小説を読むときに、「この作家の成長を見届けたい!」「可能性に賭けたい」などと考える人はほとんどいません。たいていの人は、たんに楽しむために本を手に取り、読んでいるはずです。
そんな読者に届けるために、今回の課題で意識してほしいのが「おもてなし」です。これから構築するお話を自分の家だと思って、その中に読者を招待し、おもてなしする方法を考えてみてください。
今回書くのは短篇ですから、豪邸を建てようと思う必要はありません。一点豪華主義でいいんです。
お客さま(=読者)に、「あのお酒はおいしかった」とか、「ソファの座りごこちだけはよかった」と思ってもらえるように、どこか一点でよいので、読者の心を掴めるような梗概を作ってください。
参考文献
星新一さんの作品すべて。
とくに初期のショートショートには「おもてなし」の秘訣が詰まっています。