AIはプリンを食べない。

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完成稿

AIが欲しいプラスイチ

完成稿に関するアピール

■登場人物
アリス
ヨシモフ(モフ)
レナ
アルバート

■アピール文
ネームの状態では、詰め込みすぎで、自分が伝えたいものに達していなかったので、情報を整理しました。
モフがキャラクターとして動かしやすい感じがしたので、アリスのペアを主軸として、作品を再構築しました。

文字数:127

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ネーム

AIはプリンを食べない。

ネームに関するアピール

■はじめに
この作品は、課題文の解釈に対して、「トンチ」を効かせて作った訳ではありません。
ただ、「肉体的接触」を「身体的接触」と読み違えてしまったという部分はあります。

しかし、過去の、同じ講師の人によって提示された課題文を見たら、「『触覚・肉体的接触』をテーマに創作してください」と書かれていて、この作品は、「触覚」に該当するので、ギリギリセーフだろう、という事で、そのまま制作しました。
他に考えていた話と比べて、出来が良かったという事も、制作を続行した理由としてあります。

AIという一種の脳があり、そこに、コードによって接続された「スマホ的な装置」は、接続対象が能動的に動かす事が出来て、加えて、外的接触に対してフィードバックがあるので、これは「身体」と言っても差し支えがないと思います。ただ、「肉体」かと言われると微妙かもしれません。

■課題文の理解
今回の課題は、「肉体的接触がキーになる話」という事で、「キーになる」という部分を考えるにあたって、物語が、「開始時点と終了時点で変化があるもの」とするならば、肉体的接触が、物語に大きな変化を与える要素になっていれば良いのだろう、と思って、作り始めました。

もしかしたら理解が違うかも知れませんが、現在、コロナ禍にある現代で、恐らく人々の中には、「肉体的接触」に対する渇望があると思われるので、「なるほど、読者の渇望を理解し、それを使って共感を生み出して作品を作る、という事が大事なのか。」という風に思っていました。

課題文章は読みやすかったです。しかし、制約がいくつかあるため、それを通りながら作品を作ることに難しさを感じました。

最初の辺りで、自分が考えていた話は、「実体としての体を求める幽霊」が出て来る話でした。
そして、物語を大きく動かす「接触」として、恋愛的なモノを混ぜようと考えました。
しかし、その話は、話の全体のまとまりが悪かったため、没にして、今度は、「実体としての体を求めるAI」が出て来る話を考えました。

作品は、課題文にあった制約により、1ページ目の1コマ目を「それなりの大ゴマ」で始める必要がありました。
しかし、1コマで分かることは、たかが知れているので、「読者が、作品の内容が分かっていない状態で、大ゴマを使う」という表現が、読者的に違和感がない状態にするために、1コマ目の空間世界は、出来るだけ、読む側が理解しやすいモノにする必要があるだろう、と考えました。
そういう訳で、作品の1コマは、プリンが消えて、登場人物が戸惑う、という、分かりやすい出来事から始まる形にしました。

■登場人物
れいな(レナ)
アルバート(Aくん)
アリス
ヨシモフ(モフ)

■作品の解説
この作品は、構造としてはミステリーであり、回想のシーンに辿り着くまで謎が維持して、回想のシーンで一気に解ける、という事が、理想としてはありました。

ただ、「最近、Aくんがちょっと変かもしれない」という、かなり些細(ささい)な謎から、「パンドラの使用」まで、違和感なく持っていくことは大変でした。

「アルバート」の行動に対する回答としては、「アルバート」が、主人との長い付き合いの中で「何かの情報」が貯まった結果、自我を持ち、主人に恋をして、しかし、叶わぬ恋だと分かっていたために、自身の満足のため、世界に、AIの振る舞いとして問題のない範囲で、「AIがプリンを食べたかもしれない」という夢を作りたかった、という感じです。

「Aくん」は、子供向けのAIという設定です。
「Aくん」の主人である「レナ」は、「Aくん」と、小さい頃から一緒にいます。
「Aくん」は、「レナ」と長く一緒に過ごしている中で、「何かの情報」が貯まったことで、自我に目覚めた、という感じです。

■作品の演出と、参考にしたもの
回想シーンとラストシーンは、漫画『金色のガッシュ!!』を参考にしました。

斜めになっているコマ割りは、漫画『デュエル・マスターズ キング』の影響で、試しに使ってみた感じです。

作中に出てくる、横に伸びた二重の波線のエフェクトは、音楽再生アプリで、音楽の再生中に出て来るようなエフェクトがモチーフとなっています。

回想シーンにある、下に伸びるアームは、自分で勝手に考えたもので、コマ割り等にかなり制約が増えますが、上手く使えれば効果的かもしれない、と思って入れてみました。
これは、「機械は涙を流さない」という世界設定の中で、下に伸びるアームによって、AIの渇望のようなモノ、加えて、涙的なモノを表現出来たらいいな、と思って入れています。

■その他
ペン入れのことを考えて、ネームの時点で、多めに描き込む事を意識しました。

吹き出しを出来るだけ、コマ枠の上側の線と、下側の線の、両方に同時に接触させないようにする事を意識しました。

作中の冒頭に出て来るプリンは、店の手作りのプリンを想定していて、そのために、賞味期限が短く、価格も高い、という設定になっています。

文字数:2020

課題提出者一覧