完成稿
となりの隣のおじいさん
完成稿に関するアピール
ネーム講評のときに「話が漫然としており、設計されていない。まだ人に見せる前の段階。」とのご指摘を頂き、物語、コマ割りを中心に改変していきました。
ネーム段階の物語では騒音問題が解決せずに終わってしまったのですが、完成稿では、下の階の方と直接会って和解し、騒音問題を回収できるようにしました。実際にはまだ解決していないのですが、こう漫画にしてみると直接お話せしてみようかな、と思うので不思議なものです。私の漫画は、本当にあったことを中心に描いているのですが、「こうなったらいいな」と思うことを描いていいんだなと感じました。また、事実そのままだと物事の羅列になってしまい、設計された物語にならないのだと再認識しました。
コマ割りについては、正直に申し上げますとかなり武富先生にご指導いただき、再度1コマ1コマ見直し、何を理解してもらいたいコマなのかを考え、直していきました。状況が分かるような画面の切り取り方、冒頭で主人公が分かるようにする、会話が多いお話なので、読んでいて辛くならないよう1コマのなかの文字量が多くなりすぎないように考慮するなど。
コマ割り迷子になっていたのですが、武富先生のアドバイスで自分の絵柄にあったコマのサイズ感が掴めてきました。またコマ内で、空間を感じ取れるような配置にすることなども意識しました。
課題提出ごとに成長できるように頑張っていきたいです。
文字数:584
ネーム
となりの隣のおじいさん
ネームに関するアピール
今、自分の心の、ど真ん中にあったのは、このおじいさんのお話です。去年亡くなってしまった方なのですが、おじいさんと過ごした時間をずっと漫画に描きたいと思っていました。
私が漫画を描く理由の一つに、忘れたくないことを残したいというものがあります。また、描くということは、その経験は何だったのかを再解釈する過程でもあり、その作業を通してじっくり考えられることがやりがいでもあります。この漫画を通しておじいさんが確かに居たということ、自分と関わったことを残したいと思って描きました。
今回は連載第一話のつもりですが、読み切りとしても楽しめるものを目指し、「不運や災難をきっかけに人が出会う物語」として描くことにしました。前半と後半でテンポを変え、特におじいさんの部屋で過ごすシーンでは劇的なことが起こるわけではないけれど、会話や部屋の様子から、おじいさんの日々を過ごす姿勢や、奥さんの面影が感じられるようにしました。また、ナレーションを入れることで、現在から過去を客観的に見ているようなトーンになるよう工夫しました。
文字数:455