「無電柱化の推進」に思う

作品プラン

「無電柱化の推進」に思う

今回は、身近な街吉祥寺駅周辺の街を描こうと思う。北口側すぐの一角はすでに無電柱化が進んでいるが、バス通り一本隔てた商店街には変わらない電線の絡まる光景がある。

数年前ホーチミンで、黒いドラゴンのように電柱に巻きついている電線の塊を見た。市街のあちこちで息づくそれは、日々膨れ上がる街の活気を具現化したモニュメントのようだった。その旅以来、私には電柱や電線を偏愛する妙なスイッチが組み込まれてしまったようだ。あの細い線の中を様々な人の営みが血液のように駆け巡っていると思うと胸が高鳴る。

だが、日本では今「無電柱化」が推進されており、私の愛する電線・電柱観察の機会は徐々に失われていく方向にある。最近の出来事を思っても、安全・防災の面で地上の電線・電柱のあり方を見直す時期が来ていることに既に異論を唱える人はいないだろう。むやみに残せとは言わない。日本のドラゴンは地下へ潜る。それが抗えない時代の流れなのだとしたら、わざわざ電線・電柱に「景観阻害」などとレッテルを貼ったりせず、せめて消えゆくその景観を惜しむ方向で見守って行くことはできないだろうか。

 

 

17よひえ・よひえ「無電柱化の推進」に思う

文字数:474

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