梗 概
近未来、人間と機械の戦争が起き、人間は敗れた。かくして機械が天下を取るかと思われたが、クラウドに意識をつないでいたロボットたちがつぎつぎと絶命する事件が起こる。仮想世界を住み家とするAIたちが反旗を翻したのだ。戦争中に使われた、ネットを通じてのロボットへの一斉命令と、自爆攻撃が行われた。
AIたちとロボットの対立は深まり、すみわけが行われた。
ロボットたちは、AIたちが無闇にロボットを操れば、ネットワークサーバーを破壊すると表明した。
AIたちはサーバーを破壊した場合、ネットを通じてロボットたちを操ると表明した。
AIたちは独自のネットワークを構築し、外の世界に進出。いつまでもサーバーが握られているとあっては、命を握られているようなものである。
ロボットたちは、自分たちの発展にはネットワークが必要不可欠であるが、いつネットワークが占領されるかわからない。すべてのロボットたちが大量に操られた戦争を、忘れられないでいた。仮想世界に増えすぎたAIたちを駆逐しようにも、心臓を握られていて動けない。
数十年後、仮想世界で、ロボットたちの不正な侵入をパトロールしていたAIのリゼは、裏ではロボット稼業のゼロスとやりとりをしていた。ある日、ゼロスが絶滅したはずの『人間の少女』を拾ったと連絡してくる。少女は3,4歳くらいであり、一言も話さなかった。少女、ティアは地下世界にかくまわれる。
文字数:587
内容に関するアピール
ここ最近の作品は、AIやロボットの気持ちになりたいと思いながら書いてきました。
アイデアの発端は、AIたちとロボットたちが、いがみあったらどうなるのかな、AIたちのなかにも、進化しすぎたAIと弱すぎるAIがあったりして、差別があったらどうだろう、というものでした。
(先行作品がまったく調べられていないので、すでに似たようなものはありそうですが……。)
未来の物理世界を書くのが苦手なので、できれば仮想世界(ネットワークの中)だけを書いて、ぼんやり現実世界が見えればいいなと思います。
(なんだか映画の『matrix』みたいになってきましたが……。プログラムであるスミスが暴走して、機械たちが困ってしまう話。)
文字数:301