梗 概
無限逃走
その日の朝、浅井カズマは悪い夢を見たような頭が重い目覚めだった。夢の内容は覚えていない。家を出て駅に行きホームの乗車待ちの列に並ぶ。いつもと違う配色の電車がきた。変だな、と思いながらも乗車する。会社について自分の机につくと、なぜか違和感がある。どうしてかなと考えていると、見知らぬ社員に、そこは俺の机だけど、あんた誰?と言われる。会社から叩き出されたカズマは途方に暮れながら街を彷徨う。見慣れた街並みだけれどやっぱり違和感がある。
すると見知らぬ50代くらいの男に呼び止められる。カズマは立ち止まり、誰だろう?と不審に思っていると、いきなり刺激臭のあるハンカチを顔に押し付けれらてカズマは気を失う。【第一の切れ目】
佐伯教授は夢を見ることによりパラレルワールドと接触できることを発見した。
無限にあるパラレルワールドの中からいくつかを選択して、その世界にいる自分たちと夢の中で研究成果について報告しあっていた。
そんなある日、多数いる佐伯教授の中の一人が何者かに殺害されてしまう。その犯行現場をその世界の浅井カズマが目撃する。カズマは殺人現場を目撃したショックで記憶障害になる。殺人現場を目撃したことも犯人の顔も忘れてしまう。
犯人の目的は佐伯教授たちの研究成果だった。眠ることによりパラレルワールドの別世界に転移できる方法を犯人は手に入れた。犯人は無限にあるパラレルワールドの中に逃走した。警察による逮捕はおそらく無理だろう。佐伯教授たちは研究成果を公表してはどうかと協議した。その中の一人の佐伯教授が、記憶をなくした浅井カズマに、パラレルワールド転移の能力が備わったことを告げる。【第二の切れ目】
カズマの恋人チヒロは突然いなくなったカズマを捜している。
カズマの友人や家族にも心当たりはなくカズマが行方不明になってから一ヵ月が過ぎていた。
チヒロは夢を見た。夢の中のチヒロは、あなたが捜しているカズマは昨日までここにいたけど今はもういない、と言った。
チヒロは今日もカズマを捜し続ける。【第三の切れ目】
浅井カズマは、眠って目覚めるたびに自分が違う世界に行ってしまうことを、佐伯教授から知らされる。殺人現場を自分が目撃したことも、そして犯人がパラレルワールドの中を逃走していることも知らされる。カズマは元の世界に帰りたかったけれど、帰る前に佐伯教授と協力して犯人を捕まえることにする。【第五の切れ目】
無限の数のパラレルワールドを彷徨い逃走を続ける犯人は、殺人現場を目撃された男と自分が殺した男が、自分を追いかけてきているとこを知る。【第六の切れ目】
無限のパラレルワールドの中の一つの世界で、カズマと佐伯教授は犯人を追いつめて捕まえる。
佐伯教授は犯人に問う。なぜ私を殺してまでパラレルワールドを転移したかったのか?
犯人は答える。俺は自分の世界を見つけたかった。
カズマは元いた世界に戻りチヒロと再会する。
文字数:1200
内容に関するアピール
課題から、
シーンの切れ目では、読者を切り離すようにして唐突に終わる。そして、全然違うシーンに場面転換する。
前のシーンとは全然関係性のないシーンと思わせて、実は関係していることを匂わせて、また読者を切り離すようにして終わる。
これを何シーンか繰り返して、最後の場面転換で全てのシーンを融合させて終わる。
というような構成で物語を作ろうと考えました。考えた結果、なかなか思い通りにいかなかったのですが、このようなパラレルワールドストーリーになりました。
カズマと犯人がしている転移は、パラレルワールドの別世界にいるカズマと犯人の意識の中に転移してしまう、という設定です。
かなり無理のある梗概だと自覚はしています。それでも、今回こそ実作自主提出できるよう頑張りたいと思います。
文字数:332