完成稿
蝸牛の恩返し
完成稿に関するアピール
ネームではイトウさんについて冒頭と最後に入れていたんですが、16pだとごちゃつくので今回はジェンダー的なエピソードを除きました。
最初描こうと思った生理ネタからだいぶ変わってしまったので、プロットの段階できちんとテーマを決めたらそこを意識し続けないとダメだなと改めて感じました。
今回直す際に、テーマとしては「主人公が自分の弱さを受け入れる話」として描きました。
自分の弱さゆえに子供の頃大事にしていたカタツムリを殺してしまった主人公が、それをトラウマとして、
弱さを見せない、強い自分しか認めない、という大人になりそのために周りにも幾分かの迷惑あるいは心配をかけているのですが
そういう男性が素直な気持ちを受け入れるラストにしようと思いました。
ただ蝸牛は大事にしてもらった恩と殺された恨みという複雑な思いを抱えているはずですが、蝸牛に対しては救いがなかったなと後で反省しました。
ペン入れに関しては女の子は可愛く、蝸牛は美しく描けるように目指しました。おじさんが描けて楽しかったです。
文字数:437
ネーム
蝸牛の恩返し
ネームに関するアピール
カタツムリの精霊の恩返し(と復讐)のお話です。
最初は気まぐれな女神様によってJKになっちゃったおじさんが生理にひたすら苦しむという生理の小ネタ満載漫画にしてたんですが、16p内で出演キャラが多かったのと話の軌道がずれたのもあって、冒頭と最後しか出ない女神様をカタツムリの精に変えてメインの話に直しました。
なぜカタツムリかというと、男女間の性差の話の中で中立性のある雌雄同体の生物が良かったからです。(クマムシも捨てがたかったのですが、調べるとみんな個体はメスだったのと生態が謎すぎるので今回はやめときました)
作画に関しては今回は中性的なキャラが好きな読者に向けて「目で殺せ」と思いながら顔を描いてました。なるべく一ページにつき一つ大きなコマを入れるように配置し、回想と現在が交錯するところは違いがわかりやすいように演出を心がけました。ペン入れの時はもう少しカタツムリの精を中性的なラインで描きたいと思っています。
今回カタツムリの生態を調べていて、本に「平和主義の生き物」とあり、他者を攻撃せず薄い殻で身を守り(往々にして守れてない)なかなか仲間にも出会わない中、ひっそりと葉を食みゆったりと暮らしていることが分かり、そういう生き物が復讐をするならどんなことをするかなと考えながら描きました。なので、主人公に対して「辛いか?」とか「恐ろしいか?」とかいちいち問いかけ、主人公が「嫌だ」と言ったら素直にやめています。(主人公は決して弱音を吐けないキャラなので結果的に苦しんでいく、という構造にしたかった)
また主人公に関しては、生理から縁遠いおじさんにしました。そしてカタツムリの精と対照的な、好戦的で仕事一筋で男らしさに縛られている男性にしました。(この主人公はヤマダタロウと名付けてたんですが、出すタイミングがありませんでした。)
最初話を作る時に、自分の嫌いなタイプを主役にして描いてみたら苦難を与えやすく話の起伏がつけやすいかもと思って描き始めたのですが、描いてるうちに愛着が出て最後はなんとなく良い人になってしまったので、嫌いなタイプのキャラクター造形が自分には難しいなと改めて感じました。
キャラも場面転換もなるべく減らしたかったのですが、結果的に結構ぎゅうぎゅうづめになってしまい、どこを抜くべきかとかまだいまいちわからないのでその辺りを今後学びたいです。
文字数:980