完成稿
妖術師ヒカル
完成稿に関するアピール
気合によって完成させました。
作品は、全てミリペンで描きました。
大変だったのは、枠線を引くことです。
多くの吹き出しを横長にして、一行に表現されるセリフの量を短くしました。
コマ割りの表現を工夫しました。
その他、細かく修正を加えています。
文字数:116
ネーム
妖術師ヒカル
ネームに関するアピール
■はじめに
まず、ペン入れなどの事を考えると、そんなにいっぱいページ数を増やしたくないのですが、やりたい事が色々あったので、結果的に、14ページも描いてしまいました。
作中には提示してあるのですが、念のために、一応書いておくと、主人公の相棒の名前は「六郎(ろくろう)」で、愛称は「ロック」となっています。
そして、師匠の名前は「デンリュウ」となっています。
■課題文の理解
今回のテーマは、「自分の今一番描きたいもの」ですが、そのテーマ名では、いまいちピンとこなかったので、課題文にもお勧めされていた動きとして、過去の、第4期の課題文も読んでみました。
第4期の課題のテーマは、「「あなたのど真ん中」を、「伝わる」ように16ページで!」という事で、それと合わせて考えていました。
今回の課題文には、「仮に、描きたいのが大長編であった場合であっても、今回の作品は、とりあえず16ページ以下の短編作品として体裁を整えること。そして、その場合は、導入、ヤマ(クライマックス)、オチ、を設けることが大事。」
そして、「これは、描きたいものが「大長編」でない人でも必要なことだ。」と書かれていました。
そのため自分は、「そうか、今回の課題は、導入、ヤマ(クライマックス)、オチが必要なのか。」と思いながら描いていました。
課題文にあった、「自分の目指したい作風」というのも、いまいちよく分からないので、とりあえず自分が描けそうなものをリストアップしつつ、前回の講評においては、自身の、絵の可愛さについて言及されたため、それを活かせるような作品にすればいいのかな、と考えていました。
そして、この作品は、ある制作コースの人に、「今後、もう少し、考えていない、肩の力が抜けたような、気の抜けたような作品を、個人的に見てみたい。」的な事を言われた事も、影響を与えています。
「自分が頑張らずに描けるもの」とは、自分が描いてきたモノという、経験の総体が影響すると思ったため、自分の「ど真ん中」に近いのではないか?という考えを、ぼんやりと思っていました。
(しかし、結果としては、かなり考えて作っている気がします。)
加えて、何かしら作品の中の、最初の時点と、最後の時点で、変化が起きる作品にする、という事も考えていました。
そこで、テンプレ的な作品を目指す事を考えました。
上手くテンプレを完遂する事が出来れば、提出課題としては、いい感じになるのではないか、という考えです。
加えて、テンプレという概念も、人によって理解が認識が異なる、曖昧なモノで、個別性があると思ったので、「自分が思うテンプレ」を引っ張ってくれば、それはそれで、自分の色が出てくるだろう、という考えもありました。
頭に浮かべたのは、主人公と相棒がいて、仲違(なかたが)いをして、その後に和解する、というシナリオです。
「主人公と相棒」という点で、漫画作品の『うしおととら』、「仲違(なかたが)いをして、和解する」という点で、漫画作品の『NARUTO―ナルト―』の第1話を思い浮かべました。
(なお、『NARUTO―ナルト―』は、絵がとても上手くて、脚本も綺麗で面白いので、自分としては、かなり好きな作品です。)
【自分が頑張らずに描けるもの】、【「導入、ヤマ(クライマックス)、オチ」があるような、「自分の思うテンプレ」】、これが、課題文にもある、「自分の名刺代わりとなる作品」になるのではないか、と思って制作をしていました。
■ネームで意識したこと
最初に、テンプレとしての雑ネームを作って、そこに肉付けをしていく、という形で制作をしていきました。
読んでいてスムーズにするために、最初から、一つのコマに、多くの情報を表現せず、順番に少しずつ公開していく、という構造にしました。
3コマ目で、コマに表現される情報が一気に増えますが、まあ、ギリギリセーフなんじゃないだろうか、という風に思っています。
■シナリオの軌道修正
雑ネームに、肉付けをしていく際に、一つ問題が発生しました。
それは何かというと、「伝令バト」の驚異は、物量にモノを言わせて「ロック」を追い詰める方法であるため、その攻撃の一部を、「ヒカル」が、自身を犠牲にして守っても、あんまりかっこよくならない、という事です。
ただ、「ロック」の中の思考が、伝令バトの攻撃によって乱された結果、「ロック」が使用する言葉に違和感が発生する、という描写を思い付いたので、「この作品の頂上の部分は、ギャグにしよう」と考えました。
