僕らの時代

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梗 概

僕らの時代

東京オリンピックが中国のボイコットで中止となった世界。
2021年10月10日の「世界の終わり」と、2013年の中学校での「事件」が同時に進行していく。

 

2021年10月7日
大学生のユカワマイは中学時代の同級生タカハシカズキと自宅アパートで再会し、同時に中国海外航空85便の墜落に遭遇する

2021年10月8日
反中デモが激化する池袋で、中学生のタカハシが小説に出したロボット2体が戦闘を開始するのを目にする。そのうちの1体「シロノス」敵の「クロノス」2021年10月10日に核戦争を引き起こし世界を滅ぼすと予言する。「結末を思い出せ」未来から来たキャラクターに迫られるタカハシ。大規模なサイバー攻撃がはじまり、中国に対する敵意が更に高まる。

2021年10月9日
タカハシは中学時代にもらったファンノベルの存在と、自殺した「生徒」のことを思い出す。その友人たち、タケダとキミツは、リチウム電池とディープフェイクの技術で起業した学生企業家だった。親友だった「生徒」の小説の続きを再現するというキミツ85便事故の原因が貨物にあったリチウム電池だったというニュースで、ふたりはタケダとキミツが世界の終わりを計画していることに気が付くと同時に、この時代のユカワの存在に疑問を抱きはじめる。

2013年9月3日
偶然タカハシの創作メモを見たユカワは、廃部状態の文芸部の部室をふたりのものにしようと持ちかける。タカハシは小説を9日までに完結させるとユカワに約束する。

2013年9月5日
ファンノベルをもらったタカハシはそれをユカワに渡して有頂天になる一方で、クラス全員のスマホが行方不明となり、不良のイイジマから一方的に犯人扱いされて屋上でリンチを受けそうになる。そのとき、助けに入ったユカワがもみ合いの末転倒、意識不明に陥る。隠れてそれを見ていた「生徒」、タケダ、キミツの背後に盗まれたスマホと奇妙な機械があって、「生徒」がタカハシに小さく謝罪する。ユカワが手にしていたファンノベルは彼女の血で読めなくなる。

2021年10月10日
クロノスが引き起こしたサイバー攻撃で金融機関がダウン、ついにデモは暴動となる。タカハシはファンノベルとともに姿を消したユカワを探すが、襲われる台湾人のコンビニ店員を助けようとして銃弾に倒れる。

2013年9月8日
約束を果たしに部室へ来たタカハシは、校舎の屋上からイイジマに追い詰められた「生徒」が飛び降りるのを目にする。

2021年10月10日
タケダのリチウム電池のせいで日米で大量の航空機が落ち、ディープフェイクで情報が崩壊していく。中学校の屋上で、ユカワは結末を教えるよう迫るシロノスに、彼の敗北と2021年への帰還が永遠に繰返すという結末を教える。核戦争が始まり、ユカワは世界が自分の時代に戻るのを感じる。

2013年9月5日
タカハシは反撃に転じた!イイジマの腰パンに掴みかかりずり下ろした瞬間をユカワは激写する。泣きながら退散するイイジマの後ろで、「生徒」、そしてタケダとキミツが小さく拍手する。

2021年10月7日
配達先のアパートでユカワに再会したタカハシ。強烈なデジャブと緊張に襲われる中、ふたりは外に面した廊下で互いを見つめあい続ける。隣のマンションのベランダで、公募ガイドを手にした男子中学生が、次に起こることを待ち続ける。

文字数:1374

内容に関するアピール

いまの世界をちゃんと滅ぼしたい、と思い今回の梗概にしました。

書きたいこと、好きなこと、壊したい世界ことを突き詰めることができた講座の、その集大成にふさわしい実作にすることが目標です。
1年間、ほんとうにありがとうございました。

文字数:112

課題提出者一覧