昨年、この第1回の課題は「変な世界を設定せよ」というものにしました。今年はその完全に真逆の課題を設定したいと思います。今回は、ぼくたちが生きるこの日常、それそのものは基本的に変えないまま、「ただひとつだけ現実とは異なる設定が入った小説」を展開してください。
とはいえ、昨年も今年も出題の理由は同じです。ジャンルSFは多様ですが、SFがSFであるために必要な要素がひとつあります。それは「センス・オブ・ワンダー」、すなわち驚きの要素です。昨年は、その「驚き」を世界設定としてつくってほしいと思いました。今年はその逆で、世界設定は基本的に日常の延長のまま、物語のなかで「センス・オブ・ワンダー」を演出してほしいというのが願いです。
といっても、あまりに漠然としているので、お題をもう少し限定しましょう。みなさんはこれから1年間、ゲンロンのあるここ五反田に通うことになります。この五反田周辺は、これはこれで調べてみるといろいろ味わいのある土地で、地形の高低がそのまま貧富の差に結びついており、かつて小林多喜二がプロレタリアート小説の原型にしたなんて話もある。そんな五反田を舞台にして、「ただひとつだけ現実とは異なる設定が入った」SFを書いてみてください。
センス・オブ・ワンダーにあふれた五反田SFを期待します!(東浩紀)

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