梗 概
interesting_story.nako3
コンピュータが「面白い」と言う小説を書け。
そんなお題の小説コンテストが開催された。
機械が小説を審査する。それは今どき珍しくない。小説コンテストの一次審査の多くが、機械によって行われるようになっていた。機械は物語を作れない。しかし、評価はできるのだ。といって、ふつう最終審査は人間が行う。今回は、最後まで機械が行う点で新しいといえる。
わたしはこのコンテストを知って、またとないチャンスだと思った。これまで何度も賞を逃してきた。しかし、それは人間の選考による落選ばかりであって、機械の評価に落ちたわけじゃない。
機械に「面白い」といわせる絶対の自信がある。わたしは作品を書き上げ、満を持して提出した。
それがこの小説だ。
●(AがBとCを)書くとは
Bを表示
←
●(AのBが)開催とは
←
●(AがBを)審査とは
←
●(AのBのCがDに)よとは
←
●(Aに)なとは
←
●いたとは
←
●しかしとは
←
●(Aを)作るとは
←
●(Aの)だとは
←
●といとは
←
●(Aが)行うとは
←
●(AまでBがCでDと)いえるとは
←
●(AのBを)知るとは
←
●(AとBと)思うとは
←
●(AまでBを)逃すとは
←
●きたとは
←
●(AのBにCで)あとは
←
●(AのBに)落とは
←
●(BにAとCのDが)あるとは
←
●(Aを)書き上げとは
←
●(Aを)持すとは
←
●提出とは
←
●(AがBの)小説とは
←
文字数:568
内容に関するアピール
私の決めたルールは、作中にも書いたように、梗概を評価して「コンピュータが『面白い』と言う」ことです。
この梗概は、プログラミング言語「なでしこ3」で書かれています。なでしこ3簡易エディタ (v3.0.48) に梗概をコピペして実行すれば、「面白い」と出力されるはずです。梗概末尾の ●
や ←
はなでしこ3のキーワードで、関数を定義しています。
「面白い」という文字列を出力するプログラムを書くのは、とても簡単です。しかし、ここで書かねばならないのは、コンピュータ・プログラムではなく、日本語によるSFの物語です。それは、当たり前の前提でありながら、非常に厳しい制約でもあります。私が自分に課したルールは、機械がそれを満たしていることを保証してくれます。しかし、この前提部分が成立しているかは、個々の読者の判断に委ねるほかありません。この梗概を日本語で書かれたSFの物語だと感じていただけたなら幸いです。
文字数:394