完成稿
吉野山の話
完成稿に関するアピール
構成は変えずに、「ビジュアルの演出で伝わることを増やす」ことを目指してペン入れしました。
【暗闇のシーン】
暗闇でオバケ力士と遭遇するシーンが肉体的接触の要なので、絵から触覚が想像できるよう、ヒゲや眉毛など、触感が特徴的な部分の描き込みを増やしました。
【黒を目立たせる】
白い地に真っ黒い墨で描かれた番付表や四股名、満員御礼の垂れ幕、明るい茶色の土俵上で映える黒々とした髷など、視覚的な「相撲らしさ」を作っている要素のひとつに、力強い黒色があると思います。漫画の画面上でも黒色が力強く見せたいと思い、黒色ができるだけ高いコントラストで見えるようにトーンを極力使わないことにしました。
文字数:288
ネーム
吉野山の話
ネームに関するアピール
【お題について】
視覚がシャットアウトされると、触覚や聴覚が鋭敏になります。
真っ暗闇での触覚を描くことで、身体どうしがぶつかる勢いや重みを印象的に伝えられるのではないかと思いました。
【演出について】
不思議な話は現実らしいほうが面白くなると思ったので、モキュメンタリー(ドキュメンタリーのように作られたフィクション)っぽい演出にしました。島田虎之助さんの「トロイメライ」などを参考にして、フィクションの間に現実の固有名詞やできごとを混ぜ込みました。
文字数:222