昔の話ですが、ディズニー・ランドに失望したことがあります。
有名なアトラクション「イッツ・ア・スモールワールド」、てっきり「小さな世界」がテーマなんだと思っていたのですが、どうやら「世界は小さい」と言いたいらしいことがわかって、がっかりしました。
そのくらい「小さな世界」が好きです。
というわけで、「小さな世界」を見せてください。
文字通りの「小さな世界」です。
「何人か、あいだに挟めばみんな知り合い」という意味ではありません。
小さいのに、それ自体で完結した、あるいはそう見える、パーフェクトアクアリウムのような世界です。
世界を玩弄できるのがSFの強みだと思います。
もちろん、世界を描くにはいろんな手法があって、ごく一部、いわば欠片に読者を触れさせ、その向こうにしっかりと構築された、異質な社会、あるいは宇宙を感じさせるというのもあります。
しかし今回は、「小さな世界」のうえを歩かせてください。
いま、わたしの頭に、ラリー・ニーヴン『インテグラル・ツリー』、レベッカ・ソルニット『災害ユートピア』、草野誼『かんかん橋をわたって』なんてタイトルが浮かんでいます。
しかし、困ったな、どれも長いのはいいとして、マイナーなので、実例にするには不向きに思えます。
そうそう、メジャーなのがありました。
『星の王子さま』の王子様の故郷の星、あれが「小さな世界」の一例です。
皆さんの世界を楽しみにしています。
(森岡浩之)