はじめまして。漫画家の鶴谷香央理と申します。
今回のテーマは「キャラクターを作る」です。
キャラクターの作り方は色々あるし、脚本術や漫画の描き方の本などでも学べると思いますが、今回はすぐに使えて初心者でも動かしやすいのはどういうキャラクターかというところから以下のような課題にしてみました。
実在する知り合いをモデルにしたキャラクターを最低1人使って作品を描いてください。
なるべくなら直接の知り合いの方が、一般化されすぎておらず、面白いキャラクターになると思います。
私もキャラクターを動かすのに、実際の知り合いの言動や見た目をずいぶん使わせてもらっています。
家族や友達、職場や近所の人など、身近にいる人は描きやすいと思います。見た目や性格のみならず、ちょっとした仕草や言い回しのくせなど、細かい特徴まで描けるからです。
また、嫌いな人や考えが合わない人、やっかいだなーと思っている人も案外描きやすいものです。
どういうところが気に入らないか、よく考えているからです。そういう人に好感のもてるエピソードをくっつけると簡単にギャップが作れます。
直接の知り合いで作るのが難しければ、推している人を使うのもいいかもしれないです。
「自分はこの人にこんな一面も見出しているんだ」みたいなところを描けば、他にないものになるかもしれません。
モデルにした人をスケッチするようにそのまま描いてもいいし、モデルにした人の一部を使ったり拡大したりして全然別のキャラクターにしてもOKです(例えば自分のお母さんの性格を取り出してスーパーヒーローにくっつけるなど)。また舞台も、モデルにした人が実際にいそうな場所に限らなくていいです。
その人がどういう人でどこが興味深い点なのかを、読者にもちゃんとわかるように描いてください。
そのままでは物語にならないという時は、ベタなプロットにそのキャラクターがいたらどうなるか考えてみてください。
モデルにした人のことを思い出して、あたたかい気持ちになったり、ニヤニヤしたり、苦々しい気持ちになったりしながら、楽しんで描いてみてください。
(鶴谷香央理)