梗 概
ラッセンが好き!
ドナルド・トランプは訴えている、「フェアじゃない!」と。関税、同盟、通貨レート、、、兎に角、不当な不公平がはびこっているじゃないかと騒ぎたて、アメリカの決して少なくない人たちが賛同している。
だが、もっと本質的で切実な不公平のことを忘れていないだろうか。「モテる」「モテない」という大問題のことだ。「そんなくだらないこと…」とオトナぶってみても、それは自分の本心をごまかしているだけじゃないか?諦めているだけじゃないのか?
あなたは、本当に納得しているのか?
主人公は22歳の男子大学生、山田一郎(仮)。極めて平均的な男で、ちょうど就職活動を終えたばかり。第3希望の会社から内定を貰い、ひと安堵している。しかし、彼は気づいてしまうのだ。「俺の人生、もう見通せてしまう!」
山田には好きな女の子がいるのだが、その子は(当然)別の男と付き合っていて、だがもし彼氏がいなかったとしても、山田と付き合うことはないだろう(と山田は考えている)。「俺の人生、もうだいたいわかるんだよ!」
22年間生きてきた山田も、かろうじて1人、付き合ったと言えなくもない女性がいたのだが、恋愛映画のような甘く輝かしいものではなく、それはまるで誰も見ていないボクシング4回戦のような、ぶざまであっという間の物語。「俺の人生、もう終わってるのかな?」
そんなある日、山田が内心小馬鹿にしている、未だ内定もなくフラフラしている友人が、山田の片思いの相手と思いがけず一夜を共にしたという話を、雑談の暇つぶし程度に、何の気なしに語るのを聞いてしまう。「これはフェアじゃない、何かおかしい…」
顔がいいから、性格がいいから、スポーツができるから、勉強ができるから、お金持ちだから、、、様々な理由はあるのだろうが、モテる奴がなぜモテるのか、やっぱり今ひとつわからない。数値化できるものではないのが、本当に厄介だ。そして、あの友人は特にどれかに当てはまっているわけでもない(と山田は考えている)。「なぜ俺はできなくて、あいつができるのか…」
憤懣やるかたない山田は、卒業までの暇を持て余した時間を活用し、この人類の大いなる課題に取り組むこととなる。「なぜこの不公平が存在するのか?なぜ人類はこの不公平を当然のこととして甘受してきたのか?」
山田は、ゼミの教授に紹介してもらった高名な科学者を訪ね(失望し)、親戚が信奉する新興宗教の教祖を訪ね(失望し)、果ては、ついに、「宇宙意志」との対話によって、ついに、その答えを得て、心の安寧を取り戻すのだった。
◉オチはまだまだ試行錯誤中ですが、因果律的なことになるでしょうか。。。
文字数:1080
内容に関するアピール
何が SFかについての明確な答えがまだないままではありますが、個人的なパッションをのせやすいテーマで考えてみました。現実(=リアリティ)では説明(=納得)できない事柄を、科学的(?)な意匠を使って物語を展開させれば、SFと言えるのでは、と考えた次第です。
タイトルは、「結局、デュシャンとか何とか言う人より、ラッセンが好きなような奴の方がモテるんだろ!?」という意味です。
今時な感じも意識しながら、いつの時代も懊悩とさせられる「モテ」について、SFで描いてみたいと思います。
文字数:235