死角い視覚表現

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完成稿

死角い視覚表現

完成稿に関するアピール

講評で指摘された問題点

◎ピアスと髪が重要なアイテムであると分かりづらい
原因:読み飛ばされると想定しきれていなかった。
直し:黒森の成長と連動するように、
冒頭:隠す
ケンカ前:露わになるのに抗う
ラスト:自分から見せる
と、各場面でピアスが目立つように描く

◎ケンカシーンが長い
原因:そもそもストーリー上で扱おうとした要素が多すぎたし、そのさまざまな要素をケンカの内容(セリフ)に盛り込もうとしすぎた。
直し:要素を整理して、対立点を明確にした。

◎黒森が美咲に対してどういう思いを抱いているのか分かりにくい
原因:冒頭が駆け足になり情報不足だったし、微妙な人間関係を描きたかったけれど上手くいかなかった。
直し:違和感と嫉妬で距離を取りたかった、というのを食堂での悪口シーンやインスタに対する嫌味で分かりやすく表現した。

◎最後、二人の関係がどう変化したのか分からない(黒森の行動を美咲がどう考えたのか、リアクションがないから分からない)
原因:リアクションを描かなくても美咲は喜んでいると受け取られると思った。
直し:美咲の笑顔を描いた。

◎主人公が友人たちの中に埋没してしまっている
原因:もともとアイデアの段階で、人間がグループになって異なるグループを攻撃する不毛さを描きたい、というのもあったので、友人たちも悪い人間ではなく、叩きやすい人間を叩いてしまっているだけ、というバランスで描きたかった。が、ここも技術不足、もしくは要素を盛りすぎだった。
直し:今回の話のままこの要素を16ページ内に盛り込むのは無理だと思ったので、ここはまるまる削除して、友人たちはモブへ。

◎写真の扱いが分かりにくい
原因:写真の役割をそこまで押し出さなくてもいいかと思って、中途半端に扱ってしまった。
直し:美咲との関係の中に「写真」という要素をしっかり位置づけ、カメラのコマなども増やして分かりやすくした。

文字数:780

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ネーム

死角い視覚表現

ネームに関するアピール

私の「ど真ん中」は、何を語るかよりどう語るか、にあるのではないかと考えました。

「どう語るか」で私がイメージしているのは、例えば映画『カールじいさんの空飛ぶ家』のような物語りです。
この映画では、「家」が過去に囚われるカールじいさんの心の象徴として描かれますが、単にシンボルとして描かれるのではなく、シンボルでありつつ物理的にストーリーを推進させる要素として物語に組み込まれています。目に見える物と目に見えない内面が同期してドラマが駆動する、このような語り方が私のやりたい物語です。

ということで、このネームでは、「ピアス」を表現欲、「髪」をそれを守る自意識として描き、疎遠になってしまった旧友とのドラマを描きました。

2人の正しさがぶつかるストーリー自体は、武富先生のマンガを読んでいて思いついたもので、それを自分なりの語り方で作るとこうなる、という感じで描きました。

文字数:381

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