梗 概
さすせそ
宇宙に銀色の鯵の群れが輪を描いてひたすら泳いでいる場面からはじまり、海の底が宇宙に繋がっている世界の話。男は以前、海の底に一緒に住んでいた彼女が作ってくれた鯵の南蛮漬けを思い出しながら、宇宙基地でひとり釣りをしては食べ続ける。男の仕事は、地球政府と銀河海賊と太陽銀行と宇宙幽霊船の4重スパイで、すなわちそれは権力と自由と富と生死をめぐる駆け引きのスペクタクルドラマだった。男はそのどれに対しても密接であると同時に四面楚歌であって、心の孤独を救ってくれるのが、思い出の鯵の南蛮漬けだったが、毎日思い出の味に似ている様で同じではない、曖昧な鯵の南蛮漬けを食べてばっかりいるものだから、飽きてしまって段々記憶がなくなっていく。
文字数:310
内容に関するアピール
3はキリスト教で良い数字、三位一体、三種の神器としてモチーフにされ、一般的に物語の美意識的にも相応しいとされている気がするけれど、私が物語を実際に作る上で、意識したい数字は4でした。数字上では2×2で割り切れたり、物語上では起承転結然り、言葉上では4は死、詩、視、紙、史、子など物語のモチーフになりそうな意味を持つ漢字に変換出来たり、あらゆる側面で、都合が良かったり悪かったりします。今回4回目の課題の題が、拘束下=4バリだったので、4をモチーフに物語を書く事をテーマに4たいと思います。
ペレックや筒井康隆などを参考にしながら、文字使用の制限のある文章で物語を書いてみたいと思います。
しがない主人公が死なないけれど、詩的な私小説を「し」という字にこだわって(しを使わない、1文にしを4つ入れるなど)書きたいとおもいます。
文字数:360