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「拘束下で書きなさい」

  • 伊藤靖
  • 大森望
  • 課題提示、梗概審査:円城塔
  • 梗概審査:伊藤靖(河出書房新社)
  • 実作審査:法月綸太郎
  • 実作審査:都丸尚史(講談社)
  • 梗概審査、実作審査:大森望

梗概提出締切| 2018年9月13日(木)

梗概講評会| 2018年9月20日(木)

実作提出締切| 2018年10月11日(木)

実作講評会| 2018年10月18日(木)

 頭で考えたことをそのまま書くことはまずできません。
 手に書かされる、ということもよく起こります。
 文章は単線的なものですし、書いていくうちに考えが変わっていくこともよく起こります。
 今回は、あらかじめ「自分が従うルール」を決めて書いてみて下さい。ルールを決めることによって、書けるようになること、書けなくなることがあると実感できれば、創作の幅は広がるでしょう。
 ルールは、どんなものでも構いません。「ひらがなだけで書く」「カタカナを使わない」「読点を使用しない」「約物を利用しない」「改行しない」といった、文字に関するものでも構いませんし、「書簡体で書く」「手記のように書く」「話しかけるように書く」「擬古文で書く」「方言で書く」「自作言語で書く」といった文体に関するものでも構いませんし「人称代名詞を用いない」「現在形だけで書く」「五七調で書く」「従属節を利用しない」といったものでも構いません。「一行の文字数がフィボナッチ数列のように増えていく」とか「文頭の文字を拾っていくと、別の文章になる」であるとか「10文字×10文字の格子をいくつも埋める」、「使える文字の種類が一つずつ減っていく」でも、「風景描写しかせずに人物はでてこない」等、とにかくなんでも構わないので、自分が従わなければならない拘束を決めてから書いてみて下さい。文章に対してだけではなく、「48時間眠らずにいたあとに書く」「逆立ちして書く」「水中で書く」「一度も原稿を見ないで書く」「後ろ手に縛られたまま書く」など、書き手自身に課せられる拘束も可とします。
 拘束と内容の間に、結びつきがあった方が考えやすいはずですが、当然想像される結びつきをあえて断ち切るという手もあります。

 梗概には、自分の決めたルールも併記して下さい。
(円城塔)

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