ネーム
右こぶと左こぶ (鬼にこぶ取らるること)
ネームに関するアピール
【この作品でやりたかったこと】
知人をモデルにしたキャラクターを起点に、すでにある物語から新しい物語を派生させる
みんなが知っている昔話に出てくる人物の性格と行動の傾向を、知人のそれに入れ替えると、物語がオリジナルとは別の方向に進んでいき、新しい物語ができるのではないかと思いました。新しくできた物語とオリジナルの物語の顛末の差分を通じて、モデルにした友人の特徴を読者に面白く伝えられないかと考えました。
また、前回課題の講評で「このような漫画を何本もかけるように分析すべし」とアドバイスをいただいたので、前回やった「既存の物語や事実を混ぜながら新しい物語をつくる」という手法をもう一度やってみようと思いました。
【選んだ物語とその理由】
宇治拾遺物語の「鬼にこぶをとらるること(こぶとりじいさん)」
「自分もこぶをとりたい」と思ったばかりに両頬にこぶをつけられてしまう踊り下手なおじいさんが気の毒すぎるので、その結末を変えてみたいと思いました
【モデルにした友人について】
右こぶの男=すごくいいやつ友人A
右こぶの男(最初にうまいことこぶを鬼にとってもらった男)のモデルは友人のAです。Aはものすごくいいやつで、Aだったら両頬にこぶをつけられてしまったおじいさんのこぶをどうやってとればいいか、一緒に悩んでくれて、気の毒な両こぶのおじいさんを救ってくれるかもしれないと考えました。
また、Aと一緒に遊んでいると、妙におばあさんに話しかけられたり、突然おもしろい建物や店に遭遇したり、遊ぶ人数がちょっと増えたり、最初は予定になかった場所にいつのまにか流れついていたりします。やってくる偶然にノーガードで乗っかって楽しんでしまえる構えがそうさせていると思っているのですが、物語の前半部分に、そういった友人の行動の特徴を反映させました。
【構成で工夫したところ】
オリジナルを知らない人でも楽しめるように
こぶとりじいさんは有名なお話ではあるものの、それを知らない人でも楽しめるようにオリジナルのお話の流れは全て漫画の中に収めました。16ページに収めるために、左こぶのおじいさんが鬼と出会うシーンはめくりを使ってはぶいたり、写真をとることを思いつく見開きと実際に撮った写真を見せる見開きをダブルミーニング(?)でひとつにまとめたりしました。
文字数:956