「ヒカル」は、極端に臆病で、マイペース、というキャラ付けをしていたので、作品の頂上をギャグとして描いても、違和感がないだろう、という考えもありました。
この作品の頂上部分はギャグとしましたが、主人公が「鍵(かぎ)」を持ってきて、「ロック」の鍵(かぎ)を外す場面は、「ロック」が「ヒカル」を認める、という和解のシーンとしても考えています。
■ラストシーンの変更
当初のラストシーンは、鍵を差し込んだ時点で勝ちが確定したので、その先の描写は不要なのではないか、と自分は考えていたため、そこは省略し、回想で「開放モードのロック」を1コマだけ見せる、という感じになっていました。
当初は、鍵を差し込んだ後、一気に食事中のシーンになり、「ヒカル」が、思い出し笑いをして吹き出す。
そして、「ヒカル」が「ロック」を愛称で呼ぶ場面がなかったので、作中にて、「ヒカル」が「ロック」を愛称で呼ぼうとして、また吹き出し、「相棒を思いやることは大変だな、と思った。」という感じの独白(どくはく)をして終わり、という感じになっていました。
正直に言えば、ページをいっぱい描いてしまった事と、当初のシナリオの想定が壊れた事があり、いかに素早く作品を〆て、完成させるか、という事を考えた結果の展開でもありました。
現在の作品全体のページ数は14ページですが、当初のラストでは、作品全体のページ数は、13ページでした。
これを、お友達3人に見せて、感想を聞いた結果、「鍵(かぎ)が外れた後のシーンはちゃんと欲しい!」という強い要望と、「鍵(かぎ)を使う場合の、主人公が払う代償が欲しい」という意見、そして、「最後の独白は、ロック視点にするのがいいんじゃないか?」という意見を、それぞれ貰いました。
それを受けて、「ロックの鍵(かぎ)が外れた後のシーン」をしっかり描きつつ、開放アイテムである、「リリース・キー」の代償として、通信料金を用意して、その代償を自身では払わず、師匠に払わせる、というギャグにして完結させ、ラストはロックの独白で〆る、という形に変更しました。
当初、合計13ページだった作品が変化し、最終的に、14ページの作品になりました。
修正の結果、「ロック」という名称と、その存在を、読者に強く表明する事が出来たり、作品がギャグとしてまとまったり、「ヒカル」の、自由でマイペースな感じが、より表現できたりして、だいぶ良くなったのではないか、と思います。
■想定する読者層
この作品は、誰に向けて描かれたモノであるかと問われると、制作の際に、自分が意識した作品から、少年漫画を読むような層や、デジタル機器に親しい層なのではないか、と思います。
■その他
やる気と、時間と、体力さえあれば、この作品の展開としては、別の妖術師が出てくるとか、「ロック」が通信制限を解除しても敵わない相手が出てくるとか、師匠が、現在の相棒と共に戦うとか、バグと妖(あやかし)の違いって何なの、という、少し重くなりそうなテーマとか、色々出来そうかな、と思います。
13ページ目の、「ロック」がかっこよく描けたのは、割と気に入っています。
「伝令バト」という名前は、絶滅した生物である、リョコウバトの英名、「passenger pigeon」を少しもじって、「messenger pigeon」にして、日本語訳した結果、「伝令バト」となった感じです。
攻撃方法は、伝書バトを意識しています。
師匠の相棒の妖(あやかし)、ホッピーちゃんは、「hope:希望」から来てホッピーちゃんである、という訳ではなく、鳴き声から名前を決めた適当なキャラです。
描き終えて思ったのは、たぶん自分は、作中世界の理(ことわり)を、自分で自由にできるような作品が描きたいのだと思います。
■気になる点
・ちゃんと、物語になっているかどうか。
・課題文の理解として、適切であるかどうか。
・「アピール文」を大量に書いたが、問題ないかどうか。
・3ページ目と、5ページ目の、「Now Loading…」と、「go to the next point.」は、移動を省略した表現として入れたが、問題ないかどうか。
・情報を詰め込む事を意識したため、駆け足すぎではないかどうか。
・かなり人による、微妙な部分である気はするが、11ページ目、5コマ目の最初の吹き出しで、「そうか、ヒカルがクルッポしたのは、…」となっているが、冒頭の「ヒカル」という名称も、「クルッポ」にした方が良いかどうか。
・4ページ目の、5コマ目で、ロックの表情を無理やり突っ込むために、吹き出しの中に、丸いコマを追加した感じの表現を入れたが、アリかどうか。
・シナリオを大きく修正してしまったが、漫画を作るというのは、こんな感じなのだろうか。
文字数:3772