SFの作品内では、作者が自分にとって都合のよいように世界を支配する原理を設定して話を進めることができます。
しかし現実世界は必ずしも、ひとつの原理で理解しきれるものではありません。
たとえば宗教と科学技術が対立するという見方もあります。科学が唯一の原理かと言い切るのも極端でしょう。同じ科学者でも、宇宙論の専門家と天文学者では相性が悪かったりします。
今回はそういう「相容れなさ」を、相容れないままに描く作品を作ってください。根本的に対立するような原理が対立を残したまま終わる話です。
対立しているのは科学法則でもいいですし、物語構造でも、登場人物同士でもかまいません。ガソリンで動く車と魔法で動く車があり、それが対立している、というようなシュールな設定でもいいでしょう。

一本の軸としては把握しきれない現実を参考に、破綻や対立軸を設定し、そこからリアリティを生み出す訓練として取り組んでみてください。(円城塔)

参考文献:
チャイナ・ミエヴィル『都市と都市』(ハヤカワ文庫SF)

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