梗 概
政帝ウォーフェア
世界大統領になりたいやつは、この戦争で勝ち上がれ
国際政治の権力を、戦争競技の勝者が得る時代。それを可能にしたのは、ソルジャーアバター(略称SA)という遠隔操作可能な疑似身体と、厭戦時代に兵器をもてあました軍需産業の存在があった。候補者は政策を掲げ、クラウドファンディングにより戦争資金を得る。その勝者は一年間、掲げた政策を実行するための権力を授けられるのだ。主人公の梅原は新宿スラムで育ち、成り上がったプロゲーマー。そのスキルと人脈を生かしてチーム(ファントム・クレイズ:FC)を結成、国家の後ろ盾のない市民チームとして奇跡的に東アジア予選を勝ち上がり、政帝戦争の出場資格を得る。
世界四ブロックから勝ち上がった、八つの戦争チーム(他はアメリカ海兵隊:USMC、ユーロ連合:EU、イスラム統一軍:IUFなど)は、この年の試合会場である太平洋北中部に建設された戦可エリアへと集まった。勝利条件は二つ。①試合終了時に最も多くの根拠地を支配するか②他の全ての指揮官が死亡した状況下で生き残るか、である。試合期間は三日間。
開戦直後、FCはUSMCとEUの挟み撃ちを受け、根拠地を放棄し、潜水ポッドにて海底に沈む。その後、兵数と士気で勝るIUFが、前回優勝のEUを攻撃、一日半の攻防の中でFCはIUFを遊撃援護し、密かに同盟を組んでいたUSMCの支援を受けられないままEUは散った。
二日目、残るチームは四つとなった。イスラム過激派の動向に危機感を覚えたEU指示層は、USMCに資金を投入、空から支援物資が送られる。USMCは追加されたレーザー兵器群によって、IUFを包囲殲滅する。
三日目、残るチームは二つ。ここまでFCが勝ち残っていた理由はただ一つ。クラッキングによる敵戦力の奪取、同士討ち誘因だった。FCを追い詰めたと油断していたUSMCは、自軍の兵士・兵器によって大損害を負い、その隙に指揮官機が落とされしまう。
優勝はFC。梅原は公約である世界経済格差の是正を約束し、大会の幕が降ろされる。
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内容に関するアピール
題材としたのはジェームズ・フレイザー『金枝篇』です。殺し合いによって権力者が決まるプロセスが面白いと思い、魔改造してみました。
〈世界観補足〉
◇戦可エリアは100キロ四方程度
◇SAパイロットは、戦地近くに設けられたコントロールルームから遠隔操作を行う
◇核兵器や生物兵器など、環境に深刻な悪影響を及ぼす兵器は使用不可とする
◇あらかじめ定められた競技ルールを逸脱したチームは、戦争管理委員会によって排除される
◇戦争の様子は中継され、スポーツ観戦のような娯楽と化している
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