車のジギー

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ネーム

車のジギー

ネームに関するアピール

今回どうしても16Pに収まらず24Pのネームになってしまいました。
この話にベストなページ数は16Pではなかったということなので、本来別の話にすべきだったのですが、どうしてもこの話が描きたかったので描きました。

提出しても課題をクリアしていないので、点数と講評がつかないのも致し方ないと思います。
ですが課題に取り組んだという事実だけでも残したく、また、課題1の私のネームと並べて見て欲しかったので提出いたします。

以下は作品についてです。

◆課題2と選んだテーマについて

ひらマンでは私個人的に「自分が避けてきた題材を描く」ということを自分に課して課題をやっていこうと思っています。
今までの作品はポジティブな題材が多かったので、避けてきたものを選ぶとなると自動的にネガティブなものになってしまうわけですが、今回は「短編集の表題作になるようなもの」という観点でテーマを考えました。

例えば私が読者の心を粉砕するような話ばかりを集めた短編集を作るとしたら、表題作に持ってくるのはどんなお話にするか。
前回の課題1で私は「私はこういう作品を描きたい人です」という自己紹介をしたつもりでした。すでに「自作紹介」をしてしまったので、短編集のコンセプトは課題1のネームになるんだと思います。その上でこの短編集を広く受け入れてもらうには、どんなテーマを選べばいいのかと考えた結果「ネガティブな題材だけども、受け入れられやすいもの」にしようと決めました。

ネガティブなものは基本的に読者さんが少ないと思っています。ですが、その中でも比較的受け入れられやすいのが「悲しいお話」なのかなという体感があるので、今回は「取り返しのつかない悲しい別れ」を描くことにしました。

◆検討した別の展開について
しゃべる車のジギーとその親友の少年キイチが出てきますが、最初はキイチの幼なじみのさなえとの恋愛関係をもう少し描こうとしていました。
ジギーとの別れは、キイチが大人になった結果である、という風にしたかったので、最初はすごく単純に、キイチとさなえに肉体関係を持たせようかなと思っていました。
車の中で初体験をする(しかもその車には意識がある)というのは、それはそれでエピソードとしては華やかなのでギリギリまで捨てきれずに検討していたのですが、やっぱり「セックス=大人になる」というのもちょっと安易かもしれない、ということと、その展開にするとジギーとの関係よりもさなえとの関係の方が強く印象づいてしまうと思ったので結局やめました。

別れの印象を強くするためにはどんなエピソードが必要か?ということに立ち戻って考えた結果、ジギーと別れる直前最後に交わした会話は喧嘩の暴言だった、というものにしました。

またキャラクターも、最初はもっと庶民的な商店街に住む幼なじみで考えていました。
キイチは眼鏡でもう少し暗くて、さなえも、実家の酒屋の配達を手伝うチャキチャキした姉御肌の女の子で、進学は専門学校に進む予定でした。
でもさなえの進学先が北海道の大学に変わり、キイチに対しても「将来どうするの?」とか言ってくる女の子になったので、それだったら、真面目な優等生でガリ勉ぽい子の方がそういうことを言いそうだし、そういう子の言うことの方が素直に聞けなさそうと思ったので、今のようなキャラになりました。(後メガネの女の子に縦縞セーターを着せたかった。)

また、不登校の息子にガレージと車を一台(と言っても古くて動かない車ですが)与える家庭はある程度お金があるだろうということから、2人が住んでいる場所も中流以上の家庭で住んでいる場所も閑静な住宅街に変更しました。

これは、課題1の時の講義であった、「クライマックスのシーンに向かって全部を構成する」「そのエピソードを演じるのに最適なキャラはどんなキャラか考える」ということを自分なりに実践してみた結果です。

◆キャラクターの名前について
ネームを読んでお気づきの方もいるかもしれませんが、キャラクターの名前は「魔女の宅急便」に引っ掛けています。
キイチがキキで、ジギーがジジで、さなえはトンボです。(さなえはサナエトンボから)

魔女の宅急便の中では比較的さらっと描かれていますが、キキがスランプの時にジジの言葉が分からなくなり、その後スランプから脱しても二度とジジと言葉を交わす事ができなくなってしまう、という、この展開が私はとても好きです。
成長には代償が必要で、それは一方通行の不可逆な事なのだという事が、別れを取り返しのつかないものにしていて、同時に前向きなものにもしているなと感じるからです。
「車のジギー」もそういう話にしたかったので、こういったネーミングにしました。

作品については以上です。
長々お読みいただきありがとうございました。

文字数:1952

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