GIFT

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梗 概

GIFT

最初におきた異変は、木星だった。

縮小していく現象はとめることができず、よって、様々な隕石が太陽系惑星に降りかかる太陽系惑星全体おいて危機的な状態となっていた。人類の科学はすさまじいはやさで対応

していき、ほぼ吹き飛んでしまっていた火星の再生が叶う。

奇跡的に地球にはいまだ隕石が当たっていなかったが、今この瞬間にもそうなってしまっても何もおかしくはない状態だった。皆、大小様々なロケットが宇宙に出でて、ロケット自体を改良したり、隕石の軌道外に新たに地球になりえる星を探したりしていた。

地球を離れる人々の顔には、混乱と悲しみ、恐怖はもちろん見受けられたが、まだ見ぬ未来に微かな期待と希望を感じてもいるようだった。

ネオ・レッドスターこと模造火星に住む男は、白いワンピースの女――ハナズオウに出会う。ハナズオウは着の身着のままの様子で、愛想もなく、口を開かなかったが、男は意に介さず行くあてもないのだろうと優しく寝床を提供してやるのだった。極東の文字で、“花蘇芳”と書くのだと教えたことから、徐々に仲を深めていく。男は、宇宙に散らばって生活する人類をつなぎ指導する、警察と救急隊員を兼ねた組織の一員で、大きな身体で迅速に動き、分け隔てなくだれにでも優しいのであった。天職だといわんばかりに、組織を象徴するマスクをつけ、身を粉にしてパトロールや声掛けを行っていた。必要であれば食料を、飲み物を分け与えていた。男の名は宇宙に知れ渡っており、一部では狂信的なファンもいたが、同時にヒステリックなアンチも生んでいた。地上にいたころと変わらず、SNS上では日々激しい口論が巻き起こっており、そばにいるハナズオウにも下卑たリプライが飛んできたりもした。ただ、それらも単なる批判なのではなく、行き過ぎた正義や不平等性について見捨てておけないような意見も混ざっていた。男は疲れたように肩をすくめ「困ってる人を助けたい、俺は俺のエゴで動いているんだ」「きみはきみで思うように生きていいんだ、したいことをしないと」というばかりだった。その言葉にハナズオウは戸惑いながらもSNSを開くと、アンチの勢力が強まり、素顔を見せろというハッシュタグがとてつもないほどに拡散されているようだった。数が増えるごとに、違う人物の写真がいくつも挙げられ、その都度底意地の悪いコメントがつき、男自身も、男以外をも傷つける騒ぎになっていく。耐えかねたハナズオウは思わず、男の素顔を画像つきで発信。『そんなブオトコなわけあるか』それは一刻の間をおいて、どの発信よりも拡散されていく。通知音が、電話の着信のように連続して鳴るのですぐにオフにした。ハナズオウ自身についても、ものすごい数でコメントがつき、新たにあることないことが発信されていく。よく思っていようと、わるく思っていようと、どれも圧と熱を含んでおり、止めようのないほどに膨らんでいく。マスクを脱いでふらりと出かけていた男は、SNSを見た人々によって取り囲まれ、ハナズオウが追いかけたときには旧国連ロケットへ連れ込まれていた。一種私刑のような状況を見たハナズオウは、自分の行為を悔い、首をつり、命を絶つ。

人々から暴行を受けた男は、すんでのところで一命をとりとめ、息を吹き返すと、ハナズオウの死を知る。

「今度は間違えないと思ったのに」

文字数:1367

内容に関するアピール

イエスとユダの、未来輪廻編です。

 

タイトルのGIFTは、英語で贈り物、ドイツ語で毒なので、

人類への贈り物であった神の子

神の子へ、神が贈った弟子のひとりユダ(神の子にとって死に至る毒になる)

上記含めてこれにしました。

文字数:106

課題提出者一覧