完成稿
真実ちゃんを滾(たぎ)らせたい
完成稿に関するアピール
ネームからの変更点としては、
- 登場人物の位置を左右逆にしました
- 変更前は左向きの顔がどうしても多くなり、読みにくさがあった
- 一言もしゃべってなかった人物をしゃべらせることにしました
- 「よだれ」を残したかったので、そういうクセのあるちょっと変わった人だと読み手に伝えたかった
- 武富先生のネーム直しでわかりにくい部分を指摘していただいた部分
- 8枚目[ページ番号10]3コマ目の人物の反応
- 13枚目[ページ番号15]ペンを持つ手
- 最終ページ1コマ目の人物のリアクション(ハマったのか、ハマってないのか)
どうぞよろしくお願いします。
文字数:254
ネーム
真実ちゃんを滾(たぎ)らせたい
ネームに関するアピール
今回は、14ページ目の顔を描くために全体を構成しました。
何かに興奮するシーンを描きたく、それを印象的にするにはアニメのハーモニーだろうと考え、
スケッチっぽい絵でやってみようと思い付きました。
その演出は、絵を描くキャラがいれば成立すると思いました。
これで、興奮する人とその絵を描く人というキャラができました。
1ページ目の決めゴマは2コマ目です。
登場キャラはこの二人だということを印象付けるために、枠からはみ出させました。
向かって右が興奮するキャラ、左がそれを描くキャラという立ち位置にしたのは、
観察される対象を先に目につくようにした方が、
観察したくなる特別な人物という感じを出せるかなと思ったからです。
3コマ目と4コマ目は、めくりで「競馬場」に繋げるようにカメラを引いていく演出をしました
(読者に、この二人はどこにいるんだろうという興味を持たせる意図があります)。
2ページ目の決めゴマは2コマ目です。
絵を描くキャラと描かれるキャラの関係を説明する意図があります。
扉絵的な役割を持たせたいと思い、登場人物の顔を右向きにして「止める」感じを出そうとしました。
タイトルをあえてスケッチブックの上に重ねて、
「真実ちゃんを滾らせたい」のが誰なのかを示したいと思いました。
3ページ目の決めゴマは6コマ目のスケッチした顔です。
14ページ目の絵の布石になっています。
また、このキャラの無関心ぶりを表すためによだれが垂れる表現をしました。
4ページ目の決めゴマは4コマ目です。
ちょうど4ページ目で1つ目の山が終わり、次の山に向かってつなぎをする役割を持たせたいと思い、
「いくぞ!」という感じにしたく顔は左向きにしました。
5ページ目の決めゴマは3コマ目の、キャラがパドックに少し興味を持つシーンです。
流れてしまわないように、右向きの顔にしています。
6ページ目は決めゴマはありません。
7ページ目の、『推し馬』との出会いを印象的にするために、
流れていくことを心がけました(キャラの顔は左向き)。
7ページ目の決めゴマは1コマ目と2コマ目です。
他の馬とは違う感じと、それを受け止めるためにキャラの顔を右向きでアップで描きました。
8ページ目の決めゴマは2コマ目です。
これまでのページで自発的な動きがなかったキャラが、指をさす動作をすることで、
13ページ、14ページの布石になるよう意識しています。
また、このページで2つ目の山が終わり、次の山に移行するために4コマ目を意識しました。
9ページ目の決めゴマは2コマ目です。
馬券を買うシーンは省いても良かったのですが、
漫画として、この二人が接近(いちゃいちゃ)しているところを描く必要があると思い、差し込みました。
10ページ目の決めゴマは3コマ目です。
生まれて初めて馬券を買って、なんだろうこれと思っている感じを出そうと思いました。
11ページ目の決めゴマは4コマ目です。
それまで冷静だったキャラが、ちょっとだけワクワクすることを表現するために、頬を少し赤らめる表現をしました。
キャラの意識がレースに引っ張られていることを示すために顔の向きは左向きにしました。
12ページ目の決めゴマは3コマ目です。
競馬の熱を直で受け止める意図を込めて正面の構図にしました。
11ページ目の決めゴマよりも更に引き込まれている感じを出すため、コマの大きさも若干大きくしています。
13ページ目の決めゴマは1コマ目です。
(そこにあるはずの)顔が見切れていることで、何かが起こったんだろうということを表現したかったです。
14ページ目の決めゴマはページ全体です。
3つ目の山であり、この漫画のクライマックスでもあります。
11ページ目、12ページ目の決めゴマで気分を盛り上げて、このページで爆発するという感じを狙いました。
顔の向きを右にしたのは、止まってる感じを出したかったからです。
スケッチブックに描かれることで入れ子構造が発生し、このマンガの奥行きが作れたらなと思いました。
15ページ目の決めゴマは1コマ目です。
「興奮してる人」を描くことで興奮する人という、この漫画の裏のコンセプトを示すシーンです。
何かに夢中になってる人を見ると自分も夢中になれるような気がするという感じです。
16ページ目の決めゴマは1コマ目です。
色々なことをやって楽しむけど結局ハマれないという定番のオチ感を目指しました。
そして次は別のことをやる…みたいな感じで、次回(あるとしたら)への布石です。
想定読者としては、なんとなく何も楽しくないと思っている人です。
何かにハマっている人よりは、何にもハマれなくて毎日そんなに楽しくないな…
と感じている30代くらいの方に読んでもらいたいと思ってます。
掲載媒体は具体的に思いついてませんが、何かしらあるような気がしているので、
それをアドバイスいただけたらと思っています。
それに向けてチューニングして仕上げたいです。
よろしくお願いします。
文字数:2011