概要:

新芸術校では第5期より「コレクティブリーダー課程」を新設しました。

「コレクティブリーダー課程」の生徒はそれぞれ成果展と裏成果展のキュレーションを行なっております。成果展担当者は裏成果展の、裏成果展担当者は成果展の、

それぞれ担当していない展覧会の展評を執筆します。

 

■ 展覧会概要

【ゲンロン カオス*ラウンジ 新芸術校 第5期 最終選抜成果展】
『プレイルーム』
出展作家:小笠原盛久 / 小山昌訓 / 菊谷達史 / 鈴木知史 / タケダナオユキ / 平山匠 / 藤井陸 / 繭見 / 三浦かおり / 山﨑千尋 / ユゥキユキ
キュレーション:黒瀬陽平 / 海老名あつみ (CL課程)/ NIL(CL課程)/ マリコム(CL課程)
デザイン:6:30
会期:2020年3月1日(日) ~ 2日(月)
開廊時間:13:00-20:00
会場:ゲンロンカフェ(〒141-0031 東京都品川区西五反田1-11-9 司ビル6F)/ 03-5719-6821
入場無料※1

【非選抜者による裏成果展】
出展作家:伊賀大 / 井上暁登 / 大島有香子 / 神尾篤史 / 木谷優太 / 小林毅大 / zzz / 三浦春雨 / 茂木瑶 / 紋羽是定
キュレーション: 鴻知佳子(CL課程)/ 鈴木杏奈(CL課程)/ 須藤晴彦(CL課程) / 山浦千夏(CL課程)
会期:2020年3月1日(日) ~ 2日(月)
開廊時間:13:00-20:00
会場:ゲンロン カオス*ラウンジ 五反田アトリエ (〒141-0022 東京都品川区東五反田3-17-4 糟谷ビル2F)/ 03-5422-7085

 

■ キュレーターステートメント

ゲンロン カオス*ラウンジ新芸術校 第5期の「選抜成果展」をお届けする。
選抜成果展は、1年間にわたるサバイバル形式のプログラムを勝ち抜いた8名の「選抜者」たちと、「敗者復活プレゼン」で勝ち上がった3名を合わせた、11名による展覧会となる。今期から、展評やキュレーションを担当する「コレクティブリーダー・コース(CLコース)」が設置されたため、展覧会のキュレーションはCLコースの受講生とともにおこなった。

展示会場には、いくつもの「部屋」が現れる。展覧会タイトルの「プレイルーム」は、出展者から提出されたプランのなかに、様々な形式の部屋が描かれていたことから着想されている。

新芸術校の展覧会ではこれまでも、たくさんの部屋が作られてきた。
空間として区切られた部屋や、コンセプチュアルに閉じた領域をつくる部屋は、親密なものとの対話や、孤独な営みのための空間として最適である。それは、第1期がスタートした時から、どういうわけか「家族」や「慰霊」といったテーマを扱う受講生が多かった新芸術校の特徴と言っていい。

であると同時に、部屋は物理的に空間を分断し、作品どうしを孤立させてしまう。異なる家族が別々の部屋で暮らすように、部屋の乱立は、作品を隔離し、展覧会をバラバラする危険性をはらんでいる。

しかし、ここに並ぶ「プレイルーム」は、分断や孤立、隔離だけを目的として作られたものではない。部屋という空間、領域でなければ不可能な、個別で親密な儀式や祈り(pray)を、同時に、徹底的に創作され演出された行為(play)として、観客に提示すること。そのような両義的な試みのためにこそ、複数の「プレイルーム」が作られなければならなかったのである。

もうひとつ、「プレイルーム」は、学校としての新芸術校を表す言葉でもある。
学校において重要なのは、「教える側」と「学ぶ側」の非対称性や、教室内の上下関係などではない。そうではなく、講師は講師の、受講生は受講生の、運営は運営の、それぞれが必要な役割を演じること(play)であり、繰り返される演技の応酬のなかで、新たな演者(player)を生み育ててゆくことなのだ。良い学校には、良い「プレイ」がなくてはならないのである。

なお、選抜成果展はゲンロンカフェで開催されるが、五反田アトリエでは「裏成果展」として、惜しくも選抜メンバーからは落選してしまった受講生たちによる展覧会が開催される。
選抜成果展が、主任講師である私とCLコース生、そして選抜された受講生の三者で密に連携を取りながらキュレーションされるのに対し、裏成果展は、担当のCLコース生と受講生たち主導で進めている。裏成果展に参加する受講生たちにもまた、それぞれに別の「プレイ」があり、選抜成果展とは別の部屋を作り上げるだろう。ぜひとも、両方に足を運んでもらいたい。

(黒瀬陽平)

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