ネーム
異世界転生したらキンタマを蹴られに蹴られて奪われた件
ネームに関するアピール
今回の課題では、「今一番描きたいもの」と「名刺代わりとなる」ものが両立できる作品をつくることだと判断して、お話を練っていきました。
「今一番描きたい」世界観や雰囲気は、おおむね課題1で描いてしまっていたので、その雰囲気を残しつつ、《異世界転生》という課題1よりも広く行き渡っているであろうジャンルにすり合わせて、ひろく楽しく笑って読まれる「名刺代わり」となる作品を意識して描いてみました。
「構成はシンプルに要素は複雑に」と山口つばさ先生(課題1・ネーム講評時)が仰っていたことから、《異世界転生》というある程度わかりやすいお話を下敷きにして、師走の翁先生(課題1・ネーム講評時)の「有機的な何か」を起こすことがストーリーを牽引していくとのお言葉もありましたので、読後感の軽い《ギャグテイスト風》の題材を考えていたのもあり、金玉を蹴りあげることになりました。もちろん、金玉を蹴ることは悪手でした。しかし、ほかに代案が浮かばず時間もありませんでしたので、お悔やみ申し上げながらもこのネタのまま押し切ることになりました。
しかし、このままでは金玉を蹴るだけのよくわからないお話になってしまいます。
蹴られても仕方のない主人公に仕立て上げることも出来たわけなのですが、よくわからないお話には「普通のキャラクターを置く」とのさやわか先生(課題1・ネーム講評時)のご助言をいただいていたので、《主人公》はできるかぎり読者と同じ目線になるように設定し、その他の《キャラクター》には世界観説明の補助線として匂わせ役を担ってもらうことにより、かのいたましい行為もキャラクターの愛くるしさで誤魔化せないかなという思いで組み立てていきました。
いままで読んできたギャグ漫画を思い返してみると、作品タイトルを背負えるクセのつよいキャラクターがたくさんなので、自分も作ってみようとは思ってみたのですが、ぜんぜんうまくいきません。
そこで、山口つばさ先生(課題1・ネーム講評時)の質疑応答の際におっしゃった、一部のキャラクターをキメラ的に作っているとのお話を参考に、それ自体を劇中設定に転用してみることにより、キャラクターにクセの強さや面白さが出ないかどうか試みてみました。
しかし、これらの設定過多は読者へのカロリーオーバーになるのだと、さやわか先生(課題1・ネーム講評時)が教えてくれましたので、《ギャグ》の部分を過多にして、読者には深く読むことへの注意をそらしつつ、迷子にならないように努めました。
「なんだかよくわからないけど、わちゃわちゃしててよかった」と思えるような勢いだけで軽く読める短編を想定しつつも、この先このキャラクター達が「どうなっちゃうんだろう、どうしてくれるんだろう、キンタマ蹴られないでほしい」などなどを感じながら、タイトル通りの読後感に仕上がっていればこれ幸いです。
アピール文は以上になります。
お読みいただきありがとうございました!(あさかたこれ太郎)
文字数:1220