も公開されている。よくあるパスワードを自動で試行して、セキュリティの脆弱なIoT機器にログインし、次々に感染するのが特徴。作者はDDoS保護サービス会社のファウンダーで、自社サービス拡販や敵対するセキュリティ企業への攻撃が目的であったとされる。
[12] ソースコードやテキストファイルの変更を管理するための分散型バージョン管理システムGitのホスティング(サービス提供者がデータを預かって必要な機能を提供する)サービス。Gitのホスティングサービスとしては最大で、2018年のユーザ数は3100万人。
[13] アメリカ国防総省
[14] テックカンパニーの多くがガレージから事業をスタートさせたことを念頭においたことば。
[15] 技術のないハッカーの蔑称。
[16] インターネット上のハッカーネットワーク。インターネットを制限する動きに対してサイバー攻撃を行うことで有名だったが、最近はそれ以外の場合でもサイバー攻撃を行うことがある。
[17] 二台のPC間の通信方法のこと。全データ(パスワード含む)が暗号化されないため、セキュリティ的に大変問題があり、近年は使用が推奨されていない。
[18] TelnetなどのPC間通信をおこなうためのメジャーなクライアント。LinuxとMacは標準でTelnetクライアント機能が有効化されているが、Windowsでは無効化されているため、WindowsユーザはPuTTYのような通信クライアントを使用する者が多い。
[19] MacOSに標準でインストールされているUNIX端末エミュレータ。いわゆるコマンドラインインタフェイスである。独自コマンドもあるが、基本的にはbashをキックしている。
[20] MacOSからの接続にかぎり、ユーザ名なし、パスワードなしで認証を通してしまうバグがひそんだルーターは現実に存在する。該当製品はすでに生産が終了しているが、小規模オフィス用のルーターはサポート終了後も継続して使用される場合があるため、ネットワークに接続しているユーザをきちんと管理することが大事である。また広域ネットワークの出入り口になるルーターはセキュアな新しいルーターに交換し、適宜アップデートをすることが推奨される。
[21] ネットワークの中継を行うための通信機器。ネットワーク層レベルでルーティングする機能を持つ。技術の進展によってL3スイッチとの棲み分けが行われ、現在はエンドユーザーが使いやすいように様々な機能を実装し、セキュリティを強固にしたルーターが販売されている。
[22] 離れた拠点間のPCの通信を暗号化し、あたかもプライベートなネットワークに接続しているようにするための技術。通信を傍受できないので安全である。ただし中国のような検閲を行う国ではVPNサーバーへの接続を制限したり、遮断したりしている。
[23] シリコンバレーのスタートアップ企業の奮闘を描いたアメリカのコメディ・ドラマ。
[24] イーストベイエリアにある山。標高768メートル。
[25] ミッションピーク広域保護区の東側にあるスノール広域原野の愛称。河や崖、キャンプ場などがあるが、ヨセミテとは似ても似つかない。

文字数:22556

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