梗 概
最後の人間
- 食糧難により、子供の出生が著しく制限された未来で、子孫を残そうとする反体制勢力と生殖を管理しようとする多数派との間で争いが繰り広げられている
- 規制派の部隊長であるトラヴィスはゲリラ部隊の殲滅作戦を引き受け、その戦闘の中である少年兵アツを、その美しさに惜しみつつ殺す
- 80年後、規制派の管理体制が完全に破綻していたことがわかり、人類の存続は絶望的であることだけが判明、トラヴィスはアツのことを思い出す
文字数:197
内容に関するアピール
前回、冲方丁先生が「3行で書け」(超訳)ということをおっしゃっていたので、3行だけにしました。また、前回の飲み会で「題材を『敦盛の最後』にする」と公言してしまったので、その通りにしました。
三年以上前の記憶がないので曖昧ですが、ウラジミール・プロップや大塚英志を引くまでもなく、良い物語は必ずパターナルであり、「変な話」と思われるものも多くはその変奏に過ぎません。したがって、私は今回、果たしてそれがいいか悪いかはわかりませんが、私は国語の教科書に載っていた『敦盛の最後』を題材として選びました。
『敦盛の最後』は平家物語の一節ですが、御存知の通り、源平合戦の悲劇的な一幕の中に戦争の悲劇、親子の愛、ショタBLなどの様々な要素を含んでいます。これだけの題材がありながら、面白くない小説になるわけがありません。
なお、念のため断っておきますが、やる気がないのでも投げやりなのでもありません。ただのミニマリズムです。
文字数:426